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5章 シャドウバレー編
彼女の目的
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アーカシス様の突き止めた真実は見事に的を得ていたようだ。
「しかしアーカシス、どうやってここまできたの? シャドウバレーには神が侵入できない結界が外にあったでしょ? 例え空間を使ったとしても通れないはずだけど? 」
「それはね、これを使ったんだ! 」
彼は小さな手のひらサイズの箱のようなものを握っている。
それを見たセレスティアは首を傾げていた。
もちろん俺も全く分からない。
「アーカシス様、それは? 」
「これはだね、んー特に名前をつけているわけじゃないからなぁ……。僕が作ったんだけど、これは神様を無力化して封印することができる箱さ。これで封印されたままシャドウバレーへ到着して彼らに封印を解いてもらったってわけだ。セレスティアやマルコスがこの大陸にいるんだ、通れないことはないだろうと思ってね。少し賭けだったけど 」
つまりは神様のままじゃ通れないから神様としての力を封印した状態で通って、その後解放したってことだな。
さすがアーカシス様、考えたものだ。
「そうだったんですね。 あ!それと2人とも、ナイトフォールの戦いからそんなに経ってないだろ? なんで身体大丈夫なんだ? 」
「あーえっとだな、実は俺達2日後からきたんだ! 」
「……はい? 」
それってタイムリープ的なやつか?
そんなバカなことができてたまりますか。
いや……でもカイルは正直なやつだし、そういえばあいつの魔法、時空間魔法とか言ってたような気もする。
「カイルくんっ! 春陽さん頭いっぱいになってる! 説明が少なすぎるよ! 」
「あぁ悪い悪い! 俺の魔法はどうやら過去や未来に移動することもできるみたいでな。俺達はあの戦いから2日間身体を休めてからこっちに来たんだ。 おかげで俺の魔力はスッカラカンだけどなっ! 」
魔法を仕組みは分からんけど、とりあえず未来から来たことだけは分かった。
よくそんなもんリスクなくできるな。
「でもアーカシス、君がここに来てくれてよかった。 どうせこの後殺しに行くつもりだったしねっ! 」
セレスティアはいつもの口調でそう口にする。
本当にこれが彼女なのか?
未だに信じられない自分がいる。
「そうか、それはちょうどよかったな。 ならついでに質問だ。 セレスティア、お前は神全ての力を手に入れて何をするつもりだ? まさか姉を蘇らしたいだけじゃないだろうな? 」
「そうだけど、なんか問題ある? 」
「お前、それだけのことでこの世界を司る神全員を殺すってのか?」
「それだけのこと……? ボクからしたらこの世界の神なんかよりおねーちゃんの方が大事だって思うのは当たり前のことでしょ? 」
「……そうか。 そうだよな 」
アーカシス様は返す言葉を失っている。
「春陽、ボク……君には死んで欲しくないって思うんだ。 だから大人しくノクティスの力譲ってよ。 さっきの鎖の魔法を使えば簡単でしょ? 」
「ティア、ありがとう。 でも俺がこの力を渡したら、お前はアーカシス様やアリア様を殺しに行くだろ? 」
「うん。 でもね、もし春陽が渡さなかったとしても2人を殺しに行くつもりだよ 」
セレスティアはどうしても残りの神様を殺すつもりらしい。
俺は……どうするべきなんだろう。
すると彼女はいつも通りの表情で俺の傍にやってきて、
「ボクはどうしてもおねーちゃんにもう一度会いたいんだっ! 頼むよ 」
セレスティアは以前とは何も変わらないその表情で俺に訴えかけてくる。
「ティア……他の方法を考えないか? 神様を殺さずにおねーちゃんを生き返らせる方法を! どれだけ時間がかかってもいい! 俺も一緒に探すからさ 」
俺の言葉に対して彼女はため息をつき、
「はぁ……。 春陽もそんなきれいごと言うんだね。 だからそんな方法あったらボクだってそうしたいさ! 」
そう言うが、そんな彼女の目には拭いきれないほどの涙が溜め込まれていた。
きっと彼女も試行錯誤したんだろう。
みんなが幸せになる方法を。
だけどなかった。
それが今の現状……といったところか。
「もういい…… 」
セレスティアは俯きながらそう言葉を洩らす。
「ティア? 」
俺がそう声をかけると彼女は顔を上げ、
「ボクの魔力全部使って丸ごと世界を壊すっ! 聖属性魔法【 ホーリーロウ⠀】」
魔法を唱えた。
セレスティアは両手を天に掲げ、その手を介して彼女の全ての魔力が上空へ昇っていく。
「あれは……っ!? 」
アーカシス様には何か覚えがあるようだ。
「アーカシス様……知ってるんですか? 」
「あぁ、彼女の姉……本当のセレスティアが魔力抗争で使った大魔法だっ! しかもあいつ全魔力ぶち込みやがったか 」
彼の表情からして、ヤバいことが起こるみたいだ。
「しかしアーカシス、どうやってここまできたの? シャドウバレーには神が侵入できない結界が外にあったでしょ? 例え空間を使ったとしても通れないはずだけど? 」
「それはね、これを使ったんだ! 」
彼は小さな手のひらサイズの箱のようなものを握っている。
それを見たセレスティアは首を傾げていた。
もちろん俺も全く分からない。
「アーカシス様、それは? 」
「これはだね、んー特に名前をつけているわけじゃないからなぁ……。僕が作ったんだけど、これは神様を無力化して封印することができる箱さ。これで封印されたままシャドウバレーへ到着して彼らに封印を解いてもらったってわけだ。セレスティアやマルコスがこの大陸にいるんだ、通れないことはないだろうと思ってね。少し賭けだったけど 」
つまりは神様のままじゃ通れないから神様としての力を封印した状態で通って、その後解放したってことだな。
さすがアーカシス様、考えたものだ。
「そうだったんですね。 あ!それと2人とも、ナイトフォールの戦いからそんなに経ってないだろ? なんで身体大丈夫なんだ? 」
「あーえっとだな、実は俺達2日後からきたんだ! 」
「……はい? 」
それってタイムリープ的なやつか?
