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1章-1節.薬師の名門ブレルスクに入学した私は…
23.結果がわかるまで王都にいます。
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結局、今日もカンナさんは来なかったな。
あの日以来、彼女を見かけていない。クラスメイト達に聞いても誰も彼女を見てないらしい。
彼女の性格からして、部屋に閉じこもっているのかもしれない。
明日、王都を出発する前に挨拶しに行くかな。
「(ガチャッ)ただいま。」
“「(タタタッ)キュキュゥゥゥ~」"
明日で丁度1週間。わたしへの判決が言い渡される日だ。
今のうちに出発の準備をしてしまった方が良いかもな。
“「キキッ!キゥキゥ!!」“
客?こんな夜分に?……あぁ、なるほど。やっとティア達が到着したか。
それなら、2人に便乗して明日には王都を出発するかな。
そうなると、やはり今夜中に荷造りしてしまおう。
「(ステステ)それにしても…随分時間が掛かったんだな、ティア達。」
“「キュキュ~?」"
「……え?(ガチャッ)」
「おう、お帰り。」
「師匠、お邪魔してます。」
「………」
そんな事を考えながら帰宅した私は、想定外の来客に僅かに動揺した。
「久しぶりだな、アレク。」
「その髪もよくお似合いですね、師匠。」
家に入ると、ソファーで寛ぐ懐かしい顔触れに出迎えられた。
「………リク、ソラ。二人ともどうした?こんな夜分に。」
「どうしたじゃありませんよ、酷くないですか??」
「王都に着いたんなら、顔ぐらい見せに来いよ。」
別にわざわざ会いに行くまでも無いだろう……と、思ってたのは私だけだった様だ。
「悪かったよ。ここ最近忙しくてさ。」
「忙しい?それは、ブレルスクで教鞭を奮ってることか?」
「それとも、クラスメイトの皆さんのアルバイトを手伝ってることですか?」
「………知ってたのか。」
「あぁ、お前が教員を怒らせて退学予告を受けた事も知っている。」
「他の教員もことごとく不登校にしている事も知ってますよ。」
「2人の耳にも入ってたか。流石、耳聡いな。」
となると、ブレルスクの醜態が王都中に響くのも時間の問題か。
「それで?私が王都を出て行こうとする前に別れを言いに来たってとこか?」
「半分正解だな。」
「半分?」
「僕たちは、師匠を止めに来たんですよ。今、国の外に出るのはまずいです。」
「………どう言う事だ?」
「それを、今から僕たちが説明します。」
「そうか……ちょっと待ってろ。今お茶を……」
「おいおい、よく見ろ。ここに既に用意があるだろ?」
「師匠の分も用意して待ってたんです。」
「……いやいや、まずくないか?こんなところを誰かに見られでもしたら……」
「なら、誰も見ちゃいないから何も問題ないな。」
「僕らにだってプライベートはありますから。」
「………(トスッ)話が逸れたな。早速話してくれ。」
もはや、気にしてたらキリがないと割り切った方が良いな。
そうして、リクとソラから詳しい事情を聞いた。」
「封鎖!?4つの大橋を同時に!?」
「あぁ、どうやらマスルーツが主導で行っているらしい。」
「何でそんな事に?」
「表向きは、外部への技術流出防止って事になってる。だから、出国時に身分証の提示を要求されんだよ。」
「けど、本当は白髪翠眼で9歳くらいの……子供を探してるらしいです。」
「あれ?それってつまり……」
「そうだ。連中はお前を探している。」
「は!?何だって今更……」
「お前の身代わりになったアオバって奴がいるだろ?」
「………言い回しに悪意があるな。」
「あいつが自分達の言いなりにならずに好き勝手な行動を取るらしくてな。学園側としては邪魔になったらしい。とはいえ、バンデンクラットからの来賓として扱っている以上、退学させたり懲罰を与える事も出来ない。」
「アオバ本人も、いつでもバラせるスタンスでいるから、連中にとっては不発弾を抱えている様なものですからね。」
「そこで、本物を見つけ出してアオバを偽物として晒しあげようって魂胆らしい。」
「……身勝手過ぎない?」
「だよな。」
「ですよね。」
もう色々ありすぎて筆舌に尽くし難いな。マスルーツ。
「そんな訳で、今さらお前を探し始めてんのさ。」
「このまま返したら、バンデンクラットの来賓を無視した挙句、別の奴を担ぎ上げていた事もバレますからね。」
「ま、とっくに俺らにバレてるんだけどな。」
不毛だ。あまりに不毛すぎる。
「あれ?でもそれって私が王都に入ってる事を前提に話が進められてない?そもそも、何故私の容姿の情報が出回ってるの?」
「入学式前日に白髪翠眼の少年がバンデンクラット側の大橋から入国したって目撃情報があったらしくてですね。」
あぁ、髪を染めて前髪を伸ばす前のあの時か。
「入学式当日にも、マウントボアを斃してブレルスクに向かう姿が目撃されたって噂になってるんですよ。」
そういえば、あの日だけうっかり髪を染め忘れてたっけな。
「まぁ、何というかあれだ。たまたま結び付いたんだよ。バンデンクラットの来賓と白髪翠眼の少年が。」
「……鋭いんだか鈍いんだかわからないな。」
少なくとも、いまだに私と来賓が結び付いてないのだから鋭いとは言えないな。
「つーわけで、今は出国制限がかけられていて王都を出られるかどうかわからない。」
「……もしかして、ティア達が来られない事にも影響してる?」
「もちろん。最近じゃ、出入国の両方にかなりの規制がかけられてるみたいです。」
合点がいった。どうりで1ヶ月も顔を見せない訳だ。
「なるほどな。じゃあ大橋から出国するわけにはいかないな。」
「「…………」」
「どうした?」
「まさか、出国するつもりじゃないだろうな?」
「なにか問題があるのか?」
「いやいや…話聞いてました?出国出来ないって説明をしましたよね!?」
「そもそも、まだ退学が決まった訳でも無いだろ??」
「けど、どっちにしろあの学園で学べる事はないだろうからね。」
「それなら、学園の図書館で本を読みまくれば良いだろ?色々ある筈だろ!!」
「それなら、とっくに読み終えたよ。」
「「早っ!?」」
「てか、何故かどの本もずっと昔に読んだ事があった気がするんだよね……何でだろ?」
「「…………」」
互いを見つめ合って、何か言いたげにしている。何が言いたい?
「そもそも、どうやって出国するつもりだ?」
「下の森を通れば、向こう側まで行けるだろう?見た感じ、獣のレベルもそんなに高いとは思えないし。」
「あー…なるほどね。」
「そうだな。お前なら何の問題も無く突破出来るだろうよ。」
気のせいかな?2人のリアクションが『森番してたから』って感じに見えない。
「けど、そんな目立つことをすれば、もう王都には来られなくなりますよ?」
「今お前は学園で目立っているからな。そんなお前の消息が突然消えたらとうとう繋がっちまう。悪手って奴だ。」
「それに、連中がそれで大人しくする奴らじゃないのは師匠だってよくわかっているでしょう?」
「他のクラスメイトを八つ当たりで退学させるぐらいは充分にやりかねないだろうな。」
「………」
確かに、それは困る。
「そして、この事はアレを使ってカイルにも伝えた。」
「カイルから伝言を預かっています。」
「……なんて言ってた?」
「『せっかくだし、そのまま暫く王都に滞在してもう少し勉強してこい。期間は問わない。』だとよ。」
「いや…だからわたしは……」
「少なくとも、まだ結果は見てないんだろ?」
「もしかしたら、まだ退学じゃないかもしれませんよ?」
「いや…でも……」
「帰るとしても、結果を見てからでも良くないですか?」
「それに、カイルから聞いたぜ?知識を盗むつもりで行って来いって言われたんだってな。王都立の図書館はまだ行ってないんだろう?ここでゆっくり勉強してから帰れば良いじゃねぇかよ。」
「カイル達には僕らから伝えますから、師匠はここに居てくださいよ。」
いつになく、圧を感じるな。
「……わかった。もうしばらくここに居るよ。ただし、退学になってたら王都立図書館の書籍を読み漁り次第、速攻で帰るからな?」
