孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした

カムイイムカ(神威異夢華)

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第一章 

第3話 パーティー

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名前 フィル 
 
 レベル 31

 HP 460
 MP 400
 
 STR 70
 DEF 70
 DEX 67
 AGI 75
 INT 62
 MND 62

 パーティーリーダー 【ラフィーリア】
 メンバー      【フィル】

 再度、綺麗な女性の声のレベルアップを聞いて驚いてる。
 思った通り、ラフィーリアさんの狩りの経験値が僕に入ってきてるみたいだ。
 24レベルが一気に31になるほどの経験値? それってどんな魔王を倒したらもらえるんだろうか。強そうだと思ったけど、ラフィーリアさんはかなりの強者だったみたいだな~。

「フィル?」

 色々と考え込んでいるとルリに心配されちゃった。

「じゃあ依頼の受け方を説明するわね」

 トコトコと掲示板まで歩いていくオリーブさん。掲示板に張られている皮紙を二枚取って僕らに見せる。

「こっちが一番簡単な依頼のFランクの依頼、でこっちがこのギルドで一番難しい依頼のAランク。フィル君達はこのFランクから始めるべきだね」

 オリーブさんはFランクの皮紙を手渡してきた。内容は街の入口である門の前の掃除だ。
 冒険者や商人がいっぱい通る大通りだから、結構ゴミがあるんだよね。
 孤児も集まるけど、食べ物のゴミはあまりないから人気はなかったな~。
 
「じゃあこれで」

「はい、承りました」

 皮紙を返すと受付に戻って大きなハンコを押すオリーブさん。ハンコを押された皮紙はハンコの部分が一瞬光って治まるとニッコリと微笑んでくれた。

「では行ってらっしゃいませ。無事の報告をお待ちしております」

「「はい、いってきます」」

 オリーブさんに見送られてギルドを後にした。

「良い人だったね」

「そうだね」

 ギルドを出てルリが口を開いた。ルリは人と話す時緊張してしまうからほとんどギルドの中じゃ話してなかったな。

「ルリはもっと人と話さないとダメだよ」

「う、ん。頑張る」
 
 うんうん。ちゃんと働くことになるんだから人との接し方は勉強しないとね。
 おっと、ずっと手をつなぎっぱなしだった。外だし離さないとね。

「あ!?」

「ん? もう外だから大丈夫でしょ?」

「ん、うん……」

 手を離すとルリが声をあげる。握っていた手を見つめてため息をついてる。

「どうしたの?」

「う、ううん。なんでもないよ。城門だよね早くいこ」

 ルリは顔を真っ赤にして城門へ走っていく。
 仕事が出来て嬉しいんだな。僕もやっと安定した収入が得られそうで嬉しいよ。
 ラフィーリアさんからもらった金貨も服とか食料とか買ってしまったから大銀貨九枚になっちゃった。通貨は銅貨から始まって大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨という感じで流通してる。十枚で次の通貨に換えられるから大銀貨一枚で服とかを変えたことになるわけ……金貨を持っているだけで出店の人達の態度が変わるわけだよな~。
 そんなことを考えていると城門にたどり着いた。子供の足でここまで歩くのは結構大変だ、ルリは息切れしてる。
 僕はというとまったく疲れてない……これもステータスのおかげかな。

「ふぃ、フィルは凄いね。疲れないの?」

 ハァハァと息を切らせてるルリ。そうか、ルリもパーティーに入れればレベルが上がるのかな?

「ルリ。拳を出して」

「拳? こう?」

「そうそう。ごっつんっと。これでパーティーだね」

「?」

 どうやればパーティーとして認識されるかわからないのでラフィーリアさんのやったことをそのままやってみた。拳を当て合ってパーティーとして認識を声に出す。
 ステータスはレベルアップの時しか見れないと思うんだけど、見る方法はあるのかな?
 確か、小説だとステータスって言うんだっけ? 想っても見れるかな? とにかくやってみよう。

「ステータス」

名前 フィル 
 
 レベル 31

 HP 460
 MP 400
 
 STR 70
 DEF 70
 DEX 67
 AGI 75
 INT 62
 MND 62

 パーティーリーダー 

【ラフィーリア】

 メンバー  
    
【フィル】
【ルリ】

 よしよし。パーティーにルリが入った。これでしばらくすればレベルが上がるはず?

「わっわっ!」

 そう思っていると案の定ルリが驚きの声をあげた。

「ふぃ、フィル! レベルが上がったっていって文字がいっぱい出てきたよ!」

「良かったねルリ」

「フィルのおかげ、だよね?」

 ウルウルした瞳で僕を見つめてくる。5歳でこの上目遣いのスキルを持っているとは将来のルリは魔性の女になるのかな?

「ラフィーリアさんのおかげだけどね」

「ラフィーリアさん……私もあの人みたいになれるかな?」

「彼女に憧れてるの?」

「そういうわけじゃないけど、(あの人みたいにカッコよくなれればフィルが振り向いてくれるかな、なんて)」

 質問にもじもじと手遊びをして答えてくれたけど最後は良く聞こえなかったな。結構長く呟いていたけどなんて言ったんだ?

「今なんて言ったの?」

「ううん。何でもない。そんなことよりも早く掃除しちゃお」

「そうだね」

 ルリに促されて門の前にあるゴミを一か所に集めていく。
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