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序章-1節.王都の学園に入学する事になった私は…
5.身バレするまで隠す事にしました。
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「ど…どんな人なんですか?名前とかってわかりますか?」
まさか、さっきの答案用紙の氏名欄でバレたりとか?
「わかんねぇんだよ。当人の希望で匿名受験だったらしくてな。顔も名前もわからないんだ。」
杞憂だったか。
「何しろ公爵があらゆる情報を秘匿するもんだから、年齢以外マジで何もわからないんだよ。」
守秘義務を徹底してくれてる様で何よりだ。
「出身が本当にバンデンクラットかも怪しいもんだし、どんな奴なんだろうな?」
実は目の前に居るんだけど……とりあえず、身元が知られる心配は無さそうだ。
「けど、それだと誰を迎えに行けばいいのかわからないんじゃないですか?」
「いや、わかるぞ?」
「へ?」
「明日の朝7時にバンデンクラット方面から馬車に乗って来るらしくてな。降り場も時間も把握して出迎えをするらしい。しかも、バンデンクラット公爵が持たせた紹介状で間違いなく身元は割れるだろうな。」
「ほ…本当ですか?」
「あぁ、さっきも言ったが、その準備でほとんどの教員が出払ってんだからな。」
あっぶね。1日遅ければ危うくVIP待遇される所だったな。
それにしても…
「出迎えるだけでそんなに大勢が必要なんですか?」
「あたり前だろう?当日は一目見ようと野次馬が大勢押しかけるだろうからな。先に行って待ち伏せなきゃならん。」
「野次馬?それは……些か大袈裟では?」
「大袈裟なもんか。実質、3人の満点合格者の中でも最高得点を取った様なもんだし、バンデンクラット公爵直々の推薦でやって来るんだからな。どっちも前例が無いのにその両方だ。それでも大袈裟だと思うか?」
「……いえ、思えません。」
本当に、今日来て良かった。
にしても、まさか推薦枠で合格してたのにまた試験を受ける事になるなんてとんだ二度手間だ。
しかし、まだマシな方だろう。学校関係者以外にまで目立つとか絶対嫌だ。
そうなると、この紹介状は永久封印だな。話がややこしくなる。
公爵には悪いけど、このまま一般枠で入学させてもらうことに………ん?
「……3人?」
「あぁ、これはまだ公表されてないんだった。信じられねぇよな?けど、マジなんだよ。今年は満点合格者が3人もいるんだよ。さっきも言った様に、推薦入試に比べれば難易度はそこまでじゃないけどな。」
「………そうですか。」
「あ、言っとくがそれでも満点なんて過去数年は取った奴がいなかったんだからな。」
「……そうなんですか。因みに、どんな人達なんですか?」
「ん~、そうだな。折角だし教えてやるよ。」
「ありがとうございます。」
親切だし……おしゃべりだな、この人。
「1人は、テルマーニ・マスルーツだ。お前も知ってるだろ?あの薬師貴族と名高いマスルーツ伯爵家の三男だよ。」
存じ上げないなぁ。王都の世情に疎いからなぁ。
「もう1人は、あのエリックだ。」
いや、そんな『みなさんご存知』って感じで言われても……
取り敢えず、合わせておくか。
「あのエリックが!?」
「そうだ。いろんな試験で合格判定だけもぎ取って、授与式や入学式の類には一切出ない上に、資格授与の類も一切受けないあのエリックだ。」
そんな奴が居るのか。
「その正体は謎に包まれていて、わかっているのは解答用紙に書かれたエリックという名前だけ。それが本名かどうかもわからない。その正体には色んな仮説が飛び回っていて、複数人だとか、サクラだとか、幽霊だって噂もある。そんなエリックが、ついに我が学園の試験にも応募して来たんだよ。」
なんか……きな臭い話だな。
「そもそも、エリックって実在するんですか?」
「あぁ、俺も懐疑的だったよ。けど、多分本人で間違いないな。」
「何か根拠が?」
「じゃなきゃ探し回ったりしないだろ?」
「へ?」
「俺はてっきり、最近入学者が減少し始めた事を憂いた教師連中による答案の偽装工作だと考えてたんだが、あの様子だともしかしたら……って思ってな。」
さらっととんでもない事言わなかった?
「ここだけの話だが、教員だけじゃなく手の空いてる在学生にも声を掛けて取得単位数を人質に手伝わせているらしい。例のごとく、入学式に自分から出向く事は無いだろうからな。まぁ、見つかるとは思えないが。」
よし、聞かなかった事にしよう。
「ま、それもあってうちの連中は都中を駆け回ってるんだが。」
「………」
思ったより、私が掻き乱してるみたいで忍びないな。
「ま、そんなわけで明日この道は混雑するだろうからくれぐれも気をつけて登校しろよ。裏口からなら安全に登校出来る筈だ。」
「わかりました。」
「あと、不要な外出は避けた方が良い。エリックと疑われかねないからな。」
「はい、ご親切にありがとうございました。」
「あ!それと、10時に結果を張り出すからちゃんと結果を見るの、忘れるなよ!!」
「……はい。」
ほんと、気を付けよ。
まさか、さっきの答案用紙の氏名欄でバレたりとか?
「わかんねぇんだよ。当人の希望で匿名受験だったらしくてな。顔も名前もわからないんだ。」
杞憂だったか。
「何しろ公爵があらゆる情報を秘匿するもんだから、年齢以外マジで何もわからないんだよ。」
守秘義務を徹底してくれてる様で何よりだ。
「出身が本当にバンデンクラットかも怪しいもんだし、どんな奴なんだろうな?」
実は目の前に居るんだけど……とりあえず、身元が知られる心配は無さそうだ。
「けど、それだと誰を迎えに行けばいいのかわからないんじゃないですか?」
「いや、わかるぞ?」
「へ?」
「明日の朝7時にバンデンクラット方面から馬車に乗って来るらしくてな。降り場も時間も把握して出迎えをするらしい。しかも、バンデンクラット公爵が持たせた紹介状で間違いなく身元は割れるだろうな。」
「ほ…本当ですか?」
「あぁ、さっきも言ったが、その準備でほとんどの教員が出払ってんだからな。」
あっぶね。1日遅ければ危うくVIP待遇される所だったな。
それにしても…
「出迎えるだけでそんなに大勢が必要なんですか?」
「あたり前だろう?当日は一目見ようと野次馬が大勢押しかけるだろうからな。先に行って待ち伏せなきゃならん。」
「野次馬?それは……些か大袈裟では?」
「大袈裟なもんか。実質、3人の満点合格者の中でも最高得点を取った様なもんだし、バンデンクラット公爵直々の推薦でやって来るんだからな。どっちも前例が無いのにその両方だ。それでも大袈裟だと思うか?」
「……いえ、思えません。」
本当に、今日来て良かった。
にしても、まさか推薦枠で合格してたのにまた試験を受ける事になるなんてとんだ二度手間だ。
しかし、まだマシな方だろう。学校関係者以外にまで目立つとか絶対嫌だ。
そうなると、この紹介状は永久封印だな。話がややこしくなる。
公爵には悪いけど、このまま一般枠で入学させてもらうことに………ん?
「……3人?」
「あぁ、これはまだ公表されてないんだった。信じられねぇよな?けど、マジなんだよ。今年は満点合格者が3人もいるんだよ。さっきも言った様に、推薦入試に比べれば難易度はそこまでじゃないけどな。」
「………そうですか。」
「あ、言っとくがそれでも満点なんて過去数年は取った奴がいなかったんだからな。」
「……そうなんですか。因みに、どんな人達なんですか?」
「ん~、そうだな。折角だし教えてやるよ。」
「ありがとうございます。」
親切だし……おしゃべりだな、この人。
「1人は、テルマーニ・マスルーツだ。お前も知ってるだろ?あの薬師貴族と名高いマスルーツ伯爵家の三男だよ。」
存じ上げないなぁ。王都の世情に疎いからなぁ。
「もう1人は、あのエリックだ。」
いや、そんな『みなさんご存知』って感じで言われても……
取り敢えず、合わせておくか。
「あのエリックが!?」
「そうだ。いろんな試験で合格判定だけもぎ取って、授与式や入学式の類には一切出ない上に、資格授与の類も一切受けないあのエリックだ。」
そんな奴が居るのか。
「その正体は謎に包まれていて、わかっているのは解答用紙に書かれたエリックという名前だけ。それが本名かどうかもわからない。その正体には色んな仮説が飛び回っていて、複数人だとか、サクラだとか、幽霊だって噂もある。そんなエリックが、ついに我が学園の試験にも応募して来たんだよ。」
なんか……きな臭い話だな。
「そもそも、エリックって実在するんですか?」
「あぁ、俺も懐疑的だったよ。けど、多分本人で間違いないな。」
「何か根拠が?」
「じゃなきゃ探し回ったりしないだろ?」
「へ?」
「俺はてっきり、最近入学者が減少し始めた事を憂いた教師連中による答案の偽装工作だと考えてたんだが、あの様子だともしかしたら……って思ってな。」
さらっととんでもない事言わなかった?
「ここだけの話だが、教員だけじゃなく手の空いてる在学生にも声を掛けて取得単位数を人質に手伝わせているらしい。例のごとく、入学式に自分から出向く事は無いだろうからな。まぁ、見つかるとは思えないが。」
よし、聞かなかった事にしよう。
「ま、それもあってうちの連中は都中を駆け回ってるんだが。」
「………」
思ったより、私が掻き乱してるみたいで忍びないな。
「ま、そんなわけで明日この道は混雑するだろうからくれぐれも気をつけて登校しろよ。裏口からなら安全に登校出来る筈だ。」
「わかりました。」
「あと、不要な外出は避けた方が良い。エリックと疑われかねないからな。」
「はい、ご親切にありがとうございました。」
「あ!それと、10時に結果を張り出すからちゃんと結果を見るの、忘れるなよ!!」
「……はい。」
ほんと、気を付けよ。
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