「おう、かまわねぇよ。」
何にせよ、明日まで待つ事にしよう。荷造りはそれからだな。
あの日以来、彼女を見かけていない。クラスメイト達に聞いても誰も彼女を見てないらしい。
彼女の性格からして、部屋に閉じこもっているのかもしれない。
明日、王都を出発する前に挨拶しに行くかな。
「(ガチャッ)ただいま。」
“「(タタタッ)キュキュゥゥゥ~」"
明日で丁度1週間。わたしへの判決が言い渡される日だ。
今のうちに出発の準備をしてしまった方が良いかもな。
“「キキッ!キゥキゥ!!」“
客?こんな夜分に?……あぁ、なるほど。やっとティア達が到着したか。
それなら、2人に便乗して明日には王都を出発するかな。
そうなると、やはり今夜中に荷造りしてしまおう。
「(ステステ)それにしても…随分時間が掛かったんだな、ティア達。」
“「キュキュ~?」"
「……え?(ガチャッ)」
「おう、お帰り。」
「師匠、お邪魔してます。」
「………」
そんな事を考えながら帰宅した私は、想定外の来客に僅かに動揺した。
「久しぶりだな、アレク。」
「その髪もよくお似合いですね、師匠。」
家に入ると、ソファーで寛ぐ懐かしい顔触れに出迎えられた。
「………リク、ソラ。二人ともどうした?こんな夜分に。」
「どうしたじゃありませんよ、酷くないですか??」
「王都に着いたんなら、顔ぐらい見せに来いよ。」
別にわざわざ会いに行くまでも無いだろう……と、思ってたのは私だけだった様だ。
「悪かったよ。ここ最近忙しくてさ。」
「忙しい?それは、ブレルスクで教鞭を奮ってることか?」
「それとも、クラスメイトの皆さんのアルバイトを手伝ってることですか?」
「………知ってたのか。」
「あぁ、お前が教員を怒らせて退学予告を受けた事も知っている。」
「他の教員もことごとく不登校にしている事も知ってますよ。」
「2人の耳にも入ってたか。流石、耳聡いな。」
となると、ブレルスクの醜態が王都中に響くのも時間の問題か。
「それで?私が王都を出て行こうとする前に別れを言いに来たってとこか?」
「半分正解だな。」
「半分?」
「僕たちは、師匠を止めに来たんですよ。今、国の外に出るのはまずいです。」
「………どう言う事だ?」
「それを、今から僕たちが説明します。」
「そうか……ちょっと待ってろ。今お茶を……」
「おいおい、よく見ろ。ここに既に用意があるだろ?」
「師匠の分も用意して待ってたんです。」
「……いやいや、まずくないか?こんなところを誰かに見られでもしたら……」
「なら、誰も見ちゃいないから何も問題ないな。」
「僕らにだってプライベートはありますから。」
「………(トスッ)話が逸れたな。早速話してくれ。」
もはや、気にしてたらキリがないと割り切った方が良いな。
そうして、リクとソラから詳しい事情を聞いた。」
「封鎖!?4つの大橋を同時に!?」
「あぁ、どうやらマスルーツが主導で行っているらしい。」
「何でそんな事に?」
「表向きは、外部への技術流出防止って事になってる。だから、出国時に身分証の提示を要求されんだよ。」
「けど、本当は白髪翠眼で9歳くらいの……子供を探してるらしいです。」
「あれ?それってつまり……」
「そうだ。連中はお前を探している。」
「は!?何だって今更……」
「お前の身代わりになったアオバって奴がいるだろ?」
「………言い回しに悪意があるな。」
「あいつが自分達の言いなりにならずに好き勝手な行動を取るらしくてな。学園側としては邪魔になったらしい。とはいえ、バンデンクラットからの来賓として扱っている以上、退学させたり懲罰を与える事も出来ない。」
「アオバ本人も、いつでもバラせるスタンスでいるから、連中にとっては不発弾を抱えている様なものですからね。」
「そこで、本物を見つけ出してアオバを偽物として晒しあげようって魂胆らしい。」
「……身勝手過ぎない?」
「だよな。」
「ですよね。」
もう色々ありすぎて筆舌に尽くし難いな。マスルーツ。
「そんな訳で、今さらお前を探し始めてんのさ。」
「このまま返したら、バンデンクラットの来賓を無視した挙句、別の奴を担ぎ上げていた事もバレますからね。」
