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ガブリエーレ・グラオ
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「承りました。婚約破棄、いたしましょう。」
「・・・は?へ?」
笑ったガブリエーレに対し、アランはぽかんと口を開けた。ガブリエーレが何を言ったのか理解できなかったのだ。
「書類はこちらで用意いたしましょう。」ガブリエーレがす、と視線をパーティー会場の入り口に向ける。軽くうなずき足早に退場した女性はおそらく公爵家の関係者なのだろう。
「・・・まだ現実が理解できていないのか!僕はお前に婚約破棄をするといったのだ!脳みそを動かして僕の言ったことをちゃんと考えろ!」
呆けていたアランが急に叫ぶ。寄り添うローザをさらに強く抱き寄せる。
「ガブリエーレ!お前はここにいるローザを虐めた!それだけで婚約破棄をされるには十分だが、お前はさらに僕の功績を自分のものにした!これは国外追放もあり得るぞ!現実を直視して覚悟をしろ!」
「現実が見えていないのはアラン様の方なのでは?」
エメラインが再びつぶやきこれ以上面倒ごとが増えないようにサンティナにそっと口をふさがれた。
「書類が用意できたようですわ。立会人も必要でしょうし、あとは別室で話し合いをいたしませんか?」
入口の方を見ていたガブリエーレはアランの方に視線を戻す。
「しかし私がアラン王子の功績を自分のものにした。というのは初耳ですわね。どこから来た話なのか伺ってもよろしいですか?」
「何を白々しく。僕が生徒会長として仕事をしても評価されるのはお前だけ。僕のした仕事をお前が自分のしたことだと吹聴しているからに決まっているだろう!」
「・・・アラン様がなさった生徒会長としての仕事、ですか。何をなさっていたおつもりですか?」
「入学式のスピーチやパーティーでの開会の挨拶、生徒会長として必要な仕事は全部僕がやっていただろう。人前でやる仕事は全部僕がやっていたのに、なぜおまえの評判が上がるのだ!」
「スピーチも挨拶もアラン殿下は原稿を読み上げるだけで、その原稿を書いたのは私だったのですが、覚えてはいらっしゃらないようですね」
ガブリエーレがため息をつく。書類はやらない。挨拶も原稿を棒読みで読み上げるだけ。生徒会室に来たこともほとんどなかったくせに。王妃教育と並行して行われた地獄の生徒会業務を知らないくせに、なぜ自分は仕事をしたなどとふんぞり返っているのだろう。
「とりあえず、すべて冤罪のようでなによりです。あとは別室で」
「いや、ここで婚約破棄をするに決まっている。お前は狡猾だからな。時間を置けば誤魔化してくるだろう。僕は誤魔化されないぞ。僕とローザに謝罪をして婚約破棄を受け入れろ!」
「・・・婚約破棄を受け入れると私は何度も言っているでしょう」
うんざりとガブリエーレはため息をついた。そしてアランに対して持っていた多少の慈悲は捨てることにした。
「アラン様は」
「なんだ!」
「アラン殿下といつから呼ばれなくなったのか、覚えておられますか」
「・・・は?」
「・・・は?へ?」
笑ったガブリエーレに対し、アランはぽかんと口を開けた。ガブリエーレが何を言ったのか理解できなかったのだ。
「書類はこちらで用意いたしましょう。」ガブリエーレがす、と視線をパーティー会場の入り口に向ける。軽くうなずき足早に退場した女性はおそらく公爵家の関係者なのだろう。
「・・・まだ現実が理解できていないのか!僕はお前に婚約破棄をするといったのだ!脳みそを動かして僕の言ったことをちゃんと考えろ!」
呆けていたアランが急に叫ぶ。寄り添うローザをさらに強く抱き寄せる。
「ガブリエーレ!お前はここにいるローザを虐めた!それだけで婚約破棄をされるには十分だが、お前はさらに僕の功績を自分のものにした!これは国外追放もあり得るぞ!現実を直視して覚悟をしろ!」
「現実が見えていないのはアラン様の方なのでは?」
エメラインが再びつぶやきこれ以上面倒ごとが増えないようにサンティナにそっと口をふさがれた。
「書類が用意できたようですわ。立会人も必要でしょうし、あとは別室で話し合いをいたしませんか?」
入口の方を見ていたガブリエーレはアランの方に視線を戻す。
「しかし私がアラン王子の功績を自分のものにした。というのは初耳ですわね。どこから来た話なのか伺ってもよろしいですか?」
「何を白々しく。僕が生徒会長として仕事をしても評価されるのはお前だけ。僕のした仕事をお前が自分のしたことだと吹聴しているからに決まっているだろう!」
「・・・アラン様がなさった生徒会長としての仕事、ですか。何をなさっていたおつもりですか?」
「入学式のスピーチやパーティーでの開会の挨拶、生徒会長として必要な仕事は全部僕がやっていただろう。人前でやる仕事は全部僕がやっていたのに、なぜおまえの評判が上がるのだ!」
「スピーチも挨拶もアラン殿下は原稿を読み上げるだけで、その原稿を書いたのは私だったのですが、覚えてはいらっしゃらないようですね」
ガブリエーレがため息をつく。書類はやらない。挨拶も原稿を棒読みで読み上げるだけ。生徒会室に来たこともほとんどなかったくせに。王妃教育と並行して行われた地獄の生徒会業務を知らないくせに、なぜ自分は仕事をしたなどとふんぞり返っているのだろう。
「とりあえず、すべて冤罪のようでなによりです。あとは別室で」
「いや、ここで婚約破棄をするに決まっている。お前は狡猾だからな。時間を置けば誤魔化してくるだろう。僕は誤魔化されないぞ。僕とローザに謝罪をして婚約破棄を受け入れろ!」
「・・・婚約破棄を受け入れると私は何度も言っているでしょう」
うんざりとガブリエーレはため息をついた。そしてアランに対して持っていた多少の慈悲は捨てることにした。
「アラン様は」
「なんだ!」
「アラン殿下といつから呼ばれなくなったのか、覚えておられますか」
「・・・は?」
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