薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜

鮒捌ケコラ

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2章-2節.ヘルデス家の争続に巻き込まれた私は…

37.テルマの質問に答えます。

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「じゃ、そろそろ俺の質問、良いか?」
「…さっきのがそうじゃ無かったのか?」
とは別に質問があるんだよ。良いか?」
「……何だ?」

 この流れで、さっきの話を蒸し返してくる事はないだろう。

 もし仮に、蒸し返すつもりなら一蹴する。 物理的に。

「お前、料理がかなり上手いが何処で習ったんだ?」

 あぁ、そっちね。まぁ、それくらいなら答えてやろう。いや、それにしても……

「………大分、話を戻したな。」
「というか、思えば食事の話から大分逸れましたね。」
「まぁ、話の脱線は雑談あるあるだな。」
「いいから教えてくれ。どこで学んだんだ?」
「あーえっと……故郷で少しな。これでも一応森番してたから、森の魔獣食材とかを色々料理してたんだよ。」
「どういうのが居たんだ?」
「色々居たぞ。山猪マウントボア大熊ヘビーグリズリー白鹿スノーディアー森蛇フォレストタイパン陸蛙グランドフロッグetc……そういえば、鋼蜥蜴メタルリザードも居たな。鉱山に住み着いてた一匹だけだったけど。」
「そりゃそうですよ。鋼蜥蜴メタルリザードなんて市場では滅多に見かけない激レアな魔物ですからね。」
「……そうなのか?」
「えぇ、確実な捕獲方法や討伐方法が無いので出会ったら逃げるか追い払うしかありませんし、そもそも個体数が非常に少ないので遭遇する事自体が稀なんです。実際、あまりの稀少さにメタルリザードと遭遇して逃げ切れたってだけで豪運を語る武勇伝になるくらいですから。正直、あんなに沢山いて肝を冷やしましたよ。」
「へぇ……そうなんだ。」

 本当は、その上位種の聖銀蜥蜴ミスリルリザードだったんだけど……敢えて言う必要もないよな?

「そうなると、今日の俺たちは相当な幸運ってことになるのか。」
「幸運どころじゃないですよ。あの迷宮ダンジョンがまだ未登録だったなら、その情報だけで金貨数枚ものですし…」
「てなると、迷宮ダンジョンそのものが爺さんの遺産の目眩しって事になるのか?」
「かもしれませんね。例のにしても、鉄鉱石としての価値はありますし、充分に考えられると思います。」

 確かに、そういう考え方も出来る。

「……てなると、は何処行っちまったんだろうなぁ?」

 正直な所、が不可解なままだ。

 例の遺書の暗号についても、無関係なものやまだ解いてない暗号もあり、まるで本来の狙いから遠ざける為の目眩しの様だった。

 しかし、ヘルデス邸を後にした今となっては、どうにもならない。

 結局のところ、マサールさんの遺産については分からず終いだな。

「ところでアレク?遺産の事、本当になにも知らないのか?」
「唐突だな。その根拠はどこから出てくるんだ?」
「もし俺が爺さんなら、お前に譲渡するからだ。」
「激しく同意です。」
「……いやいや、だからって私とは限らないだろ。」
「いいや、あの今際の言葉には明らかにお前に遺産を送りたいって意図があった。お前、本当に爺さんから鍵を受け取ってないのか?」
「してないよ。そもそも、あの日は門前払いされたんだから受け取りようが無いって。」
「とか言って、本当はあの日爺さんに会いに行ってたんだろ?爺さんの部屋は人目に付かない中庭の木の側だ。あそこなら、木を登って窓から入れる。お前なら侵入は容易い筈だ。まさか、ロープ無しで崩落場所に飛び降りる様な奴が、出来ないとは言わないよなぁ?」
「もちろん出来るよ。それくらい容易い事だ。だけど、出来る能力があるからってやった証拠にはならないだろ?そもそも、私がその日にヘルデスさんと会った証拠でもあるのか?」
「あるぞ。(ピラッ)このメモだ。」

 テルマが取り出したは、あの日私がマサールさんに手渡したメモだった。

 ここでシラを切ることも出来るが…さて、どうするか。

「メモ?何のメモですか?」
「さぁな。爺さんからは『アレクから貰った大事なもの』としか聞いてないから詳しくは知らねぇなぁ。」

 あぁ、ダメだわこれ。完全に詰んでる。

 つーかそういう事は最初に言えよ。
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