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第2章 国
第48話 空島
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ガンジさんのレストランで食事をし終わった。店を出てザイバツと別れる。ザイバツは別れ際にも謝ってきたので、ちゃんと話すように促しておいた。
それでもお金は必要だから子供がいても冒険者をしなくちゃいけないだろうから無駄だろうけどね。
ガンジさんの所の子供達のような子は多いんだ。俺達の街のアダム達と同じように孤児になる子は減らないだろうな。アダム達も実は冒険者達が死んだり、育てられなくて捨てられた子なんだ。子供達が気兼ねなく暮らせる世界で育った身としては大事にしてやりたいな。
「ダンジョンダンジョン!」
「……」
ガンジさんのお店からダンジョンへと向かう。宿屋からの時と同じようにアイリが大きな声で楽しそうに歌っているとリックがもうあきらめたようで顔を真っ赤にして考えないようにしている。すれ違う人たちが幸せそうに見つめてくるのがなんとも恥ずかしいが俺も諦めたよ。
「あっ、ヒフミ様。今日もダンジョンですか?」
ダンジョンへ転移してくれる魔法陣が置いてある建物に入るとレリエラが迎えてくれた。何だか嬉しそうに迎えてくれた、何かあったのかな?
「楽しそうですね。何かあったんですか?」
「えっ」
楽しそうにしている理由を聞いたら驚いて頬を赤く染めていく。
「その~……き、昨日のヒフミ様の素材が高く売れまして、よ、喜んでいたんです」
「あ~、サンドワームの。それは良かったです」
そうか~、高く売れたんだな。金貨百枚原価で高くって事は百五十枚位かな?
「今日はダンジョンですか?」
レリエラがぴょんと跳ねて聞いてきた。凄い近くまで近づいてきたのでたじろく。
「そ、そうだけど」
「戦果をお待ちしておりますね!」
「お、おう……」
顔を近づけて話してきたので困惑して話す。なんであんな近づいてきたんだ?
「ふふ、ヒフミ様はかっこいいですからね」
「マイル?」
その様子を見ていたマイルが頬を赤くして呟く。狐目の開けているのか開けていないのか分からない俺がかっこいい……スクールカーストで最底辺の上ら辺だった俺が? 分からん、この世界の人達の美意識……。何だか、自分で言っていて悲しいな。
「お兄ちゃん! ダンジョン~」
「行きましょ~」
アイリとリックが急かす様にズボンを引っ張ってきた。
考え込むのをやめて魔法陣へと歩きだす。気のせいか出来ていた人垣が割れて、俺達を通す道が出来た。結構、注目されているようだが、そんなに五階に行ったのが凄いことなのか?
注目されながらも魔法陣に入る。
一瞬で視界が変わり石造りの部屋に変わった。六階から再スタート出来るんだよな。
「ふ~、何かホッとするな」
「あんなに注目されるなんて思いませんでしたね……」
緊張していたのは俺だけだと思ったらマイルも緊張していたようだ。少し冷や汗をかいているのが伺える。
「僕もドキドキしてましたよ」
「リックもか」
「アイリ以外は緊張しましたよ。わが子ながら図太い」
緊張で疲れてしまった俺達は座り込んでいるんだが、アイリは次への扉をペタペタ触っている。そう言う周りに影響されない所はアイリの良い所ではあるが、危ないので開けないでおくれよ。
とはいっても進まないとダンジョンを楽しめん。疲れた体に鞭打って扉を開く。
「気持ちいい~」
青々とした草原で風がずっと引き続けている。フィールドタイプのようで広々としている。
「わ~、お空の上なの?」
アイリが遠くを見つめて話す。
上や左右に雲が見える、どうやら、アイリが言うように浮いている島のようだ。ファンタジーらしくていいけど、どうやって飛んでいるんだ? まあ、そんな分からないことを考えても仕方ない。魔物を倒していこう。
「キュイ~」
「あれは?」
「ハーピーですね。初めて見ます」
人と鳥のハーフのような魔物が仲間同士で戯れている。空に飛んで降下してを繰り返し行っているよ。あんなに自由に飛べるなら楽しいだろうな。
「楽しそうだな……」
「アイリも飛びた~い」
呟くとアイリも同意した。
「ヒフミ様、ああやって油断させて襲ってくるんですよ。ハーピーの好物は人肉ですからね」
「えっ!」
ハーピーを微笑ましく見つめているとマイルに注意された。ハーピーの好物って人なの? 怖すぎるんだけど。
「キュイ?」
「ゲッ、見つかった?」
空高く飛んだハーピーと目が合った。美しい男女のハーピーが顔を変化させて襲い掛かってくる。顔がゴブリンみたいになっていて怖い。やっぱり、魔物何だな……。
「みんな戦闘態勢!」
『はい』
剣達にも含めて指示を飛ばす。剣達は全員マジックバッグに入れていたので全員取り出した。ゴブリンなんかよりももっと人型なのでやりにくそうだ……。
それでもお金は必要だから子供がいても冒険者をしなくちゃいけないだろうから無駄だろうけどね。
ガンジさんの所の子供達のような子は多いんだ。俺達の街のアダム達と同じように孤児になる子は減らないだろうな。アダム達も実は冒険者達が死んだり、育てられなくて捨てられた子なんだ。子供達が気兼ねなく暮らせる世界で育った身としては大事にしてやりたいな。
「ダンジョンダンジョン!」
「……」
ガンジさんのお店からダンジョンへと向かう。宿屋からの時と同じようにアイリが大きな声で楽しそうに歌っているとリックがもうあきらめたようで顔を真っ赤にして考えないようにしている。すれ違う人たちが幸せそうに見つめてくるのがなんとも恥ずかしいが俺も諦めたよ。
「あっ、ヒフミ様。今日もダンジョンですか?」
ダンジョンへ転移してくれる魔法陣が置いてある建物に入るとレリエラが迎えてくれた。何だか嬉しそうに迎えてくれた、何かあったのかな?
