163 / 178
第4章 ゼンパンの素質とウィークリーガチャ
第163話 魔法学園留学~2か月〜マリア
しおりを挟む
『マリアー早く行くんだぞーー』
前を歩くフェンリルのリルの後をゆっくりと歩いて行くマリア。この2か月、マリアの行動は決まっていた。朝起きてラッキーとシルフィード、リルと共に学園に向かう。学園に着くとそれぞれが別行動になる。ラッキー、シルフィードと別れた後、向かうは治療室だ。リルと共に治療室へと向かった。
聖女の素質を持つマリアは治癒魔法が得意だ。学園内ではやはり四大属性の魔法が一番人気な為、他の魔法と比べると治癒魔法の習得が難しいというのもあり、治癒魔法を学ぶ者は少なかった。そんな中に聖女の素質を持ち見た目も綺麗なマリアは一気に有名になった。
マリア自身が治癒魔法の練度を高めたいという事で治療室での研修を希望した時、利用者が一気に増えたのだ。もちろん模擬戦や授業でケガをする事も多々あるので、治療室を使う学生は元々少なくなかった。だが、マリアが治療室で治療するようになってからはその数が数倍に増えていた。なので、マリアは授業が始まる前にまずは治療室へ行く事が日々のルーティンになっていた。
リルが率先してマリアの前を歩いているのも意味がある。治療をするマリアは主に男性生徒から人気があり、一緒にいるリルは女性生徒から人気があるのだ。大人しくモフモフされるだけでお菓子や肉をたくさんもらえる為、今日も早く早くとマリアを急かして移動しているのだった。
治療室の前では、マリアとリルを待つ行列ができていた。
「今日もすごい行列ね。」
『みんな待ってるんだぞー。マリア急ぐんだぞー』
マリアは、治療室に入って早速治療を開始した。
「マリア様。手をケガしてしまいました。治療してください。」
「はい。わかりました。ヒール。」
「マリア様。転んで頭を打ってしまいました。治療してください。」
「はい。わかりました。ヒール。」
「マリア様。なんか気分がすぐれません。ヒールしてほしいです。」
「はい。わかりました。ヒール。」
そうしてマリアの元には、本当にケガをしたのか怪しい人も含めて多くの学生が押しかけていた。そしてそのそばではモフモフされながら餌付けされているリルの姿があった。
「はいは~い。マリアさんは授業があるから次からは私が治療するよーーー。こっちに並んでーー。」
元々いる治療院の先生が声を掛けると、マリアの元に並んでいる学生達は一斉に部屋から出て行った。
「はーーー。アンタ達は・・・」
治療というよりもマリアに会いたい。マリアにヒールを駆けてもらいたい学生達はマリアが授業に行くと知ると一目散に治療室から離れて行った。
「先生・・・今日もすいません。」
「マリアさんが謝る事じゃないわ。あのバカ達が悪いのよ。でもよかったの?鬱陶しかったら言ってよ。」
「大丈夫です。魔法の練習にもなりますから。」
「そう言ってくれると助かるよ。バカばっかりで本当困ったもんだよ。」
(たしかに先生の言うように、どう考えても私目当てで来てるのがわかる。だけど毎日これだけ治癒魔法を使える機会なんてそう訪れない。利用してるみたいで気が引けるけどラッキー様の為、私は私の目的がある。うまく利用させてもらうわ。)
マリアは、朝の治療の時間が終われば、授業を受ける。もちろんリルも一緒だ。授業は治癒魔法の知識を深める授業だ。人体の構造や回復魔法の種類。状態異常の種類に人体への影響など、知っていると知らないとでは効果が変わってくるため、そのあたりの知識を勉強している。
この留学期間中のマリアの目標は、ラッキーとシルフィード、リルに何があっても回復するというモノだ。たとえ足や手が欠損しようが、石化や麻痺に侵されようが、さすがに蘇生は難しいが死ぬような状態にならないように、回復できるだけの技と魔力を身につける事だ。
学園に留学してからマリアの治癒魔法の種類は順調に増えていた。だが、回復だけではラッキーとシルフィードについていけない事はマリアにもわかっていた。二人がケガをしなければ役目がないからだ。攻撃魔法やバフ、デバフなどの補助魔法、魔法以外の手段など、治癒魔法が順調な今、今後の方向性をどうするか模索している最中だった。
(ラッキー様とシルフィーとパーティを組む事を考えれば今の私が武器を持って攻撃を担当するのはありえないですね。どうがんばってるラッキー様にはかなわないし、リルちゃんもいる。かと言って攻撃魔法はシルフィーには及びません。牽制にしかならない魔法を覚えるよりもバフ、デバフの補助魔法を覚えていく方が仲間の為になりますね。何度も考えましたが結局、それに落ち着きそうですね。
リルをモフモフしながら、残り1カ月間、ラッキーやシルフィードに負けない様に自分の得意分野、ラッキーやシルフィードにできない部分をしっかりと極めて、守られる存在ではなく、二人の隣で一緒に戦えるようにマリアは今日も授業の後、治療室で黙々と訪れる学生に治癒魔法をかけていくのだった。
