制作スキル持ちのリビングマスター ~異世界覇者への道~

カムイイムカ(神威異夢華)

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第2章 国

第47話 説教

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「おお、ヒフミ。今日は朝から来てくれたのか?」

「ああ、ガンジさん。おすすめを人数分」

「了解。今日はおごりで良いぜ」

 レストランに入って、ガンジさんに迎えられた。適当におすすめを頼むと親指を立てておごると言ってくれた。
 おごってもらうのも悪いと思っていいって言ったんだけど、そこはガンジさんも頑なでお金は受け取ってくれなかったよ。しょうがないからまたチップを弾むか。

「それで? 説明してくれ」

 席についてザイバツに説明を求める。ザイバツはホールで働く子供達を見つめた。

「聞いてる?」

「ああ……このレストランではよく食事をするんだ」

 ザイバツはなおも子供を見つめる。子供を見る目はとても純粋でまるで親のような輝きがある。

「ここの子供達の素性は知っているか?」

「ん? ああ、聞いてるよ。親を亡くしたんだろ?」

「そうだ……」

 質問に答えるとザイバツは俯いて一つの短剣を取り出した。短剣は銀色に輝いていて、高価そうに思える。

「それは?」

「俺の親友の形見さ。お前達と同じように親子で冒険者をしていたんだ……」

 形見か……って事は親友は死んでいるんだな。

「それと俺達に絡んだ理由が関係しているのか?」

「ああ、親子でのダンジョンの利用を控えてもらおうと思って絡んだのさ。今思えば、馬鹿なやり方だと思うよ」

 ザイバツは俺達に死んでほしくなくて、ここの子供達のように孤児にしないようにしたかったって事か。確かに、あんなサンドワームとの戦闘になったら普通の人たちは死んでしまうかもしれないな。
 この世界の人たちはレベルが低いのはザイバツで分かったし、思ってみれば、レイグランド達の兵士を一掃できたのもレベルが低い相手だったからって事なんだよな。
 ザイバツは馬鹿なりに心配して、力づくてやめさせようとしたって事か。いい奴だな、やり方は間違ったけどな。

「あいよ! 朝はさっぱり芋のスープとラム肉のサラダだ」

 ガンジさんが料理を運んできてくれた。子供達も一緒に持ってきたので全員に行き渡る。朝なのでそれほど客がいないからいっぺんに用意できたみたいだな。

「ありがとう」

「どういたしまして」

 ガンジさん達にお礼を言うとニカっと笑って席から離れていった。子供たちはザイバツを見て笑いかけてくれたよ。落ち込んでいる人を元気づけることもできるなんて、できた子供達だ。

「いい子達だな」

「ああ、本当にすまなかった」

「もういいよ。誤解だったんだろ」

「あんたは強かった。それなら心配はいらないよな」

 ザイバツは少し元気になってサラダを一口頬張った。人に忠告するのに暴力しか思い浮かばないような馬鹿だけど、悪い奴じゃないんだろうな。

「あなた! やり方が下手! お兄ちゃんならもっと話し合うよ!」

「うっ。それを言われるとなんも言えねえ」

 アイリにズバッと突っ込まれてたじたじになるザイバツ。この子の言う通りなので俺は何も言わずに芋のスープを口に入れた。
 芋のスープは俗にいうビシソワーズだ。冷たくてさらっさらのスープでかなり美味しい。胡椒が少し入っているみたいでいい香りが鼻にかおる。

「朝にぴったりのスープですね」

「ああ、美味しいな」

「美味しいですね」

 マイルも美味しいと言ってスープを口に入れていく。美味しいと返すとリックも美味しそうに呟いた。
 冷たい飲み物って久しぶりだから何だかうれしいな。どうやって作ってるんだ?

「これってどうやって作るのかな?」

「えっとね~……。親方~」

「はは、まだわからねえか。魔法使いに氷魔法使ってもらって氷を手に入れるんだよ。それで鉄で作ったボールでスープを作って冷やしながら作るんだよ」

 ホールで掃除をしていた子供に料理の事を聞いたら親方に助けを呼んだ。親方はガハハと笑って説明してくれた。聞いておいてなんだけど、レシピをそんな簡単に教えていいのか?

「マイルは氷魔法できるのか?」

「私もできますし、ヒフミ様の精霊様でもできますよ」

 あ~、そうだった。杖達は万能だから、大抵の魔法は出来るんだよな。

「俺だけ場違いだな」

 ザイバツが狼狽えながら食事を進める。家族団らんみたいな空気に引け目を感じているようだ。

「ザイバツはもっと対話を大事にしろよな。そんな怖い顔で脅したら、ただの恐喝にしかならないだろ」

「すまねえ……。今度からはちゃんと話してみるよ」

 思ってみれば、冒険者ギルドでのヤジもやめさせようとして言ってきていたんだな。ギルドの人達が無視するだけで、文句を言わなかったのは事情を知っていたからなのか。ゼーレンもちゃんと言ってくれればよかったのにな。
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