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序章-1節.王都の学園に入学する事になった私は…
6.反省するまで叱りました。
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その後、補欠枠の試験に合格したことを確認した私は学園を後にした。
「…………」
なんというか、入学式前なのに大分疲れたな。
何というか、精神に来る疲れだ。疲労感って奴だな。
もしこれが仕組まれたものなら、ここ最近は心が凪だったのに掻き乱すなって言ってやりたい所だ。
「(ピラッ)………」
そんな私は今、住所を書いたメモを元にハクラが用意してくれた宿を探している。
ハクラが事前に宿を用意してくれたおかげでまだ身元はバレそうにない。
経験があるから言えるが、共同生活における気の緩みは尋常ではない。もし学生寮に入る事になっていたら、思わぬ形でボロが出る事に神経をすり減らしながら生活することになっただろう。
そんなのごめん被る。
結果的に、ハクラの機転に助けられた。それは事実だ。
けど、このメモの住所………
「(ピラッ)………」
何度見ても、目の前の…この屋敷と重なってるんだよな。
見た目は大分古いけど、明らかにこれ…貴族の屋敷だろ。
見たところ、人の気配は感じられない。完全な空き家だ。
私はてっきり、集合住宅の一室を借りてくれたと思っていた。まさか屋敷ごと用意してるとは……なんて、恥ずかしい勘違いだよな?
頼む、勘違いであってくれ。
「(ピラッ)………」
だが、メモを何度見返しても、ここで間違いない様だ。となると……
「……(テクテク)」
多分、住所を書き間違えたんだろう。
いくらなんでも、故郷ではただの森番でしかない私がこんな屋敷で一人暮らしなんて贅沢が過ぎる。
「(スッ)」
現に、この鍵で開いたりする筈は……
「(ガチャッ)」
開いた。
「………」
金持ちの感性ってわからないな。ただの森番にこんな屋敷を当てがうなよ。
自由に使って良いって言われたけど、本当に良いのか?
まぁ、取り敢えず中に入るか。
〈キィィィッ〉
“「(カサカサカサカサ)」"
“「(キキッ…キッキッ)」"
「………」
なるほど。少し納得したかもしれない。
至る所に蜘蛛の巣と埃、それとネズミの足音まで聞こえる。
いくら造りがよくても、こんな有様では買い手がいなくてもおかしくない。
長い間放置されていた様だし、大分安かったんだろうな。もしかしたら、何かしらの曰く付きかもしれない。
まさに、私にはお誂え向きな物件だった訳だ。お言葉に甘えて好きにさせて貰おう。
そうと決まったらまず………掃除だな。
「プヨ、掃除を頼めるか?」
"「(ヒョコッ)了解致しました。」"
襟首から緑色で半透明の同居人が顔を出す。
こいつはプヨ。故郷から連れて来た私の従魔だ。種族名は確か【レッサースライム】だった筈。
"「(グググッ……ブワッ)」"
プヨは膨らみ、壁沿いに片っ端から屋敷の汚れを取り除いていく。
さて、私は荷解きでもするかな。
「と言っても、(カチャッ)大した荷物は……」
"「キゥッ!」"
「(パタン)……」
そういえば、ハクラはランパスに着いた頃だろうか。明日にでも会えれば良いな。
"「キキッ!!キキッ!!」"
その時にこの鞄ごとこいつを……
"「キキキッ!キッ!」"
…………
「(カチャッ)」
"「……キゥキゥ。」"
「何故ここに居るんだ?故郷で留守番してる筈だろ?」
"「キュッ♪」"
「理由を聞いているんだが?」
"「……ゥキュゥ、ゥキュウキュゥ。」"
この褐色の毛玉はモコ。こいつも私の従魔だ。故郷に置いて来た筈だったが、いつの間にか鞄に潜り込んでいた様だ。
「取り敢えず、明日バークレーに送り返すから。」
"「キュビッ!?」
「そんな!?じゃないよ。勝手に着いて来たりして……何かあったらどうするんだよ。」
"「キゥッ!キゥッ!キュゥッキゥキゥキゥゥ…」"
「3年で戻るって言っただろ?長期の休みには帰省もするんだから……」
ここは住み慣れた森とは違う。この王都で何が起こるかは今の私にはわかりようもない。ここが安全だと保証しきれない以上、故郷に帰す方がモコにとって安全だろう。
"「キッキキッ!キィ…キキキッ!!」"
だが、今から故郷に送り返した所で脱走して戻って来るかもしれない。その道中で何かあったら悔やむに悔やみきれない。それなら……
「………約束出来るか?この屋敷の中で、大人しくするって。」
"「キゥッ!」
「もし破ったら滑車の刑な。」
"「キュビッ!?」"
「当然だろ?嫌なら大人しく帰って貰おう。」
"「……キュッ!」"
「よし、その言葉を信じよう。」
これで、大人しくしてくれていれば良いんだけど……心配だ。
だが、まぁ……無策で放置するよりは幾分かマシな筈。
そう考える事にしよう。
"「主、掃除が終わりました……モコ?何故ここに?」"
「鞄に潜り込んでた。こいつも一緒に暮らすから色々頼む。」
"「相変わらず、モコに甘いですね。」"
「どこぞのお転婆みたいに手に余るだけだよ。」
"「キュウキュウッ」
「褒めて無いぞ。いいか?送り返されたくなければ、ちゃんと私とプヨの言うことを聞けよ?わかったか?」
"「キュウッ!」"
まったく、返事だけは良いんだから。
"「では…話もまとまった様ですし、説教の続きは私が引き継ぎます。構いませんよね?」“
「ああ、頼む。」
“「キュビッ!?」"
それにしても、引っ越し早々から騒がしいなぁ。
まぁ、賑やかなのは嫌いじゃ無いけど。
寧ろ、ほんの少しだけ………楽しいかな。
序章………end.
「…………」
なんというか、入学式前なのに大分疲れたな。
何というか、精神に来る疲れだ。疲労感って奴だな。
もしこれが仕組まれたものなら、ここ最近は心が凪だったのに掻き乱すなって言ってやりたい所だ。
「(ピラッ)………」
そんな私は今、住所を書いたメモを元にハクラが用意してくれた宿を探している。
ハクラが事前に宿を用意してくれたおかげでまだ身元はバレそうにない。
経験があるから言えるが、共同生活における気の緩みは尋常ではない。もし学生寮に入る事になっていたら、思わぬ形でボロが出る事に神経をすり減らしながら生活することになっただろう。
そんなのごめん被る。
結果的に、ハクラの機転に助けられた。それは事実だ。
けど、このメモの住所………
「(ピラッ)………」
何度見ても、目の前の…この屋敷と重なってるんだよな。
見た目は大分古いけど、明らかにこれ…貴族の屋敷だろ。
見たところ、人の気配は感じられない。完全な空き家だ。
私はてっきり、集合住宅の一室を借りてくれたと思っていた。まさか屋敷ごと用意してるとは……なんて、恥ずかしい勘違いだよな?
頼む、勘違いであってくれ。
「(ピラッ)………」
だが、メモを何度見返しても、ここで間違いない様だ。となると……
「……(テクテク)」
多分、住所を書き間違えたんだろう。
いくらなんでも、故郷ではただの森番でしかない私がこんな屋敷で一人暮らしなんて贅沢が過ぎる。
「(スッ)」
現に、この鍵で開いたりする筈は……
「(ガチャッ)」
開いた。
「………」
金持ちの感性ってわからないな。ただの森番にこんな屋敷を当てがうなよ。
自由に使って良いって言われたけど、本当に良いのか?
まぁ、取り敢えず中に入るか。
〈キィィィッ〉
“「(カサカサカサカサ)」"
“「(キキッ…キッキッ)」"
「………」
なるほど。少し納得したかもしれない。
至る所に蜘蛛の巣と埃、それとネズミの足音まで聞こえる。
いくら造りがよくても、こんな有様では買い手がいなくてもおかしくない。
長い間放置されていた様だし、大分安かったんだろうな。もしかしたら、何かしらの曰く付きかもしれない。
まさに、私にはお誂え向きな物件だった訳だ。お言葉に甘えて好きにさせて貰おう。
そうと決まったらまず………掃除だな。
「プヨ、掃除を頼めるか?」
"「(ヒョコッ)了解致しました。」"
襟首から緑色で半透明の同居人が顔を出す。
こいつはプヨ。故郷から連れて来た私の従魔だ。種族名は確か【レッサースライム】だった筈。
"「(グググッ……ブワッ)」"
プヨは膨らみ、壁沿いに片っ端から屋敷の汚れを取り除いていく。
さて、私は荷解きでもするかな。
「と言っても、(カチャッ)大した荷物は……」
"「キゥッ!」"
「(パタン)……」
そういえば、ハクラはランパスに着いた頃だろうか。明日にでも会えれば良いな。
"「キキッ!!キキッ!!」"
その時にこの鞄ごとこいつを……
"「キキキッ!キッ!」"
…………
「(カチャッ)」
"「……キゥキゥ。」"
「何故ここに居るんだ?故郷で留守番してる筈だろ?」
"「キュッ♪」"
「理由を聞いているんだが?」
"「……ゥキュゥ、ゥキュウキュゥ。」"
この褐色の毛玉はモコ。こいつも私の従魔だ。故郷に置いて来た筈だったが、いつの間にか鞄に潜り込んでいた様だ。
「取り敢えず、明日バークレーに送り返すから。」
"「キュビッ!?」
「そんな!?じゃないよ。勝手に着いて来たりして……何かあったらどうするんだよ。」
"「キゥッ!キゥッ!キュゥッキゥキゥキゥゥ…」"
「3年で戻るって言っただろ?長期の休みには帰省もするんだから……」
ここは住み慣れた森とは違う。この王都で何が起こるかは今の私にはわかりようもない。ここが安全だと保証しきれない以上、故郷に帰す方がモコにとって安全だろう。
"「キッキキッ!キィ…キキキッ!!」"
だが、今から故郷に送り返した所で脱走して戻って来るかもしれない。その道中で何かあったら悔やむに悔やみきれない。それなら……
「………約束出来るか?この屋敷の中で、大人しくするって。」
"「キゥッ!」
「もし破ったら滑車の刑な。」
"「キュビッ!?」"
「当然だろ?嫌なら大人しく帰って貰おう。」
"「……キュッ!」"
「よし、その言葉を信じよう。」
これで、大人しくしてくれていれば良いんだけど……心配だ。
だが、まぁ……無策で放置するよりは幾分かマシな筈。
そう考える事にしよう。
"「主、掃除が終わりました……モコ?何故ここに?」"
「鞄に潜り込んでた。こいつも一緒に暮らすから色々頼む。」
"「相変わらず、モコに甘いですね。」"
「どこぞのお転婆みたいに手に余るだけだよ。」
"「キュウキュウッ」
「褒めて無いぞ。いいか?送り返されたくなければ、ちゃんと私とプヨの言うことを聞けよ?わかったか?」
"「キュウッ!」"
まったく、返事だけは良いんだから。
"「では…話もまとまった様ですし、説教の続きは私が引き継ぎます。構いませんよね?」“
「ああ、頼む。」
“「キュビッ!?」"
それにしても、引っ越し早々から騒がしいなぁ。
まぁ、賑やかなのは嫌いじゃ無いけど。
寧ろ、ほんの少しだけ………楽しいかな。
序章………end.
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