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2章-4節. 停学期間を折り返した私は…
29.火喰鳥と対峙します。
しおりを挟む迷宮に迷い込んだ私たちがRTAの最中に遭遇したのは、燃え上がる様な赤々とした羽と彩りをした巨鳥だった。
"「キェェェェェッ!!(バッサバッサバッサバッサ……)」"
心なしか、光も放っていて本物の炎の様だ。だが、鬼火は別として燃え盛る鳥なんてあり得るのか?
「オルブ。俺にはあの鳥が本当に燃えてるように見えるんだが……見間違えか?」
「いえ!ちゃんと燃えています!あれは火喰鳥です!!」
あ、やっぱり燃えてるんだ。
「火喰……火を喰うのか?」
「だけじゃありません!全身に炎を纏っているため、拳や剣はおろか弓矢などの投擲武器も耐火性でないと効きません!!」
「鬼火みたいだな。」
盛りすぎだろ。火を喰うか纏うかのどっちかだけにしろよ。
「じゃあ、倒す方法は無いのか?」
「いいえ、大量の水があれば倒せます!」
「水?」
「彼らは水が大の苦手なんです!鬼火とは違い、大量の水をかける事で討伐出来ます!!」
なるほど。次元鍵で大量の水を持ってくれば良かったが……備えが甘かった。
「それ以外に方法は?」
「ありません!!少なくとも、僕は聞いた事がありません!!」
「なるほど、前例が無いって奴か。」
「えぇ!ですが!アレクさんは倒してしまわれるのでしょうね!!」
「あぁ、そうだな!」
相変わらず凄く重いな、信頼が。
けど、最悪時間さえ稼げれば討伐する必要はない。出来れば戦闘を避けて早く先に進みたいんだけど……
“「ピェェェェッ!!(カツッカツッカツッカツッ)」“
「(サッサッサッサッ)しつ…こいっ……なっ!」
さっきから、こっちを執拗に襲ってくるな。何で?
「つか、何でさっきからアレクが執拗に狙われてるんだ?」
「えっ?……あっ!アレクさぁぁぁぁんっ!!!言い忘れてた事がありましたぁぁぁっ!!!」
「言い忘れてた事っ?なんだっ?」
「狙いはカンデラ達です!!」
「「は?」」
「火喰鳥の好物は!鬼火なんです!!」
「「先に言え!!!」」
なるほど。ポケットのカンデラの匂いを感じて来たのか。そうでなくても、次元鍵に入れた時に着いた鬼火達の匂いに反応してるのかもしれない。
けど、そうなるとおめおめ逃してくれるとは思えない。
いや、むしろ好都合か。テルマ達の方へは行かないし、間合いに入った所をハバラキで切り伏せれば良いんだから。
“「っ!(バッサバッサバッサバッサ……)」“
と…考えたのも束の間、高く飛び上がるようにして大きく距離を取られてしまった。
こちらの殺気を気取られたか、或いは武器の危険性を類推する知性があるのかもしれない。どっちにしろ厄介だ。
“「(ヒュ~ッバッサバッサバッサ…)」“
頭上でホバリングしている。まだ諦めては居ない様だ。となれば、再び降りて来たところで切り伏せれば良い。
“「キェッ!(シュババババッ)」“
「っ!(キキンキンキンッ)……だよな。」
羽を飛ばして来た。遠距離攻撃も出来るとは、恐れ入る。しかも、一つ一つが結構な火力だ。
「おい!そっちは無事か?」
「おう!こっちは無事だ!!」
幸い、テルマ達の方へは飛ばさなかった様だ。
攻撃としては、ほぼ直線なので防ぐ事自体は可能だ。しかし、戦闘中に何らかの飛び火がテルマ達を襲うかもしれないから長期戦は避けたい。
だが、私には空を自由自在に飛ぶなんて芸当は出来ないし、跳躍して距離を詰めようとすれば自由が効かない空中で良い様に蹂躙されるだけだ。
だが、撃ち落とそうにもオルブが言うにはまともな投擲武器では全身の炎で防がれてしまうらしい。
短刀のシラオリでは役不足だ。元々戦闘用じゃないからな。
この刀……ハバラキなら例え鬼火の炎であろうと耐え得るだろう。だが、これは投擲武器では無い。奪われたらトドメを刺す手段が失われる。
使い捨てられて且つ、火喰鳥の炎にも負けない投擲可能な武器でもあれば話は別だが……生憎持ち合わせは……
「っ!」
いいや……ある。武器ではないが、それらに該当するアイテムならある。いや、どちらかと言えば素材か。
「(フォン)」
試してみるか。
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