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2章-4節. 停学期間を折り返した私は…
42.咎人を運びます。
しおりを挟む迷宮に迷い込み、脱出を果たした私達は、隷属契約なるものを契られたオルブの友人の冒険者達と遭遇。
オルブが外そうと試みる間に、邪魔が入らない様に見張って欲しいとオルブに頼まれて現在に至る。
だが、万が一にも乱入して来る様な事態を私は許さない。故にこちらから出向く事にした。
まぁ………何だかむず痒くなってしまったからってのもあるけどね。
とは言え、連中を仕留める時は出来るだけ手早く……それでいて原型が無くならない様に気をつけよう。でないと最悪の場合、死ぬ。
故郷の森なら……いや、バンデンクラットなら特に問題はない。けど、王都内じゃあ人間として扱わなきゃならないから面倒だよなぁ………とか考えてる時点で私って、既に道を踏み外してるんだろうか、カイル?
まぁ、行動に移さなきゃただの痛々しい妄想だ。前世ほど法律もガチガチじゃないみたいだし、バレなきゃ何とかなるだろう。多分。
「(コキコキ)テルマ、例の通り煙幕を頼む。」
「あぁ、それなら先に片付けといた。」
「え?」
「入り口付近を探知するついでにハクエンで窒息させておいたんだよ。連中は今、気絶してる。」
「……便利な能力だな。」
仕留める前に、片付けられた。出る幕無しか。
「それに、今のお前だと連中への力加減に難儀して殺しかねないと思ったからな。」
………オルブといい、テルマといい、そんなに露骨だったのか。気をつけなきゃな。
まぁとにかく、素顔どころかこっちの状況すら悟られないってのは非常に好都合だ。
「つーか気付いて無かったのか?俺より感知の精度高いだろ。」
「気が荒立っていると雑になるんだよ。」
「それって感知の精度が?それとも思考?」
「両方。」
全く、我ながら厄介なもんだな。
「てなると……問題は、連中をどうするかだよな。」
「取り敢えず、さっきの部屋に運び込むか。」
「運び込んだらどうすると思う?」
「取り敢えず殺すのは無しだろうな。後々が面倒くさくなる。」
「かと言って、このまま生かして帰せば間違いなく面倒な事になるよな。色々と。」
「いっそ迷宮に放り込むか。それが1番手っ取り早い。」
「けど、万が一にも脱出されたらコトだ。迷宮を突破出来るとは思わないが……」
なんか、物騒な会話だな。今更か。
「そもそも、問題はもう一つある。件の首輪をどう処分するか……だ。正直、そっちの方が厄介だからな。」
「そんなにやばい代物なのか?」
「あぁ、さっきも言った様に国から禁術指定を受けていてな。所持してるだけで重罪に問われる。」
「へぇ、どれくらいの罪だ?」
「死刑又は無期懲役。しかも執行猶予無しで恩赦の対象でも無い。」
「……それは、かなり重いな。」
「何しろ付けた奴の自由と尊厳を奪う解除方法不明な伝説級の代物だ。情状酌量の余地は無いな。」
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「いっそ、バカ共を憲兵に突き出して終われば良いが……そう簡単な話でも無いか。」
「あぁ、憲兵から貴族に横流しされる。想定しうる最悪のシナリオだな。」
つくづく腐ってんな。今更か。
「まぁ、(ザッ…)そいつは俺たちだけで決める事じゃねぇ。オルブの言う考えってのを聞いてから決めようか。」
「あぁ、そうだな。」
そうこう話しているうちに、入り口に着いた。幸いにも通行人の陰もない。
「「「………(グゴォォォ…ガアァァァ……)」」」
さて、さっさと運ぶとするかな。
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