結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

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第一部 第二章 聖騎士

ルカ

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 そこに立っていたのは、血まみれのプランスだった。何があったかなんて、すぐに分かったけど、聖騎士と話して生存するなんてと、抱きしめに、泣きながら向かった。

 抱きしめると、彼の暖かい温もりが全身を覆った。

 プランスも傷のついた手で私を抱きしめて、服に血が付く。それすらも、愛おしく思えて、抱きしめる。
 
 けれど、もうこんな目に遭わせない。
 つまり、私はこの村を出て、私という存在をを完全に、この村から無くす。もう二度と帰ってこなくて、村にいたという痕跡すらも消す。
 これが最後にできる、私の償いだ。

「戻って来たよ。遅くなって本当にごめんよ」

 彼は涙を流し、服に水滴ができた。
 プランスを抱きしめるとやっぱり、安堵して、このまま一緒にいたいと思ってしまった。

「ううん。大丈夫、でも・・・・・やっぱり貴方とは暮らせない。身勝手かもしれないけど、私は今から何処か遠くに消えるわ」

 彼は黙って、目を閉じた。

 ハグを止めると、泣いて嘆く。そんな顔見せないでよ、と自分を恨みながら私も、泣いて嘆く。
 
 私が今泣いている理由はない。だから泣いた。

 意味がないって本当に苦しいよね?。

「ごめんごめん。プランス私もう・・・・迷惑でしかないでしょ」

 彼は顔を隠しながら相当な量の涙を流した。まあ仕方がないだろな?

 せっかく助けた人が自分の元から去るなんて、考えただけで、胸が傷んでもう二度と立ち直れない。

「そんなこと、ないよ。だからこのまま一緒に暮らそうよ・・・・・ここだけは譲らないからな」

 プランスの芯から魔力が感じられ、次第にどんどん大きくなっていく。
 
 ここまでの魔力はよほどの、興奮状態や意識的でないと出せないだろう。

「どうして。でも私も譲らないんだから、理由は貴方のことが・・・・・好きだから」

 私は遂に、今まで思ってた言葉を伝えた。

 最後だと思ったからだ。もう最後だから言ってしまえば楽になると思った。
 
 でも、余計に離れたくなくなって、彼を見るたびに思い出が蘇る。

 最初出会った、あの日のことを思い出したり、初めて料理を作ってもらった、夜のこと。
 料理を口に運んだあの日のこと。

 彼の後ろ姿を初めて見たあの、日のこと。

 そうどんどん、私がここで暮らしていた、証拠が生まれて来て、嬉しい気分と、真夜中のような暗い気分に駆られた。
 
 もう言葉が出ないな。

 そう、私はプランスを抱きしめる。ああ、やっぱプランスだ。

 涙が溢れると同時に朝日が、暗い空を明るくした。
 プランスの家もトップライトから差し込む。

 その時、私と彼は眩しそうに、薄目を開けた。

 まるで背中を、太陽が押しているように感じたが、私はそんな太陽に逆らって、目を瞑った。

「俺だって、ミアのことを愛しているし好きだ・・・・・」

 ああ、別れようとしている、私には重たすぎて、応えれる気がしないよ。

 本当に私はこのまま、どこかへ一人旅立つのかな?

「それにさ。一緒に暮らすのが嫌なら、アパートで違う部屋を借りるのはどう?」

 彼は、あまりにも勿体無いお言葉を、私にぶつける。

 私はそんなプランスの言葉に頷いて納得するだけだ。結局彼の提案と彼と一緒にいたいという、気持ちが勝ってしまう。
 これは仕方ない。私はそれだけ彼が好きなのだから。

 その時ふと、頭の中に旦那様・・・・・いや、ルカ・ゼレーナの顔が瞼に浮かんだ。でも、すぐに波に覆われてルカの顔と思い出は、水に流れていく。
 国民を守るという、心は消えてないけれど、ルカの存在は今この時無くなったと思う。

「うん。私実は貴方にこと、本気で好きになったんだ」

 本気で伝えたつもりだったけど、私の声は雷の音で水に流された。

「なんだ!? また聖騎士か・・・・・。まあ仕方ない早く逃げるぞ」

 彼は私が本当に好きということを、あのような態度でも気づいていないようだ。

 まあまだ、プランスには気づかれなくていいよね、いつか神様がその時を用意してくれる時まで、私は空でも見ておこう。

「何も持ってくものはないよな。巻き物は最強の俺達二人だいらねえよな」
 
 後付けのように付けた言葉に対して、私はなんでか「うん!」と大きく返事をして、聖騎士が雷を家に落としたけど、私たち二人には全く効かない。
 まさに、私達二人なら最強だ。

「ここにいるのか!? 姫一体誰に攫われたんだ!?」

 家の中に、雷の魔力を纏った、ルカ専属の聖騎士が居た。

 ルカ専属の聖騎士は、普通の聖騎士よりも強い。立ちはだかる、聖騎士を見ただけで理解したのは、私だけではないようで、プランスも理解していた。
 
 でも、プランスは余裕を持って、自分の指を引きちぎる。
 その時私はストレスが溜まっているのだと、思ったけれど聖騎士の人差し指も引きちぎられるようにして無くなった。

 不思議と鎧を着てなかったから、聖騎士の顔も見えて指の動きも読めた。

 いやそんなことを考えているよりも、プランスの指だ。そうプランスの方に目線を落とした。

 すると、顔はまるで別人でずっと聖騎士の姿を見ている。まさに、飢えた魔獣のようだった。
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