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1章-1節.薬師の名門ブレルスクに入学した私は…
21.退学するまで守ります。
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「……アレ…ク?」
「ぁあ゛?誰だテメェ?」
「お初にお目に掛かります。私はアレク、テルマの友人ですよ。」
「あっそ。じゃあアレク、引っ込んでろ。これは我が家の問題だ。部外者は口を挟むな!!」
「いいえ、今しがたあなたは言いました。勘当されたと。ならば、これは内輪の問題ではありません。」
「お前…そんな屁理屈を……!
「そもそも、矯正と称していますが、私には自らのコンプレックスの捌け口として利用している様にしか見えません。とても、王都の貴族の行いには見えませんね。王都の子息は皆、こんな醜い真似をしているのですか?」
「ぁ゛あ゛ん?(ググッ) 調子に乗ってんじゃ……」
男が拳を高く上げ、振り翳す。
「ねぇぞ!!(ブオッ)」
そして、殴りかかって来る。ここで躱わせばテルマに直撃するだろう。なら……
「(ピシュルルルッ……グッ)」
「(ビィィィィンッ)っんぐ!?」
すれ違い様に手持ちの包帯を男の腕に巻き付け、男の後ろに引いて腕の勢いを止める。
「なっ!?いつのま…に……」
「調子に乗るな?そりゃあこっちのセリフだ。」
「てんめっ…(ブンッ)」
振り返って殴りかかってきた。
「(トッ…ピシュルルルッ)」
「(スカッ) なっ…!?」
だから、相手の頭上を飛び越え、そのすれ違い様にもう反対の腕も包帯で包む。
「(ストッ)……遅い。」
「おま…あっ!?(グラッ)」
「おっと(ビビンッ)……危ないな。」
バランスを崩して前に突っ伏しそうになったので、両腕に結んだ包帯を引っ張ってバランスを取ってやる。
「……こ…のっ!(ブンッ)」
すると、あろう事か男は身体構造的に大して上がりもしない足で後ろ蹴りをしようとしてきた。最後まで敵意マシマシだ。
「(ピシュルルルッ……ビンッ)」
なので、揚げ足も包帯で包んでやった。片手で充分だ。
「(ビビンッ)んな……ぁ……」
男は片足立ちで前のめりになりつつも、辛うじて後方への張力によって転倒を免れている。つまり今、男のバランスは私のこの手に握られているということだ。さて……
「(ガッ)お、おい!今、何をした?」
「ぅおっ!?」
片手間でテルマの手当てをしようと思ったら、肩を掴まれた。
なんだ?思ったより大丈夫そうだな。
「何って、えっと……包帯で、動きを……封じた?」
何で疑問文?
「それ!俺にも教えてくれ!!」
「……え?」
目を輝かせながら詰め寄って来た。
「なぁ、頼むよ?」
まずったな。これは流石に……いや…まぁ……好きにさせるか。
「言っとくが、簡単じゃないぞ?」
「わかってる。どんな修行だろうとやる覚悟だ!!だから、頼むよ!!」
何より、元気を取り戻したなら何よりだ。
「わかったわかった。そのうちな。」
「約束だからな!」
時々、年相応の反応するんだよな。こいつ。
「おい!この俺にこんな真似をした挙句、無視するとはどういう事だ!!」
チャーシュー一歩手前の男が喚く。
「(シュルルルルッ)」
「もう許さん。貴様の家を探り出し、親族諸共…………」
「(パッ)」
「ぬあっ(ドスッ)へぶっ!?」
両腕と足の包帯を束ねてから手を離すと、バランスを崩して前のめりに倒れた。ついでに、後ろに回した両腕と片足をきっちりまとめ上げたから受け身も取れなかった様だ。
「今のお前の姿(ガシッ)随分と滑稽だな。(グィッ)」
「!?い゛っででっ!?」
さながら鯱鉾だな。男の後髪を掴み上げ、耳元で聞こえる様に囁く。
「良いか?自分の状況もろくに掴めないその粗末な脳にちゃんと記録しろ。」
「な゛っ…に゛を……!」
「金輪際、私の目の前で喚くな。何があったか知らないが、もうこいつの事は放って置けよ。勘当されたってんなら、お前とはもう無縁だろ?次にやったら公会堂前に吊るして放置するから、尊厳を失いたくないなら関わるな。」
「き゛…さま……こんなことして、ただで済むと……」
