薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜

鮒捌ケコラ

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2章-2節.ヘルデス家の争続に巻き込まれた私は…

27.エンカウントしました。

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「あれ?知ってるの?」
「知ってるも何も……」
「てか、お前こそ何でテルマと…?」
「用事先でトラブルに巻き込まれた所を助けてもらったんだよ。そういうそっちは?」

 まぁ、良い。今すべき選択は逃亡か、それとも戦闘か。相手の出方次第で……

「「「すまんかった!!!」」」
「「……へ??」」
「え………?」

 これは予想外だな。一体どういう事だ?

「ど…どうしたの?3人とも…」
「いや…実は……」
「俺ら、そこのテルマを探す依頼クエスト受けて……」
「昨日……街中を、散々追いかけ回したんだ。」
「え!?……嘘…」
「いいや、本当だ。他にも大勢いたが、その中にこいつらも確かに居た。」
「私も見た。間違いないよ。」

 まさか、こんな形で再開するとはな。

 さしずめ、昨日のチェイスで力量差を知ったから先手を取って弁明を始めたって所か?

「……で?オルブはと、どういう関係なんだ?場合によっちゃ……」
「友人です。(ガシッ)お願いです。彼らを殺さないでください。」
「いや…オルブ……」

 何でそういう話になるんだよ。やめてくれ。そんな物騒なイメージを抱かないでくれ。

「待て!!俺らはもうそんな依頼クエスト受けてねぇ!!」
「言い訳になるかもだが、聞いてた話と違ってたんだ!」
「俺ら、テルマが屋敷の金を持ち逃げした盗人って聞かされてて……」

 ほら、オルブがあんな事言うから怯えて命乞いを初めちゃったじゃん。

 冒険者は原則として自己責任だ。その上、出される依頼クエストの種類は多岐にわたり、中には犯罪に関わる様なものも含まれている。その為、依頼内容の良し悪しも含めた様々な審美眼が求められる。

 要するに、一度依頼クエストを受注してしまえば犯罪の片棒をつかまされたとしても、『知らなかった』では済まされない。相応の罰を受ける事となる。

 しかも、私には今しがたを吐いた事が分かってしまった。

 だから、やめてくれよ。命乞いなんて、見苦しいだけだ。

「「「だから頼む!!」」」

 許してくれってか?……まぁ、テルマ次第だな。当事者のテルマが許すかどうかだ。

 まぁ、あまりふざけた事を言う様ならテルマの答えを待つまでもなく……

「「「オルブには、手を出さないでくれ!!」」」
「「「……へ?」」」

 予想外の発言に、私もテルマもオルブも、拍子の抜けた声が出た。

「今回の件、マジでオルブと俺たちは無関係なんだ!!」
「悪いのは、騙されて依頼を受けた俺らだ!!」
「俺らはどんな責苦でも受け入れる!!だ、だからっ!!…だ……だから……」
「ちょ…ちょっと!何言ってんの!?」
「オルブ、本当にすまん。」
「俺らが報酬に目が眩んであんな依頼クエストを受注しちまったばかりに……」
「しかも、お前の恩人を……」
「けど、依頼クエストを受けたのは事実だ。ちゃんと俺らはその罪を償わなきゃならん。」
「でもっ!………でも…………」
「………」

 さっきまでヘルデス邸我欲の掃溜めに居たせいか、荒んでたかもしれない。心と審美眼。

 誠意と善意による寒暖差で風邪を引きそうだ。

「よし、許す!」
「「「「「っ…………へ?」」」」」
「俺はこれ以上お前らの罪を咎めない。当然、オルブを咎めることもない。そもそも、オルブは俺らにとっても恩人だ。間違っても手をあげたりなんてしないから心配すんなよ。」
「ほっ……本当か!?」
「あぁ、本当だ。」
「おいテルマ、良いのか?」
「流石に、さっきの懇願を見て無情に沙汰を下すほど外道じゃねぇよ。」
「テルマ………」

 まぁ、こいつが咎めないってのに私が口を挟むのはお門違いだよな。とにかく、これでようやく話が丸く治まる………

「けど、何で嘘を吐いたんだ?」
「「「……は?…嘘?」」」
「………テルマ?」

 前言撤回。若干雲行きが怪しくなって来た。
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