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第一章
第2話 僕のチート?
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「似合ってるよ坊やたち」
金貨を一枚持って僕らはとりあえず身なりを整える。その為に出店の服屋さんに来た。散髪屋を先に寄ったので髪も綺麗に整ってる。
金貨を持っているのを見せるだけでどの店の人もネズミだと思わなかったみたいでよくしてくれてる。
ルリも薄い緑色の服に身を包んでエルフらしさが際立つな。
まあ、僕は無難に白を基調にした青い線が入った服だ。僕の髪も青いからあってると思ってる。それほどセンスがあるわけじゃないから何とも言えないけどね。
「ふぃ、フィル。カッコいいよ」
「ありがと。ルリも似合ってるよ」
「!? あ、ありがと」
二人で服を褒め合う。
服も買ったのでラフィーリアさんの言っていた冒険者ギルドに向かう。
「な、なんで私に良くしてくれるの?」
不意にルリが聞いてきた。良くしているつもりはないけどな。
「意図があるわけじゃないよ。ラフィーリアさんがそうやって使ってほしそうだったから」
「そ、そうなの?」
少し残念そうに俯くルリ。ラフィーリアさんは金貨を手渡してくれた時少しだけルリを見ていた。たぶん、そういう意図があったんだと思うんだよね。
「じゃあ、フィルがよくしてくれたのはあの人のため?」
「ん~。最初はそう思ったけど、今は間違いじゃなかったって思ってるよ。君も優しい子だよ。ラフィーリアさん風に言うと綺麗な子だね」
ニコっと笑って言うと顔を背けるルリ。何かまずいこと言っちゃったかな?
「ルリ?」
「!? ぼ、冒険者ギルドだよね。あれでしょ?」
気まずいから声をかけたらルリが驚いて冒険者ギルドを指さした。
噴水広場のすぐ横、酒場が併設されているのは常識みたいで木のジョッキを持った冒険者が窓から見える。
「な、中にはいるの?」
「うん。そうだけど? 怖い?」
「う、うん。少し」
「じゃあ、手を握って」
「!?」
ルリの手を握るとビクッと驚いて強く握り返した。顔が真っ赤っかでトマトみたいになってる。そんなに怖いのかな?
落ち着くのを待って両開きの扉を押してギルドに入った。
その瞬間変な声が頭に響いてきた。
『レベルが上がりました』
「わ!?」
「ど、どうしたのフィル!」
声に驚いて声をあげるとルリに心配されてしまった。ギルドの中にも聞こえちゃったみたいでみんなが僕らに視線を移した。
「おいおい。なんだ? ガキがなんで?」
「孤児じゃねえか? まあ、それにしては身綺麗だな」
そんな声が聞こえる中、僕は目の前に広がった自分のステータスを見ていた。他の人には見えないそれはとても信じられない数値を見せていた。
名前 フィル
レベル 24
HP 260
MP 200
STR 43
DEF 43
DEX 41
AGI 47
INT 40
MND 40
パーティーリーダー 【ラフィーリア】
メンバー 【フィル】
5歳の子供がレベル25……
路地で生活していた時にこの世界の最高レベルの人の話を聞いたことがある。確か、75……平均レベルが20という話だった。
一度死んだら終わりの世界で魔物と戦うんだからそのくらいが妥当だと思う。
だけどなんでレベルが上がったんだ? このパーティーって言うのが関係してるのか?
ラフィーリアさんが狩りをすることで僕にも経験値が入ったってことか? 異世界転生をするとチートが手に入るって言うのは好きなアニメや小説で見たけど、まさか本当に得られていたとは……。
「おい! ガキども。ここは孤児院じゃねえぞ」
ステータスやその他もろもろに驚いていると丸坊主の筋骨隆々の人が僕らの前で仁王立ちしてきた。子供はあんまりよく思われてないのかな?
「ふぃ、フィル~」
「大丈夫だよ。ラフィーリアさんに仕事があるって聞いてきました」
「ラフィーリアだと?」
ラフィーリアさんの名を出すと顔を青ざめさせる丸坊主さん。何か嫌なことでも思い出してるのかな?
