結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

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第二部第一章 ベリズリー

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 なんと、朝までお喋りしながら本を読んでしまった。
 あんなに太い本をまさか数時間で、半分以下まで読んでしまった。
 文字数にして、十三万文字というところだろう。
 まあまあというところだろうな。

 いつもならもっと読めていた。たぶんお喋りをしていたからだろう。

 あ、そういえばシルバーと話してないな。

 それに、まだご飯もあげていない。だから今日は私が、餌やりといきますか。
 本来ならアンもついてくることだろうけど、今アンは可愛らしく寝落ちしてしまっている。
 静かに歩いていけば、バレないだろうな。

 ゆっくり立ち上がり、彼女の寝顔を確認する。
 あまりに無防備な姿であるが、故に彼女は今後魔族や人間が対抗する者の脅威になりかねるだろう。
 考えるだけで、彼女の未来が楽しみだ。
 
 それにしても、アンの寝顔可愛すぎる!
 神秘的!
 こんなの滅多に見られない!

 目に焼き付ける私は変態じゃなくてただの、生理現象なのだから仕方がないのである。
 そう言い訳を作って、さらに彼女を見つめる。
 流石にキモイかな? でも仕方ない。可愛い彼女が悪いのだ。
 そういえば、プランスの寝顔はまだ見たことがないような。
 
 でも、こうしているうちにシルバーは飢えて死んでしまう。
 
 まあそんなことはないのだと思うけど、私が貴重な瞬間を見捨てて、ドアへとゆっくりと進む。
 魔力はゼロにしているから絶対に魔力で感知されることは絶対にない。
 だから問題なのは、私という物体。物体がなければ気付かれることはないのに。
 
 そう考えながらも、部屋は無事抜け出せることができた。
 ここからは気楽に、全速力で走ろう。
 いやそれはダメだ。ただでさえこの壁は薄いのに走ったら絶対にアンは起きてしまう。
 それで戦闘モードに切り替わって、どんなことをしてくるやら。

 そして、厩舎についた。
 ここまでくる間、胸のドキドキがずっとしていたけど、これでようやく一安心だ。

「ねえ、シルバー。何か食べたいのもある?」

「わいに買ってきてくるんでしゅか!? えっとじゃあ人参と林檎を十個づつで」

 シルバーは何故かキメ顔をしてきた。
 馬なのに調子乗っているので腹が立つけれど、これもシルバーの性格なのだからと片付けなんとか怒りを抑えれた。

「あっ先に来てたんだ」
 
 声の方に顔を向けるとやっぱりプランスだ。
 鮮やかに歩く姿は、このお方が偽者でないことが証明されていて、満月の瞳は太陽に照らされて薄く消えている。
 だけど、雲がかかっていないのでよく見れる。
 まるで、本当の月のようだ。

 その時空を見ると、だんだん沈んでいく、月が見えた。
 あのように、プランスも沈むのだろか。
 考えたくもないのになんでか考えてしまうのが人間なこかもしれない。


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