100 / 191
2章-2節.ヘルデス家の争続に巻き込まれた私は…
37.テルマの質問に答えます。
しおりを挟む「じゃ、そろそろ俺の質問、良いか?」
「…さっきのがそうじゃ無かったのか?」
「それとは別に質問があるんだよ。良いか?」
「……何だ?」
この流れで、さっきの話を蒸し返してくる事はないだろう。
もし仮に、蒸し返すつもりなら一蹴する。 物理的に。
「お前、料理がかなり上手いが何処で習ったんだ?」
あぁ、そっちね。まぁ、それくらいなら答えてやろう。いや、それにしても……
「………大分、話を戻したな。」
「というか、思えば食事の話から大分逸れましたね。」
「まぁ、話の脱線は雑談あるあるだな。」
「いいから教えてくれ。どこで学んだんだ?」
「あーえっと……故郷で少しな。これでも一応森番してたから、森の魔獣とかを色々料理してたんだよ。」
「どういうのが居たんだ?」
「色々居たぞ。山猪、大熊、白鹿、森蛇、陸蛙etc……そういえば、鋼蜥蜴も居たな。鉱山に住み着いてた一匹だけだったけど。」
「そりゃそうですよ。鋼蜥蜴なんて市場では滅多に見かけない激レアな魔物ですからね。」
「……そうなのか?」
「えぇ、確実な捕獲方法や討伐方法が無いので出会ったら逃げるか追い払うしかありませんし、そもそも個体数が非常に少ないので遭遇する事自体が稀なんです。実際、あまりの稀少さにメタルリザードと遭遇して逃げ切れたってだけで豪運を語る武勇伝になるくらいですから。正直、あんなに沢山いて肝を冷やしましたよ。」
「へぇ……そうなんだ。」
本当は、その上位種の聖銀蜥蜴だったんだけど……敢えて言う必要もないよな?
「そうなると、今日の俺たちは相当な幸運ってことになるのか。」
「幸運どころじゃないですよ。あの迷宮がまだ未登録だったなら、その情報だけで金貨数枚ものですし…」
「てなると、あの迷宮そのものが爺さんの遺産の目眩しって事になるのか?」
「かもしれませんね。例の愚者の金にしても、鉄鉱石としての価値はありますし、充分に考えられると思います。」
確かに、そういう考え方も出来る。
「……てなると、本物の遺産は何処行っちまったんだろうなぁ?」
正直な所、そこが不可解なままだ。
例の遺書の暗号についても、無関係なものやまだ解いてない暗号もあり、まるで本来の狙いから遠ざける為の目眩しの様だった。
しかし、ヘルデス邸を後にした今となっては、どうにもならない。
結局のところ、マサールさんの遺産については分からず終いだな。
「ところでアレク?遺産の事、本当になにも知らないのか?」
「唐突だな。その根拠はどこから出てくるんだ?」
「もし俺が爺さんなら、お前に譲渡するからだ。」
「激しく同意です。」
「……いやいや、だからって私とは限らないだろ。」
「いいや、あの今際の言葉には明らかにお前に遺産を送りたいって意図があった。お前、本当に爺さんから鍵を受け取ってないのか?」
「してないよ。そもそも、あの日は門前払いされたんだから受け取りようが無いって。」
「とか言って、本当はあの日爺さんに会いに行ってたんだろ?爺さんの部屋は人目に付かない中庭の木の側だ。あそこなら、木を登って窓から入れる。お前なら侵入は容易い筈だ。まさか、ロープ無しで崩落場所に飛び降りる様な奴が、出来ないとは言わないよなぁ?」
「もちろん出来るよ。それくらい容易い事だ。だけど、出来る能力があるからってやった証拠にはならないだろ?そもそも、私がその日にヘルデスさんと会った証拠でもあるのか?」
「あるぞ。(ピラッ)このメモだ。」
テルマが取り出したそれは、あの日私がマサールさんに手渡したメモだった。
ここでシラを切ることも出来るが…さて、どうするか。
「メモ?何のメモですか?」
「さぁな。爺さんからは『アレクから貰った大事なもの』としか聞いてないから詳しくは知らねぇなぁ。」
あぁ、ダメだわこれ。完全に詰んでる。
つーかそういう事は最初に言えよ。
10
あなたにおすすめの小説
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
スラム街の幼女、魔導書を拾う。
海夏世もみじ
ファンタジー
スラム街でたくましく生きている六歳の幼女エシラはある日、貴族のゴミ捨て場で一冊の本を拾う。その本は一人たりとも契約できた者はいない伝説の魔導書だったが、彼女はなぜか契約できてしまう。
それからというもの、様々なトラブルに巻き込まれいくうちにみるみる強くなり、スラム街から世界へと羽ばたいて行く。
これは、その魔導書で人々の忘れ物を取り戻してゆき、決して忘れない、忘れられない〝忘れじの魔女〟として生きるための物語。
婚約破棄して廃嫡された馬鹿王子、冒険者になって自由に生きようとするも、何故か元婚約者に追いかけて来られて修羅場です。
平井敦史
ファンタジー
公爵令嬢ヘンリエッタとの婚約破棄を宣言した王太子マルグリスは、父王から廃嫡されてしまう。
マルグリスは王族の身分も捨て去り、相棒のレニーと共に冒険者として生きていこうと決意するが、そんな彼をヘンリエッタが追いかけて来て……!?
素直になれない三人の、ドタバタ冒険ファンタジー。
※「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
50歳元艦長、スキル【酒保】と指揮能力で異世界を生き抜く。残り物の狂犬と天然エルフを拾ったら、現代物資と戦術で最強部隊ができあがりました
月神世一
ファンタジー
「命を捨てて勝つな。生きて勝て」
50歳の元イージス艦長が、ブラックコーヒーと海軍カレー、そして『指揮能力』で異世界を席巻する!
海上自衛隊の艦長だった坂上真一(50歳)は、ある日突然、剣と魔法の異世界へ転移してしまう。
再就職先を求めて人材ギルドへ向かうも、受付嬢に言われた言葉は――
「50歳ですか? シルバー求人はやってないんですよね」
途方に暮れる坂上の前にいたのは、誰からも見放された二人の問題児。
子供の泣き声を聞くと殺戮マシーンと化す「狂犬」龍魔呂。
規格外の魔力を持つが、方向音痴で市場を破壊する「天然」エルフのルナ。
「やれやれ。手のかかる部下を持ったもんだ」
坂上は彼らを拾い、ユニークスキル【酒保(PX)】を発動する。
呼び出すのは、自衛隊の補給物資。
高品質な食料、衛生用品、そして戦場の士気を高めるコーヒーと甘味。
魔法は使えない。だが、現代の戦術と無限の補給があれば負けはない。
これは、熟練の指揮官が「残り物」たちを最強の部隊へと育て上げ、美味しいご飯を食べるだけの、大人の冒険譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる