116 / 191
2章-3節. ヘルデス家の争族を切り抜けた私は…
7.火事場から離脱します。
しおりを挟む
ヘルデス家の争族に巻き込まれ、屋敷に篭っていた私達は、樹海へ食料と薬草を採取しに行き、成り行きでテルマの従魔も迎えに行った。
しかし、樹海から戻った所で火災の匂いを感じ取る。
嫌な予感がして火事場に急行すると、大図書館が燃えていた。
エリックを助ける為に火事場に飛び込み、脱出を試みるも、火に行く手を阻まれて万事急す。
そんな中、起死回生の手としてテルマが提案したのは、壁を打ち破って脱出するというものだった。
火の手は迫り、このままでは火に呑まれる。そんな中で一か八かで試し、バックドラフトに備えた。
しかし、どういう訳かそれは起こらなかった。
“「(モワワワ……)」“
「……な?大丈夫って言ったろ?」
「…なるほど。」
ハクレンで炎を覆っているのか。これならバックドラフトは起きない。
「今のうちに脱出だ!!」
「「おう!!」」
テルマに促されるまま、建物外へと退避すると図書館の裏手に出た。
「まだだ!出来る限り離れろ!!(タタタタッ)」
「「わかった!(タタタッ)」」
そのまま、建物から離れる。
考えてみれば、テルマのこれまでやってきた事も、ハクレンで説明が付くな。
私の居所を見つけたのも、図書館内で安全な道がわかったのも、ハクレンを張り巡らせて探知したんだろう。樹海でテルマを感知してたし、充分可能だろう。
防護服無しで平気だったのも、ハクレンを全身に纏って熱射や炎を遮り、吸気中の一酸化炭素や煙をハクエンで遮断したのだろう。これも、プヨがヴラド達にしている事と同じ要領だろう。
ここまで追い付いたのは……まぁ、私が思い付かない何かしらの工夫をしたのだろう。
それにしても、道連契約してまだ数十分そこらでここまで使いこなせるのか。ハクレンのポテンシャルが凄いのか、テルマのセンスの問題か……
〈ドッゴォォォォォンッ!!〉
「「「うぉっ!?」」」
そんな事を考えてると、轟音と共に爆発が起こり…
〈ドンッ…ガラガラガラガラガラ……〉
潜って来た風穴が焼け崩れ、落ちた。
どうやら、間一髪の所で助かった様だ。
私は今、図書館の裏手を少し離れた所で、図書館が焼け崩れるのを目撃していた。
「………生きてるよな?俺たち?」
「もちろん。無事に脱出出来たよ。」
「俺も太鼓判押してやる。これは、火事に揉まれながら見る幸せな夢なんかじゃねぇ。」
幸い、近くには野次馬どころか誰もいなかった為、これまでの行動は見られなかった様だ。
「……ふぅ………死ぬかと思った。」
「エリック!エリックはどうだ!?」
「………すぅ…すぅ……」
「……寝てるみたいだな。」
ヴラド の言う通り、バイタルは安定している。どうやら、プヨが濾過した新鮮な空気のお陰で一酸化炭素中毒はある程度治った様だ。
「プヨ、そのまま暫く頼む。」
"「了解致しました。」"
「全く、俺たちはこんなに息巻いてたってのに暢気なもんだよな?」
「全くだ。シオリがどうのと言って飛び込みやがって。」
「シ…栞……?」
そんなものの為に?火の中へ……?
「目が醒めたら、なじってやらねぇとなぁ?」
「ほどほどにしといてやれよ。混乱してたんだろうから。」
さて、これで一息…
「こっちだ!こっちで爆音と崩れる音が……」
「人員回せ!こっちからも火を消すぞ!!」
………いや、まだ終わって無いな。誰かがこっちに来てる。この状況を見られると、色々厄介だ。
「アレク」
「わかってる。直ぐにここを離れよう。」
さて、何処へ向かうかな。
「取り敢えず、屋敷に戻るって事で良いか?」
「屋敷?アレクの屋敷か?」
「そうだ。ついでに身体を洗おうか。煤だらけだし。」
「………」
まぁ、そこしか無いか。
「良いよな、アレク」
「もちろん、歓迎するよ。」
「決まりだな。…ちょっと待ってな。」
"「(モワモワモワ)」"
「よし、道がわかった。急ごう。」
やっぱり、コイツの言っていた試したい事ってこれか。
「ヴラド 、ちょっと走るけど大丈夫そうか?」
「ん?全然問題ないぞ?」
「すまんな。4連の亀の子状態で運んだ事ないからそのまま運んでくれ。」
「そんな大道芸みたいな事をしようとするな。」
「俺まで巻き込むんじゃねぇ。」
そんなこんながあって、私達は屋敷へと向かった。
しかし、樹海から戻った所で火災の匂いを感じ取る。
嫌な予感がして火事場に急行すると、大図書館が燃えていた。
エリックを助ける為に火事場に飛び込み、脱出を試みるも、火に行く手を阻まれて万事急す。
そんな中、起死回生の手としてテルマが提案したのは、壁を打ち破って脱出するというものだった。
火の手は迫り、このままでは火に呑まれる。そんな中で一か八かで試し、バックドラフトに備えた。
しかし、どういう訳かそれは起こらなかった。
“「(モワワワ……)」“
「……な?大丈夫って言ったろ?」
「…なるほど。」
ハクレンで炎を覆っているのか。これならバックドラフトは起きない。
「今のうちに脱出だ!!」
「「おう!!」」
テルマに促されるまま、建物外へと退避すると図書館の裏手に出た。
「まだだ!出来る限り離れろ!!(タタタタッ)」
「「わかった!(タタタッ)」」
そのまま、建物から離れる。
考えてみれば、テルマのこれまでやってきた事も、ハクレンで説明が付くな。
私の居所を見つけたのも、図書館内で安全な道がわかったのも、ハクレンを張り巡らせて探知したんだろう。樹海でテルマを感知してたし、充分可能だろう。
防護服無しで平気だったのも、ハクレンを全身に纏って熱射や炎を遮り、吸気中の一酸化炭素や煙をハクエンで遮断したのだろう。これも、プヨがヴラド達にしている事と同じ要領だろう。
ここまで追い付いたのは……まぁ、私が思い付かない何かしらの工夫をしたのだろう。
それにしても、道連契約してまだ数十分そこらでここまで使いこなせるのか。ハクレンのポテンシャルが凄いのか、テルマのセンスの問題か……
〈ドッゴォォォォォンッ!!〉
「「「うぉっ!?」」」
そんな事を考えてると、轟音と共に爆発が起こり…
〈ドンッ…ガラガラガラガラガラ……〉
潜って来た風穴が焼け崩れ、落ちた。
どうやら、間一髪の所で助かった様だ。
私は今、図書館の裏手を少し離れた所で、図書館が焼け崩れるのを目撃していた。
「………生きてるよな?俺たち?」
「もちろん。無事に脱出出来たよ。」
「俺も太鼓判押してやる。これは、火事に揉まれながら見る幸せな夢なんかじゃねぇ。」
幸い、近くには野次馬どころか誰もいなかった為、これまでの行動は見られなかった様だ。
「……ふぅ………死ぬかと思った。」
「エリック!エリックはどうだ!?」
「………すぅ…すぅ……」
「……寝てるみたいだな。」
ヴラド の言う通り、バイタルは安定している。どうやら、プヨが濾過した新鮮な空気のお陰で一酸化炭素中毒はある程度治った様だ。
「プヨ、そのまま暫く頼む。」
"「了解致しました。」"
「全く、俺たちはこんなに息巻いてたってのに暢気なもんだよな?」
「全くだ。シオリがどうのと言って飛び込みやがって。」
「シ…栞……?」
そんなものの為に?火の中へ……?
「目が醒めたら、なじってやらねぇとなぁ?」
「ほどほどにしといてやれよ。混乱してたんだろうから。」
さて、これで一息…
「こっちだ!こっちで爆音と崩れる音が……」
「人員回せ!こっちからも火を消すぞ!!」
………いや、まだ終わって無いな。誰かがこっちに来てる。この状況を見られると、色々厄介だ。
「アレク」
「わかってる。直ぐにここを離れよう。」
さて、何処へ向かうかな。
「取り敢えず、屋敷に戻るって事で良いか?」
「屋敷?アレクの屋敷か?」
「そうだ。ついでに身体を洗おうか。煤だらけだし。」
「………」
まぁ、そこしか無いか。
「良いよな、アレク」
「もちろん、歓迎するよ。」
「決まりだな。…ちょっと待ってな。」
"「(モワモワモワ)」"
「よし、道がわかった。急ごう。」
やっぱり、コイツの言っていた試したい事ってこれか。
「ヴラド 、ちょっと走るけど大丈夫そうか?」
「ん?全然問題ないぞ?」
「すまんな。4連の亀の子状態で運んだ事ないからそのまま運んでくれ。」
「そんな大道芸みたいな事をしようとするな。」
「俺まで巻き込むんじゃねぇ。」
そんなこんながあって、私達は屋敷へと向かった。
10
あなたにおすすめの小説
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
スラム街の幼女、魔導書を拾う。
海夏世もみじ
ファンタジー
スラム街でたくましく生きている六歳の幼女エシラはある日、貴族のゴミ捨て場で一冊の本を拾う。その本は一人たりとも契約できた者はいない伝説の魔導書だったが、彼女はなぜか契約できてしまう。
それからというもの、様々なトラブルに巻き込まれいくうちにみるみる強くなり、スラム街から世界へと羽ばたいて行く。
これは、その魔導書で人々の忘れ物を取り戻してゆき、決して忘れない、忘れられない〝忘れじの魔女〟として生きるための物語。
婚約破棄して廃嫡された馬鹿王子、冒険者になって自由に生きようとするも、何故か元婚約者に追いかけて来られて修羅場です。
平井敦史
ファンタジー
公爵令嬢ヘンリエッタとの婚約破棄を宣言した王太子マルグリスは、父王から廃嫡されてしまう。
マルグリスは王族の身分も捨て去り、相棒のレニーと共に冒険者として生きていこうと決意するが、そんな彼をヘンリエッタが追いかけて来て……!?
素直になれない三人の、ドタバタ冒険ファンタジー。
※「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
50歳元艦長、スキル【酒保】と指揮能力で異世界を生き抜く。残り物の狂犬と天然エルフを拾ったら、現代物資と戦術で最強部隊ができあがりました
月神世一
ファンタジー
「命を捨てて勝つな。生きて勝て」
50歳の元イージス艦長が、ブラックコーヒーと海軍カレー、そして『指揮能力』で異世界を席巻する!
海上自衛隊の艦長だった坂上真一(50歳)は、ある日突然、剣と魔法の異世界へ転移してしまう。
再就職先を求めて人材ギルドへ向かうも、受付嬢に言われた言葉は――
「50歳ですか? シルバー求人はやってないんですよね」
途方に暮れる坂上の前にいたのは、誰からも見放された二人の問題児。
子供の泣き声を聞くと殺戮マシーンと化す「狂犬」龍魔呂。
規格外の魔力を持つが、方向音痴で市場を破壊する「天然」エルフのルナ。
「やれやれ。手のかかる部下を持ったもんだ」
坂上は彼らを拾い、ユニークスキル【酒保(PX)】を発動する。
呼び出すのは、自衛隊の補給物資。
高品質な食料、衛生用品、そして戦場の士気を高めるコーヒーと甘味。
魔法は使えない。だが、現代の戦術と無限の補給があれば負けはない。
これは、熟練の指揮官が「残り物」たちを最強の部隊へと育て上げ、美味しいご飯を食べるだけの、大人の冒険譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる