結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

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第五部第四章 決断の時

他種族交流

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 私は緊張で眠れない。
 明日、他種族との交流をするからだ。

 それなのに、プランスは呑気に、本を読んでいる。私が寝なかったら、オールするだろう。
 なんていい人なんだろう、って思うけど、なんだか申し訳ないなって思ってしまい、鬱になってしまう。
 それでも、好きなのには変わりないのだけど・・・・・・。

「もぉおおおお!」

 私は思わず叫んでしまった。彼は何事もないまま本を読み続けている。

 彼が本を読むなんて珍しいことだ?
 だけど、そうでもないのかな?

 もしかして、隠れて読んでたりして・・・・・・うふふふ?
 なんだか、彼が可愛く見えてきた。
 いつからだろう、同じ土俵で彼を見れたのは。

 そんなことを考えながら、隣に寝そべる。彼が読んでいる本は、私がプレゼントした。
 
 喜んだような、表情はしなかったけど、毎日のように本を読んでいるから、喜んでいるのかもしれない!
 なんだろう! 嬉しい!

「どう? 面白いでしょ!!」

 彼の表情が少し揺らいだ。微笑んだようにも見えたけど、真相はわからないままである。

「まあ、まあ、って言ったところかな? ってか顔近い」

 プランスは離れて背を向ける。なんでそんなことをするのか、わかったもんじゃない!

 せっかく本プレゼントしてあげたのにね! 
 なんだか無駄だった、みたい?

 でも、どんどんページを捲っていく。ちゃんと読んでいるのかな? ちょっと心配になって質問する。

「今どんな感じ?」

 この質問に応えれないってことは読んでないってこと・・・

「恋愛が始まって終わりそうなところ」

 ・・・って、どんな答えかたよ。そんなんじゃよくわからないけど、そういう例えになるのも多少は理解できる・・・・・。

 この本は恋愛が始まったり終わったりの繰り返しで、最後にまさかのまさかで・・・・・・!
 
 まあとても面白い! 
 同じことの繰り返しだけど、キャラも同じだけど、なんでか飽きない。

 ・・・・・いったいどんな、作家が書いたのだろうか? とても気になる。

「まあ、読んでくれてるならいいや・・・。読んでないのかもって、ちょっと心配になってた!」

 背中に抱きつく。今は力を抜いているのか、硬くなくて柔らかい。
 普通の魔族と同様だ。

 って、なんだか、緊張もしなくなってきたな・・・・・? やっぱりプランスがいないと私・・・・・ダメなのかも・・・・・?

 そんなことを考えていると、気づいたら、朝だった。

 もしかして、寝落ちしちゃった・・・・・・?

 瞬きをした間に寝落ちしちゃうことなんてあるの? いや待って、これが夢なのかもしれないから、顔を叩いてみよう!

 頬を叩くと、ちゃんと痛かった。横では、何やってんだ?、と言いたげな顔で見てくるプランスがいた。

 恥ずかしくなり、思わず、顔を覆い隠すとプランスは立ち上がり、カーテンを開けた。窓から赤い光が差し込み、目がチカチカして、眩しいと言わざるおえなかった。

「よし、今日は待ちに待った他種族交流会だな。当たり前だけど」

 彼はカーテンを開けたまま、洗面所に向かっていく。たぶん、顔でも洗うのだろう。
 
 何せ、料理をするのは彼なのだから!

 久々に手作り料理を披露してくれるらしい。
 それに、今日のメインディッシュはプランスが作る。
 ごく稀に手作り料理を振る舞ってくれるから楽しみだ。あ、でも手作りを毎日振舞ってくれた時もあったなー。

 その時はなんだかんだでしあわせだったと思う。
 だけど、そんな幸せずっと続くはずもなく、幸せは綺麗さっぱりなくなってしまった・・・・・・。例えば、彼が死んでしまったり、私が死んでしまったり。
 ・・・そんなことが永遠と続いてしまって、幸せが途切れていたのだ。でも、今度は途切れさせない・・・・。私に出来るかどうかなんて知らない、だけど、出来る! 確証なんて必要ない、今があればいいのさ。

 ♢♢♢

 一階のロビーで招待したお客様を待つ。執事達は、もの忙しいような音がする。だけど、お客様が来たらそんなことはなくなる。そこからは、私が全てやるから。
 問題も私が解決する。
 
 魔王扉を眺めながらそう思った。この扉が開いた時、そこには他種族がいるのだろう。

 笑顔でいるのか、険しい顔をしているのか、恐怖の顔をしているのか、はたまた来ないのか・・・・・・。

 いや、今そんなことを考えたからって、運命が変わるわけがない。誰もが知っているのだ。

 そんなことを考えていると、とても良い匂いがしてきた。

 この匂いはもしかして! 魔獣の肉を使って使って作られた、シチュー?

 喜んだように振り返ると、私の予想は見事的中していた。私はシチューが大好きだ。
 特に彼が作ってくれる。シチューはまた格別くらいに美味しい。まあ、彼が作る料理は全て好きなのだけど・・・・・・。

 もしかしたら、愛の味がするからなのかもしれない。

 それだったら、なんだかロマンチックだなぁ。小説で見かけるような、お時話の味・・・・・・。
 慥かに、製造魔力とかも使いながら料理を作っているのだろうけど、製造魔力無しでも彼が作る料理は格別に美味しい。
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