35 / 59
第2章 国
第35話 過剰戦力
しおりを挟む
「親父殿! それは本当ですか!!」
「はっはっは、本当じゃ。儂はこの街の将軍となって余生を暮らす。お前達もこの街の一指揮官となって働くのじゃ。儂の顔に泥を塗るのではないぞ」
「「親父殿!?」」
グレイが門から外に出てイズとアズに報告すると否定的な声が聞こえてきた。明らかに嫌がっているな。俺でも仇の街の兵士になるのはごめん被るよ。何を考えているんだ、あの爺わ。って言うか、イズとアズは抜きだって言ったはずなんだが?
「一度、帝国に戻り。王に報告に行く。そのあとはこの街で……ヒフミ殿~、この街の名は?」
ん? そういえばこの街の名前は考えていなかったな。何にするか、適当に俺の名前にするか。
「カイジョウにするよ~」
「カイジョウだな。心得た。では一週間程で戻る故、行ってまいります。主殿」
「「親父殿!?」」
既にグレイは俺を主として見据えているようだ。なんでこんなに気に入られたのかは分からないな。
「親父殿。正気ですか?」
「……正気だ。あの街の戦力を見たら首を垂れるのが一番いいと思ったのだ。儂らの王とは違い、優しい王だ。儂と気の合う最高の王にするつもりだぞ」
「……レギントスの王は許しますか?」
「レイが殺されたのだから許すはずがないだろうな」
グレイたちは馬に乗り走りながら何か話している。これからの事を話しているんだろうな。イズとアズが怒っているのは聞こえて来たからな。
「さてさて、一週間後の予定は出来ちゃったな。だけど、ダンジョンには行ってみたいからな~」
「行っておいでよ。間に合わなくてもガーツとダーツ、それに私達で何とか話はつけるからさ」
門の上でグレイを見送りながらつぶやいているとレイニーが声をかけてきた。マイル親子も後ろにいるな。
「ヒフミ様があの方々に配慮するのはおかしいと思います。非道な行いをしてきたのはあちらです。それでヒフミ様が束縛されてはいけません」
「ダンジョンいこ~」
マイルが心配してそう言ってきた。アイリはダンジョンに行きたいみたいだな。
みんな、俺の事を一番に思ってくれる最高のパートナーだな。戦力的にも大丈夫だろうし、一週間はかからないだろうから言っても大丈夫だよな。
「じゃあ、悪いけど、レイニーに任せるよ」
「あいよ。ダンジョンのお宝は期待しているよ」
レイニーはニカっと笑って了承してくれた。今やこの【カイジョウ】のおかみ的存在だな。
「ガーツとダーツもよろしくな!」
「おうよ。我らドワーフのリビングウェポン達も完成したからな」
「戦果を期待してくれ!」
ドワーフ達はみんなでガッツポーズで答えてくれた。戦果って戦う前提じゃん。少し不安だな。まあ、敵さんが来なければ良いんだよな。
グレイなら、レギントスの王を説得できるだろう……自分の子供を殺されたのに許すことってできるのかね~。考えると不安しかないな。
「戦力をもっと作っておきますかね~」
少し不安に思ってしまったので、今回の戦果を利用して、リビングアーマーを量産する。イズとアズの指揮で俺達を襲ってきたのは百機だったので単純に百体のアーマーを量産。
レイグランドの鎧に運営させる兵士が増加だな。あとは木のマネキンを量産して、本物の馬とで騎馬に、あとは鉄のマネキンと馬を量産して更に五十体作成。これで百体の騎馬の出来上がりだ。普通の馬の騎馬と合わせると二百体が完成した。
リビングアーマーが八百体……過剰戦力だが、更にドワーフ達の武器が精霊化して、ハルバートのような大斧や槍が百体。彼らの武器は全部ミスリルなのでレギントス帝国の装備よりも単純に強い。弓も完璧だ……負ける要素がないな。
前回と同じでドラゴンが来てもミスリルの弓が落とすだろう。さて、安心できたのでダンジョンへの準備をしよう。
「はっはっは、本当じゃ。儂はこの街の将軍となって余生を暮らす。お前達もこの街の一指揮官となって働くのじゃ。儂の顔に泥を塗るのではないぞ」
「「親父殿!?」」
グレイが門から外に出てイズとアズに報告すると否定的な声が聞こえてきた。明らかに嫌がっているな。俺でも仇の街の兵士になるのはごめん被るよ。何を考えているんだ、あの爺わ。って言うか、イズとアズは抜きだって言ったはずなんだが?