「楽しそうですね。何かあったんですか?」
「えっ」
楽しそうにしている理由を聞いたら驚いて頬を赤く染めていく。
「その~……き、昨日のヒフミ様の素材が高く売れまして、よ、喜んでいたんです」
「あ~、サンドワームの。それは良かったです」
そうか~、高く売れたんだな。金貨百枚原価で高くって事は百五十枚位かな?
「今日はダンジョンですか?」
レリエラがぴょんと跳ねて聞いてきた。凄い近くまで近づいてきたのでたじろく。
「そ、そうだけど」
「戦果をお待ちしておりますね!」
「お、おう……」
顔を近づけて話してきたので困惑して話す。なんであんな近づいてきたんだ?
「ふふ、ヒフミ様はかっこいいですからね」
「マイル?」
その様子を見ていたマイルが頬を赤くして呟く。狐目の開けているのか開けていないのか分からない俺がかっこいい……スクールカーストで最底辺の上ら辺だった俺が? 分からん、この世界の人達の美意識……。何だか、自分で言っていて悲しいな。
「お兄ちゃん! ダンジョン~」
「行きましょ~」
アイリとリックが急かす様にズボンを引っ張ってきた。
考え込むのをやめて魔法陣へと歩きだす。気のせいか出来ていた人垣が割れて、俺達を通す道が出来た。結構、注目されているようだが、そんなに五階に行ったのが凄いことなのか?
注目されながらも魔法陣に入る。
一瞬で視界が変わり石造りの部屋に変わった。六階から再スタート出来るんだよな。
「ふ~、何かホッとするな」
「あんなに注目されるなんて思いませんでしたね……」
緊張していたのは俺だけだと思ったらマイルも緊張していたようだ。少し冷や汗をかいているのが伺える。
「僕もドキドキしてましたよ」
「リックもか」
「アイリ以外は緊張しましたよ。わが子ながら図太い」
緊張で疲れてしまった俺達は座り込んでいるんだが、アイリは次への扉をペタペタ触っている。そう言う周りに影響されない所はアイリの良い所ではあるが、危ないので開けないでおくれよ。
とはいっても進まないとダンジョンを楽しめん。疲れた体に鞭打って扉を開く。
「気持ちいい~」
青々とした草原で風がずっと引き続けている。フィールドタイプのようで広々としている。
「わ~、お空の上なの?」
アイリが遠くを見つめて話す。
上や左右に雲が見える、どうやら、アイリが言うように浮いている島のようだ。ファンタジーらしくていいけど、どうやって飛んでいるんだ? まあ、そんな分からないことを考えても仕方ない。魔物を倒していこう。
「キュイ~」
「あれは?」
「ハーピーですね。初めて見ます」
人と鳥のハーフのような魔物が仲間同士で戯れている。空に飛んで降下してを繰り返し行っているよ。あんなに自由に飛べるなら楽しいだろうな。
「楽しそうだな……」
「アイリも飛びた~い」
呟くとアイリも同意した。
「ヒフミ様、ああやって油断させて襲ってくるんですよ。ハーピーの好物は人肉ですからね」
「えっ!」
ハーピーを微笑ましく見つめているとマイルに注意された。ハーピーの好物って人なの? 怖すぎるんだけど。
「キュイ?」
「ゲッ、見つかった?」
空高く飛んだハーピーと目が合った。美しい男女のハーピーが顔を変化させて襲い掛かってくる。顔がゴブリンみたいになっていて怖い。やっぱり、魔物何だな……。
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