「はいはい。ガルトさん。どいてくださいね」
受付で僕らのことを見ていた女性が出てきて丸坊主のガルトをどけてくれた。
「ラフィーリアさんの紹介ですね。まずはお名前と歳だけど、書けるかな?」
「はい。僕は大丈夫です」
女性に答えるとルリが目を伏せて口を開く。
「あ、わ、私は書けません……。書けないとダメですか?」
心配そうに話すルリ。
「心配ないわ。それなら私が書くから。ようこそ冒険者ギルドへ。小さな冒険者さん。私は受付係のオリーブよ。これからよろしくね」
「「はい」」
オリーブさんに名前と年齢を書いた紙を渡して返事をすると、再度あの声が聞こえてきた。
『レベルが上がりました』
金貨を一枚持って僕らはとりあえず身なりを整える。その為に出店の服屋さんに来た。散髪屋を先に寄ったので髪も綺麗に整ってる。
金貨を持っているのを見せるだけでどの店の人もネズミだと思わなかったみたいでよくしてくれてる。
ルリも薄い緑色の服に身を包んでエルフらしさが際立つな。
まあ、僕は無難に白を基調にした青い線が入った服だ。僕の髪も青いからあってると思ってる。それほどセンスがあるわけじゃないから何とも言えないけどね。
「ふぃ、フィル。カッコいいよ」
「ありがと。ルリも似合ってるよ」
「!? あ、ありがと」
二人で服を褒め合う。
服も買ったのでラフィーリアさんの言っていた冒険者ギルドに向かう。
「な、なんで私に良くしてくれるの?」
不意にルリが聞いてきた。良くしているつもりはないけどな。
「意図があるわけじゃないよ。ラフィーリアさんがそうやって使ってほしそうだったから」
「そ、そうなの?」
少し残念そうに俯くルリ。ラフィーリアさんは金貨を手渡してくれた時少しだけルリを見ていた。たぶん、そういう意図があったんだと思うんだよね。
「じゃあ、フィルがよくしてくれたのはあの人のため?」
「ん~。最初はそう思ったけど、今は間違いじゃなかったって思ってるよ。君も優しい子だよ。ラフィーリアさん風に言うと綺麗な子だね」
ニコっと笑って言うと顔を背けるルリ。何かまずいこと言っちゃったかな?
「ルリ?」
「!? ぼ、冒険者ギルドだよね。あれでしょ?」
気まずいから声をかけたらルリが驚いて冒険者ギルドを指さした。
噴水広場のすぐ横、酒場が併設されているのは常識みたいで木のジョッキを持った冒険者が窓から見える。
「な、中にはいるの?」
「うん。そうだけど? 怖い?」
「う、うん。少し」
「じゃあ、手を握って」
「!?」
ルリの手を握るとビクッと驚いて強く握り返した。顔が真っ赤っかでトマトみたいになってる。そんなに怖いのかな?
落ち着くのを待って両開きの扉を押してギルドに入った。
その瞬間変な声が頭に響いてきた。
『レベルが上がりました』
「わ!?」
「ど、どうしたのフィル!」
声に驚いて声をあげるとルリに心配されてしまった。ギルドの中にも聞こえちゃったみたいでみんなが僕らに視線を移した。
「おいおい。なんだ? ガキがなんで?」
「孤児じゃねえか? まあ、それにしては身綺麗だな」
そんな声が聞こえる中、僕は目の前に広がった自分のステータスを見ていた。他の人には見えないそれはとても信じられない数値を見せていた。
名前 フィル
レベル 24
HP 260
MP 200
STR 43
DEF 43
DEX 41
AGI 47
INT 40
MND 40
パーティーリーダー 【ラフィーリア】
メンバー 【フィル】
5歳の子供がレベル25……
路地で生活していた時にこの世界の最高レベルの人の話を聞いたことがある。確か、75……平均レベルが20という話だった。
一度死んだら終わりの世界で魔物と戦うんだからそのくらいが妥当だと思う。
だけどなんでレベルが上がったんだ? このパーティーって言うのが関係してるのか?
ラフィーリアさんが狩りをすることで僕にも経験値が入ったってことか? 異世界転生をするとチートが手に入るって言うのは好きなアニメや小説で見たけど、まさか本当に得られていたとは……。
「おい! ガキども。ここは孤児院じゃねえぞ」
ステータスやその他もろもろに驚いていると丸坊主の筋骨隆々の人が僕らの前で仁王立ちしてきた。子供はあんまりよく思われてないのかな?
「ふぃ、フィル~」
「大丈夫だよ。ラフィーリアさんに仕事があるって聞いてきました」
「ラフィーリアだと?」
ラフィーリアさんの名を出すと顔を青ざめさせる丸坊主さん。何か嫌なことでも思い出してるのかな?
「はいはい。ガルトさん。どいてくださいね」
受付で僕らのことを見ていた女性が出てきて丸坊主のガルトをどけてくれた。
「ラフィーリアさんの紹介ですね。まずはお名前と歳だけど、書けるかな?」
「はい。僕は大丈夫です」
女性に答えるとルリが目を伏せて口を開く。
「あ、わ、私は書けません……。書けないとダメですか?」
心配そうに話すルリ。
「心配ないわ。それなら私が書くから。ようこそ冒険者ギルドへ。小さな冒険者さん。私は受付係のオリーブよ。これからよろしくね」
「「はい」」
オリーブさんに名前と年齢を書いた紙を渡して返事をすると、再度あの声が聞こえてきた。
『レベルが上がりました』
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