「一度、帝国に戻り。王に報告に行く。そのあとはこの街で……ヒフミ殿~、この街の名は?」
ん? そういえばこの街の名前は考えていなかったな。何にするか、適当に俺の名前にするか。
「カイジョウにするよ~」
「カイジョウだな。心得た。では一週間程で戻る故、行ってまいります。主殿」
「「親父殿!?」」
既にグレイは俺を主として見据えているようだ。なんでこんなに気に入られたのかは分からないな。
「親父殿。正気ですか?」
「……正気だ。あの街の戦力を見たら首を垂れるのが一番いいと思ったのだ。儂らの王とは違い、優しい王だ。儂と気の合う最高の王にするつもりだぞ」
「……レギントスの王は許しますか?」
「レイが殺されたのだから許すはずがないだろうな」
グレイたちは馬に乗り走りながら何か話している。これからの事を話しているんだろうな。イズとアズが怒っているのは聞こえて来たからな。
「さてさて、一週間後の予定は出来ちゃったな。だけど、ダンジョンには行ってみたいからな~」
「行っておいでよ。間に合わなくてもガーツとダーツ、それに私達で何とか話はつけるからさ」
門の上でグレイを見送りながらつぶやいているとレイニーが声をかけてきた。マイル親子も後ろにいるな。
「ヒフミ様があの方々に配慮するのはおかしいと思います。非道な行いをしてきたのはあちらです。それでヒフミ様が束縛されてはいけません」
「ダンジョンいこ~」
マイルが心配してそう言ってきた。アイリはダンジョンに行きたいみたいだな。
みんな、俺の事を一番に思ってくれる最高のパートナーだな。戦力的にも大丈夫だろうし、一週間はかからないだろうから言っても大丈夫だよな。
「じゃあ、悪いけど、レイニーに任せるよ」
「あいよ。ダンジョンのお宝は期待しているよ」
レイニーはニカっと笑って了承してくれた。今やこの【カイジョウ】のおかみ的存在だな。
「ガーツとダーツもよろしくな!」
「おうよ。我らドワーフのリビングウェポン達も完成したからな」
「戦果を期待してくれ!」
ドワーフ達はみんなでガッツポーズで答えてくれた。戦果って戦う前提じゃん。少し不安だな。まあ、敵さんが来なければ良いんだよな。
グレイなら、レギントスの王を説得できるだろう……自分の子供を殺されたのに許すことってできるのかね~。考えると不安しかないな。
「戦力をもっと作っておきますかね~」
少し不安に思ってしまったので、今回の戦果を利用して、リビングアーマーを量産する。イズとアズの指揮で俺達を襲ってきたのは百機だったので単純に百体のアーマーを量産。
レイグランドの鎧に運営させる兵士が増加だな。あとは木のマネキンを量産して、本物の馬とで騎馬に、あとは鉄のマネキンと馬を量産して更に五十体作成。これで百体の騎馬の出来上がりだ。普通の馬の騎馬と合わせると二百体が完成した。
リビングアーマーが八百体……過剰戦力だが、更にドワーフ達の武器が精霊化して、ハルバートのような大斧や槍が百体。彼らの武器は全部ミスリルなのでレギントス帝国の装備よりも単純に強い。弓も完璧だ……負ける要素がないな。
前回と同じでドラゴンが来てもミスリルの弓が落とすだろう。さて、安心できたのでダンジョンへの準備をしよう。
0
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる