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2章-4節. 停学期間を折り返した私は…
9.駆け付け一杯を飲み干します。
しおりを挟む〈ヴォン〉
再び、暗い空間に出た。だが……
「あ゛あ゛あ゛あ゛………あ゛?」
「アレクさぁぁ……って、あれ?」
「取り敢えず、2人とも無事みたいだな。」
今度の転移先は、地面の上だったらしい。
「何はともあれ、無事に次の階層に着いて良かったな!」
「「………」」
そりゃ仕方ないよな。最初の転移直後にいきなり落下した訳だし、条件反射的に叫ぶのは仕方ない事だ。
この事には触れない様にしよう。
「あー……さて、次はこの階層を探索するかな。テルマ、早速で悪いがハクエンで探知してくれ。」
「んあっ!?…あぁ、わかった。」
「さっきの魔物(キョロキョロ)……は、転移してないみたいだな。」
「えぇ、転移陣の対象はあくまで冒険者と装備品までですから。あと、従魔もですね。迷宮産出の魔物やアイテムは、触れてでも居ない限り一緒に来ることはありません。」
「なるほど。」
そうなると、階層間を魔物が移動する事もないから、仮に襲われても転移する時間さえ稼げれば逃げ延びることは充分に出来る訳か。
「……よし。アレク、場所がわかったぞ!」
「そうか。じゃあ早速……」
「(くぅぅぅ…キュルキュルキュル……)」
「…………」
「………すまん。気にしないでくれ。」
そういえば、そろそろお昼時だな。
「テルマ、この階層に魔物は居るか?」
「……いいや、ここには何も居ねぇ。さっきの階層とは大違いだ。」
「よし、じゃあ昼食にしよう。オルブもそれで良いか?」
「えっ?…あ、はい。僕は構いませんが……」
「何か食うもん……あったっけか?」
「あぁ、(スオン…ドサドサドサドサ)ついさっき入手したばかりの新鮮な魔物肉がな。」
「「え゛?」」
さっきのヌーみたいな魔物を出す。惜しくも、回収出来たのはこの数体だけだった。
「おま……いつの間に?」
「時間が無かったからなぁ。手近のヤツらにトドメをさして速攻で収納した。何匹かは仕留め損ねたみたいで収納できなかったけど。」
「……あの一瞬で、よくそこまで出来ましたね。」
うん。我ながら、結構な早技だって思ったね。
「それで?どうやって食うんだ??やっぱ順当に焼くか?なら、俺が火を……」
「落ち着け。まずは解体しないとだろ?」
取り敢えず、手始めに血抜きから……あー………
プヨ
“「(ヒョコッ)」“
メタルリザードの時と同様に頼む。
《了解致しました。》
「テルマ、取り敢えず飲んどけ。」
「おう、助かる。」
「オルブも飲んで良いからな。」
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて。」
この様子なら、肉は解体するだけで良さそうだな。
あと何階層あるか……そもそも、今ここが何階層なのかもわからない以上、前回と同様にこの肉は貴重な食料だ。無闇やたらに消費するわけにはいかない。
テルマには悪いが、今は生き血だけで我慢してもらおう。
「アレク」
「ん?」
「(ズイッ)ほら、お前も飲めよ。」
「……あぁ、頂こう。」
ま、取り敢えず今は生き血の盃で乾杯だな。
「(グィッ)」
そうして私は、テルマに差し出された駆け付け一杯を一気に飲み干した。
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