結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

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第五部第三章 ルカ

威圧感

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 威圧感のある、彼女の声は胸に残って離れないけど、決して悪い意味ではない。
 それよりも、賛成してくれているということに、単純的に嬉しかった。
 だけど、他の女神族はそれを認めようとはしないだろう。ほぼ永遠と言えるほどに、戦争を起こしてきた、敵の国家。
 何か裏があるのでは? と、考える方が自然だろう。私もそう考えて絶対に信用しない。

 だから、何かしらで信用できるようなことをした方がいいだろう。

「こちらの本音としては、同盟国家まで親交を深めたいと、考えている」

 プランスがそう言った。
 彼女は少し、考えるように頬杖をついた。同盟国家は流石に無理だろうけど、不可侵条約までならギリギリ・・・・・。

「私は同意しますが、やはり国民というのは、反対する生き物です。そして、魔界の者に被害が出る可能性もあります」

 彼女の言っていることは、夢物語ではなく、夢物語を叶えるために何をすべきなのかを言っていて、私とは段違いだ。
 夢物語を言うことは簡単だけど、夢物語を叶えるためのルートを作るのは難しいだろうな。
 なら、私はどうルートを作っていく? 
 
 まず最初に、私の望みというのはなんだろうか? やっぱり世界を平和だ。

 そのためには、女神族との交流をしせめて不可侵条約を結ぶというのだろうな。
 じゃあ、不可侵条約を結ぶ上で必要なのは、信用と無視できる力だ。私にかけている信用をどう創り出そうか?
 確かに、笑顔を振りまけば私は良い人と認識してくれる者も多いだろうけど、プランスもそれをしなくてはならない。

 プランスを土台にすることで私が輝いているのは、嫌だ。
 それだと、不可侵条約を結べないこともある。
 だから、二人同時に信用してもらう、必要がある。それには何ををすれば良いのだろうか? いや、そんなことはもう、わかりきっている。

「私に提案があります! どちら共々、信用してもらうためには、力ではなく食事会を開きませんか? 場所は女神族が住む天界でどうでしょうか? こちらの者は、女神族とは争いたくないので、女神族を傷つけることはしないと思います」

 この提案ならば、少し信用してくれるかもしれない。
 食事会でいろいろと交流することが必要だ。

「確かに、食事会は名案です。ですが、あなた方を傷つける恐れがあります? どう対処しましょうか?」

「安心してください、うちの国民は貧弱じゃないので」

 国民を誇るようにして言った言葉は、彼女の顔を笑顔に変えた。
 これなら、不可侵条約を結べるかも・・・・・・? それだったらどれだけ嬉しいだろうか?

 でも多分、食事会までお預けだろうな? まあ普通に考えてもそれが当たり前なのだろうけど。今、結べれば問題が起きることはほぼないだろうに。

「そうですか。なら、安心です・・・・・・。同盟国家の件は、どうかお願いしたします。まあその契約は食事会の時に申しますのでよろしくお願い、いたします」

 今回の会議はこれで終わるのだろうけど、良くも悪くもない結果、そう今の会議での現状だけど、未来に、希望は託された。
 これなら、平和な世界へとまた一歩近づけるだろう。

「まあ、今回の会議はこれで終わりですが、ゼレーナ王国とはどうするのでしょうか?」

「そうですねー。ゼレーナ王国とは、不可侵条約を結んでいるだけですので、そこら辺は大丈夫だと考えられます」

「同盟国家を結べば、ゼレーナ王国から守ることもできますし、他国との戦争時には我々魔族も協力しますので、そこも考えた上で、同盟国家を結んでくださりませんか?」

 プランスは、同盟国家を結びたいらしい。
 同盟国家を結ぶことにより、こちらは女神族によりチクチクとした攻撃を受けなくて良いのだ。
 しかも、女神族の下にいる天使達からの攻撃も受けなくていい。
 実は、そこの部分が嬉しかったりするのである。
 天使からの攻撃は、今も尚どこかで起こっているだろうけど、同盟国家を結ぶことにより、それが解決するということになるだろう。

「はい、確かに同盟国家は結びたいと考えています。そして、そこの彼女と魔界を見たいです」

 唐突な言葉に、この場の者は黙った。
 もちろん、アンとかシルバーとかルドラとか、王も黙っている。それはそのはず、こんな唐突な言葉に応えれる者はいないだろう。でも、判断をできるのはこの私だけだ。
 私が選んでいいだろう。

「え、っとー。それは、私のことですか?」

「そうです! それとそこの彼女も!」

 アンのことを指さした。これはどのような状況なのだろうか? 女神族の王と一緒に散歩? それは流石に・・・・・。貴重な体験すぎる。

 それに、アンも驚きすぎて失神してしまうだろう。
 
 それは、私も同じく、目上の人にこんなことを誘われるなんて考えてもいなかったからだ。
 
「お姉ちゃん、私もついていっていいかな?」

「こんな体験ないわ、アンもついて、来て?」

 私は、内心ビクビクしていたからアンも道連れにしようと考えたのだ。

「はい。私なんかを誘ってくださり、神王しんじゅ様、誠にありがとうございます」
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