「生憎、私には巻き込む様な身内はいないんだ。だが、お前は違う。お前の醜態を見る親族は大勢いるだろう?なら、どうするのが良いかわかるよな?」
「…………」
「わかった様だな?(パッ)」
「(ズシャッ)へぶっ!」
「忠告はしたからな。行くぞ、テルマ。」
「あっ…あぁ……」
「おっ、おい待て!!このまま放置するつもりか!?これを解け!!」
「断る。通りすがりの奴に解いて貰えよ。」
運良く通り掛かった奴によって、あいつの噂は広まるだろう。
「待てぇぇっ!!」
無視してその場を後にする。
「お前も大変だな。あんな輩に因縁つけられるなんて。」
「………」
「どうした?」
「………すまねぇ。巻き込んだ。」
「それは違うな。私から首を突っ込んだんだ。」
「けど、これでお前は……」
「どうせ直ぐに王都を去る。あいつが片田舎まで追って来るってんなら、歓迎してやるよ。飛び切り手厚くな。」
「……そうか。そうだったな。」
実際、魔の森までやって来る度胸があるとはとても思えないけど。
とにかく、これで校内における暴力事案として対処しやすくなった事だろう。退学もそのうちだな。
「さて、じゃあ早いところ向かうぞ。今からなら時間は充分…」
「アレク。」
「なんだ?」
「……聞かないのか?」
「何が?」
「俺の事……卑賤の生まれとか、俺の家名とか……」
「話したいのか?」
「っ!…………」
「違うだろ?だったら話さなくて良いよ。」
「……良いのか?俺が何者か知らなくて。」
「知ってるよ。お前はテルマ、私の弟子で友達。それ以外は注釈だろ?」
「っ!!」
「そんなことより、走るぞ。」
「アレク!」
「……今度は何だ?」
「ありがとう。」
「…………何の事だ?」
「いろいろ、ありがとう。」
「……どういたしまして。」
なんか、むず痒いな。こういうの。
けど、まぁ……たまには良いかな。
「ぁあ゛?誰だテメェ?」
「お初にお目に掛かります。私はアレク、テルマの友人ですよ。」
「あっそ。じゃあアレク、引っ込んでろ。これは我が家の問題だ。部外者は口を挟むな!!」
「いいえ、今しがたあなたは言いました。勘当されたと。ならば、これは内輪の問題ではありません。」
「お前…そんな屁理屈を……!
「そもそも、矯正と称していますが、私には自らのコンプレックスの捌け口として利用している様にしか見えません。とても、王都の貴族の行いには見えませんね。王都の子息は皆、こんな醜い真似をしているのですか?」
「ぁ゛あ゛ん?(ググッ) 調子に乗ってんじゃ……」
男が拳を高く上げ、振り翳す。
「ねぇぞ!!(ブオッ)」
そして、殴りかかって来る。ここで躱わせばテルマに直撃するだろう。なら……
「(ピシュルルルッ……グッ)」
「(ビィィィィンッ)っんぐ!?」
すれ違い様に手持ちの包帯を男の腕に巻き付け、男の後ろに引いて腕の勢いを止める。
「なっ!?いつのま…に……」
「調子に乗るな?そりゃあこっちのセリフだ。」
「てんめっ…(ブンッ)」
振り返って殴りかかってきた。
「(トッ…ピシュルルルッ)」
「(スカッ) なっ…!?」
だから、相手の頭上を飛び越え、そのすれ違い様にもう反対の腕も包帯で包む。
「(ストッ)……遅い。」
「おま…あっ!?(グラッ)」
「おっと(ビビンッ)……危ないな。」
バランスを崩して前に突っ伏しそうになったので、両腕に結んだ包帯を引っ張ってバランスを取ってやる。
「……こ…のっ!(ブンッ)」
すると、あろう事か男は身体構造的に大して上がりもしない足で後ろ蹴りをしようとしてきた。最後まで敵意マシマシだ。
「(ピシュルルルッ……ビンッ)」
なので、揚げ足も包帯で包んでやった。片手で充分だ。
「(ビビンッ)んな……ぁ……」
男は片足立ちで前のめりになりつつも、辛うじて後方への張力によって転倒を免れている。つまり今、男のバランスは私のこの手に握られているということだ。さて……
「(ガッ)お、おい!今、何をした?」
「ぅおっ!?」
片手間でテルマの手当てをしようと思ったら、肩を掴まれた。
なんだ?思ったより大丈夫そうだな。
「何って、えっと……包帯で、動きを……封じた?」
何で疑問文?
