レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)

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第二章

第52話 絶体絶命?

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「こりゃどういうわけだ!」

「最初から俺と一緒に生き埋めにする予定だったのさ」

「て、てめえ」

 ウェインの胸ぐらをつかむグレンさん。凄い剣幕で話すグレンさんにそっぽを向いて話すウェイン。

「捨てられたってことだね」

「ふんっ。最初から飼われていた訳じゃない。俺が使ってやっただけだ」

「言ってろ。お前は捨てられたんだ」

 地鳴りが激しくなっているなかクランロード様とグレンさんが詰めよって話す。ウェインは負け惜しみとも取れることを言ってる。

「こんなことをしていていいのか? すぐにでも出ないと生き埋めになるぞ。まあ、それを生き抜いても地獄が待ってるけどな」

「なに? お前は何を言ってんだ?」

 くくくと笑うウェイン。狂ったように見えたみたいでグレンさんが一発ビンタをくらわせた。

「ここまで来るときに見ただろう? ヒュドラの卵を」

「あ? それがどうした?」

「くくく、俺はそれと戦いたかったんだよ。世界を毒沼にする魔物。国一つは沈むだろうな」

 ウェインが挑発的に話してくる。グレンさんは完全にキレてる、クランロード様が止めてるけど、彼もグレンさんと一緒で顔は怒りを示してる。

「クランロード様! 尋問は上に戻ってから!」

「ああ、そうだった。行くぞ」

『そうはいかない』

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 兵士達が声をあげて梯子へと促してきた。すぐに行こうと思ったその時、ウェインのしていた腕輪が僕らを囲んで結界を作り出した。閉じ込められたってこと? 声は完全にエペックのものだ。エリンに話しかけていた声と一緒だった。

「クランロード様!」

「こっちは心配するな。君たちだけすぐに上がるんだ」

「ですが! ……分かりました! 必ず生きて帰ってください!」

「ああ」

 兵士達は悲しい表情で梯子への通路へと消えていく。僕らはウェインを睨みつける。

「健気だね~。これから死ぬ王様を慕ってるってか? 反吐が出るな。しょせんは兵士だ。上が変わったらそのまま仕えるだけ、それがどんなに悪い奴でもな。これからエペックにちゃんと尽くすんだろうな」

「何が言いたい?」

 ウェインは馬鹿にするように言い放ってくる。今度はクランロード様が苛立ちを見せて聞き返す。

「俺も王子だったからな。分かるんだよ」

「はぁ? 王子だ? 馬鹿言ってやがるな」

「本当さ。でもな、王様が変わったとたん捨てられたってわけだ」

 ウェインにもつらい過去があったってわけね。でも、それで人の国を壊して言い訳がない。

「お兄ちゃん。私達も早く出ないと」

「うん。そうだね。とりあえず、腕輪を」

 リルムちゃんが飽きたみたいで声をあげる。確かにこのままここにいたら生き埋めになっちゃうよね。食べ物も結構持っているけど、結界の中で暮らすのはごめんこうむる。

「おいおい。壊せるはずがないだろ。極大魔法も防ぐ腕輪だぞ。エペックにつけろと言われてつけさせられたものだ。俺も壊そうとしたが無理だったからな」

「あ~うるさいな。黙って見ててよ」

 腕輪を壊そうと触っているとウェインがうるさく解説してくる。まったく、もうちょっと黙っていられないのかね? 
 腕輪を摘まんで握る。思いっきり力を込めるとミシミシと音がしてきてあと一息かと思ったら地鳴りが強くなってきて天井が結界に落ちてきた。

「壊れそうなのにびっくりしたが壊したら天井が降ってきておしまいだぞ」

「悔しいがこいつの言うとおりだな」

「ああ、八方ふさがりだ」

 ウェインが驚きながら声をあげるとグレンさんとクランロード様が呟く。流石にこのまま結界が破れると危ないかな。

「さてどうしたものか……」

「時間がないぞ。空気には限りがあるからな」

「うるせえよ。お前は助かりたくないのか?」

「助かってヒュドラやお前と戦いたいと思うがそれは叶わないだろうな」

 グレンさんの呟きにウェインがニタニタ笑いながら言ってくる。本当は助かりたいと思っているくせにこの状況を楽しんでる。
 いい人なんじゃと思ったけど、やっぱりダメな人みたいだな。

『くくく、お前達はそこで死ぬのだ。王都が私のものになるのを見ているがいい』

「エペックか。悪趣味なやつだな」

 ウェインの腕輪から映像が映写される。あの腕輪便利だな。一個欲しいところだ。
 エペックが城のテラスにいるのが見える。まだ城の兵士達はことが起きてるのを知らないみたいだ。

『王都の民よ。この地震は私が起こしている。これよりこの王都は私のものとなる。逆らうものはヒュドラによって石となるだろう』

 テラスからエペックの言葉に王都の住人が首を傾げ始める。急なことだから信じてないみたいで普通の生活に戻っていく。

『信じられないのも無理はない。ではお見せしよう。恐怖と言うものを!』

「きゃ~」

「じ、地震だ!」

 危機感のない民を恐怖のどん底へと落とすエペック。言葉と共に地震が激しくなって地割れが起こっているのが見える。
 割れた地面から大小さまざまな蛇が湧き出てひと際大きな蛇が雄たけびを上げている。
 一番大きな蛇は4足で三つ首の蛇、十メートルの城壁を軽く超えているのを見ると30メートルはあるように見える。

『さあ、私に従いなさい。くくく、は~っはっはっはっは』

 高笑いをして僕らへと笑みを浮かべたエペック。映像は切れて地震が強くなっていく。最後の映像で住人が一か所に集められているのが見えた。城に集められてたな。

「悪趣味だな。見てられん」

「おい、お前の仲間だろ。何とかしろよ」

 クランロード様がうつむいて頭を抱えるとグレンさんがウェインの胸倉をつかんで声を上げた。

「俺は弱いものには興味がない。弱い奴を殺してもつまらんからな。エペックの気がしれん」

「このっ。それをさせちまってるのは誰のせいだと思ってる。お前が俺達を閉じ込めなかったら今ごろ終わってたんだぞ」

 ウェインが吐き気を模様しながら呟いてるとグレンさんがウェイン頭を叩いて話す。
 この状況を脱却するにはアレを使うしかないけど、上の住人がどうなるかわからないんだよな。

「ティル。あの聖属性魔法は使えるかい?」

「あっ、僕も使おうと思ったんですけど、上にいる人がどうなるかわからなくて」

「範囲を小さくしてやれば大丈夫だと思う。それに民は城に集められてた。教会のすぐ近くには人がいないはずだ」

 クランロード様が提案してくる。確かに映像では城に集められてたのが見えた。小さく十字を作れば行けるかな?

「背に腹は代えられない。やってみよう」

「おい? さっきから何の話をしているんだ」

 魔法を使うことを決意するとウェインが首をかしげて聞いてきた。構わずに僕は、

「じゃあ行きますよ! 【グランドクロス】」

「なっ!?」

 太刀と小太刀を十字に構えて天へと向ける。結界ごと十字に天井が裂けていく。ずっと遠くに太陽の光が見えるのを確認した。あとは上るだけか。

「な、なんてやつだ……極大魔法どころじゃねえ」

 僕を見つめてくるウェインが呟いてる。なんだか照れくさくて頭をポリポリ掻いてるとリルムちゃんが『お兄ちゃんは凄いの』と褒めてくれた。
 天井を裂いたことで天井が崩れるのは止まった。押し固められるような感じかもしれないな。それか焼き固められた感じかな?どちらにしろ、グランドクロスは凄いってことか。
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