「ま、とっくに俺らにバレてるんだけどな。」
不毛だ。あまりに不毛すぎる。
「あれ?でもそれって私が王都に入ってる事を前提に話が進められてない?そもそも、何故私の容姿の情報が出回ってるの?」
「入学式前日に白髪翠眼の少年がバンデンクラット側の大橋から入国したって目撃情報があったらしくてですね。」
あぁ、髪を染めて前髪を伸ばす前のあの時か。
「入学式当日にも、マウントボアを斃してブレルスクに向かう姿が目撃されたって噂になってるんですよ。」
そういえば、あの日だけうっかり髪を染め忘れてたっけな。
「まぁ、何というかあれだ。たまたま結び付いたんだよ。バンデンクラットの来賓と白髪翠眼の少年が。」
「……鋭いんだか鈍いんだかわからないな。」
少なくとも、いまだに私と来賓が結び付いてないのだから鋭いとは言えないな。
「つーわけで、今は出国制限がかけられていて王都を出られるかどうかわからない。」
「……もしかして、ティア達が来られない事にも影響してる?」
「もちろん。最近じゃ、出入国の両方にかなりの規制がかけられてるみたいです。」
合点がいった。どうりで1ヶ月も顔を見せない訳だ。
「なるほどな。じゃあ大橋から出国するわけにはいかないな。」
「「…………」」
「どうした?」
「まさか、出国するつもりじゃないだろうな?」
「なにか問題があるのか?」
「いやいや…話聞いてました?出国出来ないって説明をしましたよね!?」
「そもそも、まだ退学が決まった訳でも無いだろ??」
「けど、どっちにしろあの学園で学べる事はないだろうからね。」
「それなら、学園の図書館で本を読みまくれば良いだろ?色々ある筈だろ!!」
「それなら、とっくに読み終えたよ。」
「「早っ!?」」
「てか、何故かどの本もずっと昔に読んだ事があった気がするんだよね……何でだろ?」
「「…………」」
互いを見つめ合って、何か言いたげにしている。何が言いたい?
「そもそも、どうやって出国するつもりだ?」
「下の森を通れば、向こう側まで行けるだろう?見た感じ、獣のレベルもそんなに高いとは思えないし。」
「あー…なるほどね。」
「そうだな。お前なら何の問題も無く突破出来るだろうよ。」
気のせいかな?2人のリアクションが『森番してたから』って感じに見えない。
「けど、そんな目立つことをすれば、もう王都には来られなくなりますよ?」
「今お前は学園で目立っているからな。そんなお前の消息が突然消えたらとうとう繋がっちまう。悪手って奴だ。」
「それに、連中がそれで大人しくする奴らじゃないのは師匠だってよくわかっているでしょう?」
「他のクラスメイトを八つ当たりで退学させるぐらいは充分にやりかねないだろうな。」
「………」
確かに、それは困る。
「そして、この事はアレを使ってカイルにも伝えた。」
「カイルから伝言を預かっています。」
「……なんて言ってた?」
「『せっかくだし、そのまま暫く王都に滞在してもう少し勉強してこい。期間は問わない。』だとよ。」
「いや…だからわたしは……」
「少なくとも、まだ結果は見てないんだろ?」
「もしかしたら、まだ退学じゃないかもしれませんよ?」
「いや…でも……」
「帰るとしても、結果を見てからでも良くないですか?」
「それに、カイルから聞いたぜ?知識を盗むつもりで行って来いって言われたんだってな。王都立の図書館はまだ行ってないんだろう?ここでゆっくり勉強してから帰れば良いじゃねぇかよ。」
「カイル達には僕らから伝えますから、師匠はここに居てくださいよ。」
いつになく、圧を感じるな。
「……わかった。もうしばらくここに居るよ。ただし、退学になってたら王都立図書館の書籍を読み漁り次第、速攻で帰るからな?」
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何にせよ、明日まで待つ事にしよう。荷造りはそれからだな。
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