結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

恋愛系

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第二部第一章 ベリズリー

人間

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 こんなことを考えているうちに、プランスが近くに寄ってきて、私の心臓が破裂しそうだった。
  
 プランスの片手には、馬の毛を梳くための櫛を持っている。
 シルバーは嫌そうな顔をしていて、後ろに逃げる。

「いつもこうやって、シルバーは逃げるんだよね~」

 困った顔をする彼は、私の一個上を取るように、異世界袋から林檎五個と人参を五個を取り出した。
 今日は私が、あげたいと子供じみたことを思っていたけど、プランスの傍に居れるのなら、私は満足だ。
 理由は、彼のことが好きでずっと近くに居れるからだ。

 なぜ彼を好きになったか、私はわからない。
 いや救ってもらったから好きになったのだ。
 まるで恋愛小説のような出会いだった。片思いのところも、恋愛小説の流れでこうやって旅するあたり、本当に恋愛小説である。
 イケメンでスタイルも性格もよくて、強い人物なのだ。
 こんなにも完璧な人が他にいるのだろうか? 
 少なくても私は出会った・・・・・。
 私はどこかでプランスにすごく似た人に恋をしていた。
 顔も声も匂いも覚えていない。でも、思い出があった感覚がある。
 でも、その彼は死んでしまっている感覚が手に染み付いている。なんなんだこの感覚は? 本には書いていた気がした。
 確か、前世の記憶とか・・・・・。
 前世のことを体に染みているのは、あまりに残酷だろう。しかも人を殺めたという感覚まで、手に残っている。
 私が人を殺したのか? そんな筈はない絶対にない。

「大丈夫か? もしかして・・・・・」

 また頭によぎるあの時の言葉が。

『俺は最初君のことを見た時、兵士に突き出そうと思った。それに、君に初めて触れた時は、無視していればよかったと思ったよ。でも、君の微笑みを見てたら、このお方なら世界を救えると考えて、俺の・・・・・・』

 どんな意味かわからないのに、あの言葉に全てが包まれている。
 
 思考実験をやったら全てが自由になる筈と考えれる。だけど、それじゃあ想定にしか過ぎない。
 だから真実でも確証もない。
 それはまるで、階段のない二階建ての家のようだ。二階が本当にあるかもわからない状況なのだ。

「シルバー、アンを起こせ、あとこれ飯」

 プランスはなぜか、アンを起こすよう、シルバーに命令してご飯をシルバーの前に投げる。
 
 同時にシルバーは鼓膜が破れるほど高い音をどこからか出した。
 その時、アンが壮絶な顔をしながら落ちてきた。
 それで、シルバーはご飯を食べ終わる。すごいスピードであった。

「行くぞ! まさかここまで・・・・・」

 プランスは壮絶な顔で、もう絶望して自分が死ぬように思っている顔だ。
 まだ何も起こっているはずがない。
 なのに、プランスには何かを感知しているらしい。

「ほらお前ら行くぞ! ちっさっきシルバーの魔力使っちまった」

 悔しそうに彼は俯き、シルバーに乗った。
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