「それ!俺にも教えてくれ!!」
「……え?」
目を輝かせながら詰め寄って来た。
「なぁ、頼むよ?」
まずったな。これは流石に……いや…まぁ……好きにさせるか。
「言っとくが、簡単じゃないぞ?」
「わかってる。どんな修行だろうとやる覚悟だ!!だから、頼むよ!!」
何より、元気を取り戻したなら何よりだ。
「わかったわかった。そのうちな。」
「約束だからな!」
時々、年相応の反応するんだよな。こいつ。
「おい!この俺にこんな真似をした挙句、無視するとはどういう事だ!!」
チャーシュー一歩手前の男が喚く。
「(シュルルルルッ)」
「もう許さん。貴様の家を探り出し、親族諸共…………」
「(パッ)」
「ぬあっ(ドスッ)へぶっ!?」
両腕と足の包帯を束ねてから手を離すと、バランスを崩して前のめりに倒れた。ついでに、後ろに回した両腕と片足をきっちりまとめ上げたから受け身も取れなかった様だ。
「今のお前の姿(ガシッ)随分と滑稽だな。(グィッ)」
「!?い゛っででっ!?」
さながら鯱鉾だな。男の後髪を掴み上げ、耳元で聞こえる様に囁く。
「良いか?自分の状況もろくに掴めないその粗末な脳にちゃんと記録しろ。」
「な゛っ…に゛を……!」
「金輪際、私の目の前で喚くな。何があったか知らないが、もうこいつの事は放って置けよ。勘当されたってんなら、お前とはもう無縁だろ?次にやったら公会堂前に吊るして放置するから、尊厳を失いたくないなら関わるな。」
「き゛…さま……こんなことして、ただで済むと……」
「生憎、私には巻き込む様な身内はいないんだ。だが、お前は違う。お前の醜態を見る親族は大勢いるだろう?なら、どうするのが良いかわかるよな?」
「…………」
「わかった様だな?(パッ)」
「(ズシャッ)へぶっ!」
「忠告はしたからな。行くぞ、テルマ。」
「あっ…あぁ……」
「おっ、おい待て!!このまま放置するつもりか!?これを解け!!」
「断る。通りすがりの奴に解いて貰えよ。」
運良く通り掛かった奴によって、あいつの噂は広まるだろう。
「待てぇぇっ!!」
無視してその場を後にする。
「お前も大変だな。あんな輩に因縁つけられるなんて。」
「………」
「どうした?」
「………すまねぇ。巻き込んだ。」
「それは違うな。私から首を突っ込んだんだ。」
「けど、これでお前は……」
「どうせ直ぐに王都を去る。あいつが片田舎まで追って来るってんなら、歓迎してやるよ。飛び切り手厚くな。」
「……そうか。そうだったな。」
実際、魔の森までやって来る度胸があるとはとても思えないけど。
とにかく、これで校内における暴力事案として対処しやすくなった事だろう。退学もそのうちだな。
「さて、じゃあ早いところ向かうぞ。今からなら時間は充分…」
「アレク。」
「なんだ?」
「……聞かないのか?」
「何が?」
「俺の事……卑賤の生まれとか、俺の家名とか……」
「話したいのか?」
「っ!…………」
「違うだろ?だったら話さなくて良いよ。」
「……良いのか?俺が何者か知らなくて。」
「知ってるよ。お前はテルマ、私の弟子で友達。それ以外は注釈だろ?」
「っ!!」
「そんなことより、走るぞ。」
「アレク!」
「……今度は何だ?」
「ありがとう。」
「…………何の事だ?」
「いろいろ、ありがとう。」
「……どういたしまして。」
なんか、むず痒いな。こういうの。
けど、まぁ……たまには良いかな。
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