結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

恋愛系

文字の大きさ
13 / 170
第一部一章 生まれ変わる

ルナ氏

しおりを挟む
 今から目を瞑って三秒数えてとプランスに唐突に言われた。どんな意味があるか分からないけど、ひとまず、言う通りにして三秒間目を瞑った。
 こうなったきっかけはさっきは『ミア、自分の事を悪く見過ぎなんじゃないか?』という言葉の後、プランスが思いついたように『そうだ、ミアにお守りあげるね』と優しく微笑み、今に至るというわけだ。

「ミア目を開けて」

 たった三秒しか目を閉じてないというのに、目を開けた途端目の前太陽があるかのように、光る彼が立っていて、両手をお茶碗のようにして丸める。
 そして、手を横に花が咲くようにして開くと、真珠の耳飾りが置かれるようにしてあった。

 真珠の耳飾りが太陽に照らせて光り輝く。そして、反射して鏡にように私の顔が映った。
 
「どうかな。たまたま、リトルドラゴンを倒したらリトルドラゴンの耳に付いてたんだ」

 彼なりに綺麗にしたことがよーく分かり、私は美しい真珠の耳飾りを見つめてしまい、目を離せず、瞼には海の底に沈んでいた貝殻が見えた。

 もううっとりしてしまって、決して感じたことのない感情と思いに駆られた。

 たぶん旦那様に同じことをされても、何も想わずただ『ありがとうございます。大事に扱います』と弱音を吐くようなことを抜かしていただろう。
 でも、彼の前では私も生まれ変わる。
 
 屋敷に居た自分とは本当に別人になって、今まで引き出せなかった自分を最大限に引き出す。そして、言い訳のように人助けができないと抜かしていた自分の、貝殻を剥がして人々と同じ目線で話し合う。
 これが私にできる唯一の償いなのだから。

 そう思った時頭の中に、彼の言葉が雷のように落とされた!。

『ミア、自分の事を悪く見過ぎなんじゃないか?』

 何度も何度もリピートされて、自分が悪いと思っている自分と彼の言葉が葛藤する。
 
『ミア、自分の事を悪く見過ぎなんじゃないか?』

 この言葉に対して私が発する言葉は反対で、自分を良い時見過ぎなんじゃないか? と考えて自分にずっと唱えてしまう。
 これも自分が悪いのだ。

「ミア。どうした、顔色が悪いぞ無理しすぎなんじゃないのか? 自分ばかり責めるのはやめろ。お前だけが悪いんじゃないだぞ」

 こんな彼の言葉すらもその時の感情によっては、悪口として解釈してしまう。でも、真珠の耳飾りを眺めると、悪口としては解釈しなくて済んだ。

「ごめんね。さっきの言葉さ本当にありがとう」

 頬に涙が流れていくことがよく分かって、くすぐったかった。

 そして彼が、真珠の耳飾りを私に付けてくれた。

「うん。可愛い」
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

三年の想いは小瓶の中に

月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。 ※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。 国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。 悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...