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2章-1節.授業を荒らして停学処分を受けた私は……
24.受付の少年を助けます。
しおりを挟む取り敢えず、ここら辺の本は一通り読み終えた。今回はかなり読み応えがあったな。やっぱり、読んだ記憶のない本ばかりだったからだろうか?
「(パラパラパラッ)」
それにしても奇妙だ。並んでいる文書は《薬学基礎》《薬草大全》《調薬器具名鑑》等………基礎に関するものばかりで応用に当たる論述書の類がほとんど見られない。そして、それらの論述書も最古版が10年前だ。王都の建国は約700年前なのに対して、あまりにも浅すぎる。
何より、全体的に見て数世紀前から現代に至るまでの間に医療の発達がほとんど見られない。おまけに医療技術に連立性が見出せず、出所も不明なものも多い。まるで、色んな世界の色んな時代の医術書を切ったり貼ったりしたスクラップ帳みたいに思える。
あの教師達の授業方針もそうだ。その杜撰さで気付きにくいが、よくよく振り返ってみると、ただ情報を詰め込むばかりでどうしてそうなるのかという原理や真理を追求する姿勢が全く見られなかった。まるで、最初からそういう概念がないかの様だ。
当初は、見下し根性が強く自慢をするばかりの人を育てる気の無いナルシストばかりだからだと思ってたが、そもそも発展や工夫っていう発想がなかったとしたら…………
「(チャラッ)ん?」
足元で、紋章の様なものが入ったロケットを見つける。
「これは………?」
恐らく、誰かの落とし物だろう。
「……届けるか。(テクテク)」
そうして、私は受付へ向かった。ついでに本も借りていこう。
「ざけんな!いいからさっさと来い!!」
すると、受付の方からそんな怒声がした。
「困ります!困りますよお客さん!!」
「(グィッ)観念しろ!テメェの正体は破れてんだよ!!」
「ですから、人違いですって!!何度言ったら分かるんですか!!」
「おいおい、それは流石に苦しくないか?エディさんよぉ?」
「今は時間が無い。さぁ、一緒に暗号を解こうじゃないか?」
見ると、少年が3人の男子に絡まれていた。
明らかに面倒事だな。声を掛ければ確実に巻き込まれる。
「離してくださいっ!やめてください!!」
「(ズルズル)お前に拒否権なんて無いんだよ。さっさと従え。」
「平民の分際で生意気だぞ。こっちはさるお方の命を受けているんだ。身の程を弁えろ。」
「しかし、まぁ……(ジュルリ)随分な上玉じゃないか。後で楽しもうぜ?」
けど……見逃すのも気分が悪いな。
「あの~少し宜しいでしょうか?」
「「「あ゛?」」」
3人から睨まれた。いや、どっちかっていうと殺気かも。
「テメェ、誰だ?関係ねぇ奴は引っ込んでろ。」
「生憎、取り込み中だ。見て分からないか?」
「後でボコってやるから、そこで待ってろ。」
殺意と共に凄いヘイトも受けている。だが、構わず続ける。
「いえ、(スッ)ちょっとこれについて質問が……」
「「「っ!」」」
「……!」
ロケットを取り出すと、3人は目の色を変えた。
そして、エドワードは明らかな動揺を見せた。
「(バッ)かせ!」
「えっ?ちょっと…」
「黙れ(ドンッ)」
「うぁっ…(ドテッ)」
大柄の男子にロケットを掻っ攫われ、突き飛ばされた。乱暴な奴だな。
「おい、どうだ?」
「(ジィィ)………間違いねぇ。聖国の刻印だ。」
聖国?確か、東方領の向こうにある国だよな?
「とにかく、これでほぼ確定だな。」
「案外チョロかったな。」
「じゃあ、さっさと連れてくか。」
「ちょっと待て。」
「「「あ゛?」」」
再び殺意を向けられた。
「お前、何か様か?」
「まさか、俺たちに逆らうつもりじゃないよな?」
「だとしたら、覚悟は出来てんだろうな?(コキコキ)」
「いや、そいつの持ち主に用があって……」
「生憎だな。こいつには先約がある。」
「ここじゃ何だし屋敷に連れてく。」
「邪魔するんなら、殺すぞ?」
「いや、勝手にすれば良いだろ?私が用があるのはそいつじゃない。」
「「「……は?」」」
素っ頓狂な返事が返って来た。
「言ってる意味がわからんぞ?」
「こいつに用があるんじゃないのか?」
「頭はまともか?なんだったら、叩いて直してやるよ。」
「……さっきから、何を言ってんだ?私が用があるのは、さっきすれ違った時にそいつを落としてった奴だよ。」
「「「……は?」」」
どうやら、彼らはこれの持ち主を探してるようだ。だから、こう言ってやろう。
「(パッ)おい(グィッ)……どういう事だ?」
エドワードを掴んでた手で胸ぐらを掴まれた。
「話さねぇとただじゃおかないぞ?」
「それとも、数発殴られてから喋るか?」
「もう一度聞く。どういう事だ?」
よしよし、掛かったな。
「だから、今さっきすれ違った奴が落としてったんだよ!ったく、盛大にぶつかられた挙句何も言わずに走って行きやがった。挙句、落とし物を届けに来たらこうして胸ぐらまで掴まれるなんてな!なんて日だ!!」
「なんだと!?」
「そいつは何処行きやがった!!」
「さっさと吐きやがれ!!」
「知るか!こっちはそれが聞きたくてこれを持って来たんだよ!!ここの職員じゃないのか?」
「「「………」」」
3人は沈黙した。
「おい、どうすんだ!?完全に人違いな上に逃げられちまったじゃねぇか!!」
「うるせぇ!お前が言い出したんだろ!?こいつで違いないって!!」
「お前だって賛同してたじゃねぇか!」
「おい、争ってる場合じゃ無いだろ!!さっさと追わないと……」
「「黙れ!!仕切んじゃねぇ!!」」
「あ゛っ!?何だと!!?」
今度は口論を始めた。
「おい、あんたら!あいつを探してんだろ?だったら代わりに一言文句を言ってくれ!!」
「っ!くそ!!まだ遠くに行っちゃいねぇ筈だ!追うぞ!!」
「「おう!」」
「(スッ)おい!見つけたらちゃんといてこましてくれよぉ!!」
「「「(バタバタバタバタッ)」」」
聞いちゃいないか。つくづく身勝手な連中だな。真実を明かす義務も無いな。
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