そんなバカなことができてたまりますか。
いや……でもカイルは正直なやつだし、そういえばあいつの魔法、時空間魔法とか言ってたような気もする。
「カイルくんっ! 春陽さん頭いっぱいになってる! 説明が少なすぎるよ! 」
「あぁ悪い悪い! 俺の魔法はどうやら過去や未来に移動することもできるみたいでな。俺達はあの戦いから2日間身体を休めてからこっちに来たんだ。 おかげで俺の魔力はスッカラカンだけどなっ! 」
魔法を仕組みは分からんけど、とりあえず未来から来たことだけは分かった。
よくそんなもんリスクなくできるな。
「でもアーカシス、君がここに来てくれてよかった。 どうせこの後殺しに行くつもりだったしねっ! 」
セレスティアはいつもの口調でそう口にする。
本当にこれが彼女なのか?
未だに信じられない自分がいる。
「そうか、それはちょうどよかったな。 ならついでに質問だ。 セレスティア、お前は神全ての力を手に入れて何をするつもりだ? まさか姉を蘇らしたいだけじゃないだろうな? 」
「そうだけど、なんか問題ある? 」
「お前、それだけのことでこの世界を司る神全員を殺すってのか?」
「それだけのこと……? ボクからしたらこの世界の神なんかよりおねーちゃんの方が大事だって思うのは当たり前のことでしょ? 」
「……そうか。 そうだよな 」
アーカシス様は返す言葉を失っている。
「春陽、ボク……君には死んで欲しくないって思うんだ。 だから大人しくノクティスの力譲ってよ。 さっきの鎖の魔法を使えば簡単でしょ? 」
「ティア、ありがとう。 でも俺がこの力を渡したら、お前はアーカシス様やアリア様を殺しに行くだろ? 」
「うん。 でもね、もし春陽が渡さなかったとしても2人を殺しに行くつもりだよ 」
セレスティアはどうしても残りの神様を殺すつもりらしい。
俺は……どうするべきなんだろう。
すると彼女はいつも通りの表情で俺の傍にやってきて、
「ボクはどうしてもおねーちゃんにもう一度会いたいんだっ! 頼むよ 」
セレスティアは以前とは何も変わらないその表情で俺に訴えかけてくる。
「ティア……他の方法を考えないか? 神様を殺さずにおねーちゃんを生き返らせる方法を! どれだけ時間がかかってもいい! 俺も一緒に探すからさ 」
俺の言葉に対して彼女はため息をつき、
「はぁ……。 春陽もそんなきれいごと言うんだね。 だからそんな方法あったらボクだってそうしたいさ! 」
そう言うが、そんな彼女の目には拭いきれないほどの涙が溜め込まれていた。
きっと彼女も試行錯誤したんだろう。
みんなが幸せになる方法を。
だけどなかった。
それが今の現状……といったところか。
「もういい…… 」
セレスティアは俯きながらそう言葉を洩らす。
「ティア? 」
俺がそう声をかけると彼女は顔を上げ、
「ボクの魔力全部使って丸ごと世界を壊すっ! 聖属性魔法【 ホーリーロウ⠀】」
魔法を唱えた。
セレスティアは両手を天に掲げ、その手を介して彼女の全ての魔力が上空へ昇っていく。
「あれは……っ!? 」
アーカシス様には何か覚えがあるようだ。
「アーカシス様……知ってるんですか? 」
「あぁ、彼女の姉……本当のセレスティアが魔力抗争で使った大魔法だっ! しかもあいつ全魔力ぶち込みやがったか 」
彼の表情からして、ヤバいことが起こるみたいだ。
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