婚約者にざまぁしない話(ざまぁ有り)

しぎ

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エメライン・ブラウン

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「俺が平民に・・・だと?追いつめられたからと言って戯言を」
にやにやと笑うベルンハルトにエメラインは一枚の紙を差し出す。
それはベルンハルトとエメラインの婚約契約書だった。
「これがなんだというんだ」
「よくお読みください。隅々まで。それが嫌だというのなら項目の7番目を見てください」
ベルンハルトは言われたとおりに7番目の項目に目をやる。そこにはこう書いてあった。
『ベルンハルト・スリーズからエメライン・ブラウンに婚約を解消、もしくは破棄を申請した場合、ベルンハルトはエメラインに慰謝料を支払い、廃嫡され平民になるものとする』
ベルンハルトが文章を読み顔をあげるとエメラインがすらすらと読み上げる。周囲にどういうことなのか伝えるために少々大きな声で。
「そういうことです。ベルンハルト様。あなたは私に婚約破棄を宣言しましたね。この契約書の通り、あなたには平民になってもらいます。」
エメラインは顔を上気させ、喜びが抑えられないように微笑みを浮かべていた。
「こんなもの認められるか!俺はこんな文知らないぞ!お前が捏造したんだろう!」
ベルンハルトがエメラインに詰め寄る。契約書を破らんばかりの勢いだった。
「写しですから問題はないですが、紙を破らないように気を付けてください。一応ブラウン伯爵家の所有物ということになりますから」
眉を顰めるエメラインにベルンハルトは歯ぎしりする。ローザがほんの少し後ろに下がったことには気づかなかった。
「この項目は私たちが学園に入学した3年前には記載されていました。あなたは3度この書類にサインしたんですよ」
ベルンハルトはつい先日サインした契約書を思い出す。エメラインと顔を合わせていたくなくて碌に読みもせずにサインをした気がする。だからと言ってこんな横暴が認められるわけがない。
「こんな書類うちが認めるわけがないだろう!俺を廃嫡するための項目など!」
「いいえ、毎年スリーズ侯爵様には読んでもらって署名をいただいていますし、父にも署名をもらっています。両家の当主のサインが入ったものですから。認められないということはないでしょう。
それに。
「今年はそれに加えてスリーズ侯爵家の次期当主様。あなたのお兄様にも署名をいただきました。『どのような事態が起こったとしてもスリーズ侯爵家次期当主の名において
婚約契約書は有効なものとする』という書類に」
父が、兄が自分を廃嫡する種類に署名をしていた。しかも兄はまるで念を押すような書類に。やはり兄とエメラインは結託していたのだ。ベルンハルトをつぶすために共謀していたのだ。
もしかしたらエメラインは自分から兄に乗り換えるつもりなのかもしれない。
何も言わないベルンハルトにエメラインは満面の笑みを向けた。
「私はあなたがずっと大嫌いでした。」


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もう1話、6日の05:00にUPします。
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