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2章-2節.ヘルデス家の争続に巻き込まれた私は…
4.仕方なく暗号を解きました。
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まず、現在の立ち位置について整理しよう。
自惚れ抜きにして、現時点での連中から見た私の位置付けはかなり重要と言えるだろう。
さっきの男からすれば、暗号を解いてくれるかもしれない可能性だし、私が門前払いされた事実を知らない連中からすれば、ずっと行方を眩ませていた重要参考人ということになる。
テルマだって、徒弟(?)連中からは未だに指名手配中だろう。
ましてや、ここは相手の領域。逃げ切るのがそう簡単でないことくらい分かっている。
次に、立地。
この応接室は、玄関を入った真正面にある。逆に言えば、応接室を出て直ぐに玄関があるという事。
当然、玄関には見張りが居て、簡単に突破出来たりはしないだろうし、そういう事を想定して通常より多めに配置しているかもしれない。
正面突破は困難だ。なら……上階への道ならどうだろう。
屋敷に入った時に、上の階に繋がる階段の位置は把握した。
この屋敷は、ちょうど人通りの多い大通りにも面しているし、その大通りからいくつもの窓が見えた。その窓のどれかからテルマを背負って飛び降りて、後は屋敷まで駆け抜ければ良い。
そうなると、逃走計画はこうなる。
まず、応接室を出る。扉が施錠されてたら破る。見張りがいたら気絶させる。
次に上階への階段を登り、外から見えた窓付きの部屋に入る。出来る事なら、なるべく上の階の方が良いな。
そして、テルマを背負って窓から飛び降りる。テルマも、あの速度に慣れたみたいだし充分に可能だろう。
後は、人混みに紛れる様にして屋敷まで駆け抜ければ良い。
けど、そうなると窓を出る直前で覆面か何かで顔を隠した方が良いな。
あと、相手を撹乱させる為にスラム街の方面に一度向かった方が良いかもしれない。
そして、屋敷に着いたらほとぼりが冷めるまで篭る。
我ながら、無茶苦茶な計画だという事はわかっている。だが、無茶苦茶な計画だからこそ意味がある。
無茶苦茶だからこそ相手の意表を突けるし、こんな無茶苦茶な事をする奴を頼ろうなんて、考えなくなるかもしれない。少なくとも、私なら追ってまで暗号を解かせようと考えないな。
何より、『窓から飛び降りて逃げる』なんて非常識な行動が目撃されたとしても、世間的には世迷言として受け取られて終わるか、珍事として囁かれるのがせいぜいだろう。
そうと決まったら、テルマに相談をして早速決行………
「………」
「どうした?テルマ。」
テルマは暗号の書かれた紙を凝視していた。
「あっ……いや、一応解けないもんかと思ってな。」
「解けない事もないよ。」
「えっ……?」
「多分これ、換字式暗号だと思う。文字をずらして暗号にしてるんだと思う。」
でも、多分これシーザー暗号の類だろう。
「けど、殆ど当てずっぽうになるから物凄く時間が掛かるよ。」
「掛かるって……どれくらい?」
「えっと……数千年かけても、多分解けないと思う。」
「……は?」
「いや、だってこの暗号文36文字もあるじゃん。単純に総当たりだと26を36回掛け合わせる事になるんだよ。」
「えっ…は………?」
もしそのパターンを1秒毎に全部確かめたとしたら、ざっくり6×10^44年……数千年とかじゃ足りないくらい長い時間が必要だ。
それこそ、前世のコンピュータ並みの頭脳を持った天才でもいなければ到底不可能だろう。
「……すまん。よくわからないんだが、もっと他の方法は無いのか?」
「まぁ、1番手っ取り早いのは『コード』を見つける事だな。」
「コード?」
「ざっくり言うと、暗号を解く鍵みたいなものだ。けど、何処にあるのかもさっぱり……鍵?」
遺産……鍵を握る……価値がわからない……
「あっ…鍵ってそういう……」
「え……っと…どうした?」
「テルマ、紙と…」
「(スッ)はいよ、紙とペン。」
「…ありがとう。」
もし、予想が合っているとすれば……
「(カリカリカリカリ)………あれ?」
所々読めないな。……まさか
「(カリカリカリカリ)………なるほど。」
スペースも文字数に含めるのか。
「(カッ)……よし、こんなもんか?」
「……解けたのか?」
「まぁ……一応文章になったな。」
えっと、この文によるとこの部屋の事を指しているよな。
……て事は、この辺に……これか?
「(ガコッ)」
探るとそれらしく突き出たレンガがあったので押してみた。
《カンカカカカカッ》
すると、何かのカラクリが動く音がした。
《ドォォォン………》
静まりかえり、土煙の中から現れたそれは……
「地下への……通路?」
地下へと続く石階段の様だった。
「………マジか。」
どうやら、暗号を解いてしまった様だ。
自惚れ抜きにして、現時点での連中から見た私の位置付けはかなり重要と言えるだろう。
さっきの男からすれば、暗号を解いてくれるかもしれない可能性だし、私が門前払いされた事実を知らない連中からすれば、ずっと行方を眩ませていた重要参考人ということになる。
テルマだって、徒弟(?)連中からは未だに指名手配中だろう。
ましてや、ここは相手の領域。逃げ切るのがそう簡単でないことくらい分かっている。
次に、立地。
この応接室は、玄関を入った真正面にある。逆に言えば、応接室を出て直ぐに玄関があるという事。
当然、玄関には見張りが居て、簡単に突破出来たりはしないだろうし、そういう事を想定して通常より多めに配置しているかもしれない。
正面突破は困難だ。なら……上階への道ならどうだろう。
屋敷に入った時に、上の階に繋がる階段の位置は把握した。
この屋敷は、ちょうど人通りの多い大通りにも面しているし、その大通りからいくつもの窓が見えた。その窓のどれかからテルマを背負って飛び降りて、後は屋敷まで駆け抜ければ良い。
そうなると、逃走計画はこうなる。
まず、応接室を出る。扉が施錠されてたら破る。見張りがいたら気絶させる。
次に上階への階段を登り、外から見えた窓付きの部屋に入る。出来る事なら、なるべく上の階の方が良いな。
そして、テルマを背負って窓から飛び降りる。テルマも、あの速度に慣れたみたいだし充分に可能だろう。
後は、人混みに紛れる様にして屋敷まで駆け抜ければ良い。
けど、そうなると窓を出る直前で覆面か何かで顔を隠した方が良いな。
あと、相手を撹乱させる為にスラム街の方面に一度向かった方が良いかもしれない。
そして、屋敷に着いたらほとぼりが冷めるまで篭る。
我ながら、無茶苦茶な計画だという事はわかっている。だが、無茶苦茶な計画だからこそ意味がある。
無茶苦茶だからこそ相手の意表を突けるし、こんな無茶苦茶な事をする奴を頼ろうなんて、考えなくなるかもしれない。少なくとも、私なら追ってまで暗号を解かせようと考えないな。
何より、『窓から飛び降りて逃げる』なんて非常識な行動が目撃されたとしても、世間的には世迷言として受け取られて終わるか、珍事として囁かれるのがせいぜいだろう。
そうと決まったら、テルマに相談をして早速決行………
「………」
「どうした?テルマ。」
テルマは暗号の書かれた紙を凝視していた。
「あっ……いや、一応解けないもんかと思ってな。」
「解けない事もないよ。」
「えっ……?」
「多分これ、換字式暗号だと思う。文字をずらして暗号にしてるんだと思う。」
でも、多分これシーザー暗号の類だろう。
「けど、殆ど当てずっぽうになるから物凄く時間が掛かるよ。」
「掛かるって……どれくらい?」
「えっと……数千年かけても、多分解けないと思う。」
「……は?」
「いや、だってこの暗号文36文字もあるじゃん。単純に総当たりだと26を36回掛け合わせる事になるんだよ。」
「えっ…は………?」
もしそのパターンを1秒毎に全部確かめたとしたら、ざっくり6×10^44年……数千年とかじゃ足りないくらい長い時間が必要だ。
それこそ、前世のコンピュータ並みの頭脳を持った天才でもいなければ到底不可能だろう。
「……すまん。よくわからないんだが、もっと他の方法は無いのか?」
「まぁ、1番手っ取り早いのは『コード』を見つける事だな。」
「コード?」
「ざっくり言うと、暗号を解く鍵みたいなものだ。けど、何処にあるのかもさっぱり……鍵?」
遺産……鍵を握る……価値がわからない……
「あっ…鍵ってそういう……」
「え……っと…どうした?」
「テルマ、紙と…」
「(スッ)はいよ、紙とペン。」
「…ありがとう。」
もし、予想が合っているとすれば……
「(カリカリカリカリ)………あれ?」
所々読めないな。……まさか
「(カリカリカリカリ)………なるほど。」
スペースも文字数に含めるのか。
「(カッ)……よし、こんなもんか?」
「……解けたのか?」
「まぁ……一応文章になったな。」
えっと、この文によるとこの部屋の事を指しているよな。
……て事は、この辺に……これか?
「(ガコッ)」
探るとそれらしく突き出たレンガがあったので押してみた。
《カンカカカカカッ》
すると、何かのカラクリが動く音がした。
《ドォォォン………》
静まりかえり、土煙の中から現れたそれは……
「地下への……通路?」
地下へと続く石階段の様だった。
「………マジか。」
どうやら、暗号を解いてしまった様だ。
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