前を歩くフェンリルのリルの後をゆっくりと歩いて行くマリア。この2か月、マリアの行動は決まっていた。朝起きてラッキーとシルフィード、リルと共に学園に向かう。学園に着くとそれぞれが別行動になる。ラッキー、シルフィードと別れた後、向かうは治療室だ。リルと共に治療室へと向かった。
聖女の素質を持つマリアは治癒魔法が得意だ。学園内ではやはり四大属性の魔法が一番人気な為、他の魔法と比べると治癒魔法の習得が難しいというのもあり、治癒魔法を学ぶ者は少なかった。そんな中に聖女の素質を持ち見た目も綺麗なマリアは一気に有名になった。
マリア自身が治癒魔法の練度を高めたいという事で治療室での研修を希望した時、利用者が一気に増えたのだ。もちろん模擬戦や授業でケガをする事も多々あるので、治療室を使う学生は元々少なくなかった。だが、マリアが治療室で治療するようになってからはその数が数倍に増えていた。なので、マリアは授業が始まる前にまずは治療室へ行く事が日々のルーティンになっていた。
リルが率先してマリアの前を歩いているのも意味がある。治療をするマリアは主に男性生徒から人気があり、一緒にいるリルは女性生徒から人気があるのだ。大人しくモフモフされるだけでお菓子や肉をたくさんもらえる為、今日も早く早くとマリアを急かして移動しているのだった。
治療室の前では、マリアとリルを待つ行列ができていた。
「今日もすごい行列ね。」
『みんな待ってるんだぞー。マリア急ぐんだぞー』
マリアは、治療室に入って早速治療を開始した。
「マリア様。手をケガしてしまいました。治療してください。」
「はい。わかりました。ヒール。」
「マリア様。転んで頭を打ってしまいました。治療してください。」
「はい。わかりました。ヒール。」
「マリア様。なんか気分がすぐれません。ヒールしてほしいです。」
「はい。わかりました。ヒール。」
そうしてマリアの元には、本当にケガをしたのか怪しい人も含めて多くの学生が押しかけていた。そしてそのそばではモフモフされながら餌付けされているリルの姿があった。
「はいは~い。マリアさんは授業があるから次からは私が治療するよーーー。こっちに並んでーー。」
元々いる治療院の先生が声を掛けると、マリアの元に並んでいる学生達は一斉に部屋から出て行った。
「はーーー。アンタ達は・・・」
治療というよりもマリアに会いたい。マリアにヒールを駆けてもらいたい学生達はマリアが授業に行くと知ると一目散に治療室から離れて行った。
「先生・・・今日もすいません。」
「マリアさんが謝る事じゃないわ。あのバカ達が悪いのよ。でもよかったの?鬱陶しかったら言ってよ。」
「大丈夫です。魔法の練習にもなりますから。」
「そう言ってくれると助かるよ。バカばっかりで本当困ったもんだよ。」
(たしかに先生の言うように、どう考えても私目当てで来てるのがわかる。だけど毎日これだけ治癒魔法を使える機会なんてそう訪れない。利用してるみたいで気が引けるけどラッキー様の為、私は私の目的がある。うまく利用させてもらうわ。)
マリアは、朝の治療の時間が終われば、授業を受ける。もちろんリルも一緒だ。授業は治癒魔法の知識を深める授業だ。人体の構造や回復魔法の種類。状態異常の種類に人体への影響など、知っていると知らないとでは効果が変わってくるため、そのあたりの知識を勉強している。
この留学期間中のマリアの目標は、ラッキーとシルフィード、リルに何があっても回復するというモノだ。たとえ足や手が欠損しようが、石化や麻痺に侵されようが、さすがに蘇生は難しいが死ぬような状態にならないように、回復できるだけの技と魔力を身につける事だ。
学園に留学してからマリアの治癒魔法の種類は順調に増えていた。だが、回復だけではラッキーとシルフィードについていけない事はマリアにもわかっていた。二人がケガをしなければ役目がないからだ。攻撃魔法やバフ、デバフなどの補助魔法、魔法以外の手段など、治癒魔法が順調な今、今後の方向性をどうするか模索している最中だった。
(ラッキー様とシルフィーとパーティを組む事を考えれば今の私が武器を持って攻撃を担当するのはありえないですね。どうがんばってるラッキー様にはかなわないし、リルちゃんもいる。かと言って攻撃魔法はシルフィーには及びません。牽制にしかならない魔法を覚えるよりもバフ、デバフの補助魔法を覚えていく方が仲間の為になりますね。何度も考えましたが結局、それに落ち着きそうですね。
リルをモフモフしながら、残り1カ月間、ラッキーやシルフィードに負けない様に自分の得意分野、ラッキーやシルフィードにできない部分をしっかりと極めて、守られる存在ではなく、二人の隣で一緒に戦えるようにマリアは今日も授業の後、治療室で黙々と訪れる学生に治癒魔法をかけていくのだった。
7
あなたにおすすめの小説
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる