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契約書
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「私はあなたのことが婚約してからずっと大嫌いでした。ずっとずっと婚約から逃がしてはくれなかったのに、いざというときには私が悪いということにする。そんなあなたが本当に嫌で嫌で仕方なかった。
だから生半可な終わりは許せなかった。罠を仕込みました。婚約解消なんてそんなものじゃ生ぬるい。私の人生に釣り合わない。あなたには私に慰謝料という形で償いをして、人生を棒に振ってもらいます」
喜びに浸っていたエメラインは気づけなかった。ベルンハルトが憎悪の光を目に宿していることに。
「・・・・エメライン!!」
それに気づいたガブリエーレがとっさに叫ぶ。気づいたエメラインはしかし硬直した。
ベルンハルトが剣を抜きエメラインに飛び掛かる。鍛錬ばかりしてきていたベルンハルトは強い。ドレスを着ているエメラインでは剣のリーチを避けきれない。
「絶対に許さない・・・!」
「あ・・・」
エメラインが小さく口を開く。ベルンハルトの憎しみのこもった視線がエメラインをその場に縫い留める。
エメラインは自分に斬りかかろうとする剣をただ呆然と見ているしかなかった。
そして、自分を背中に庇い振り下ろされる剣を大剣で受け止める男の姿を。
「油断したなぁエメライン?」
男は楽しげな声音で背後のエメラインに話しかける。ベルンハルトの剣を軽々と受け止めながら。
「・・・ザカライア?」
エメラインは呆然とつぶやく。
あり得ない。彼はこの学園にはいないはずだ。それなのに。
男は大剣を振るいベルンハルトを剣ごと吹き飛ばす。床に頭を打ち付けたベルンハルトが意識を失ったのを確認してから男はエメラインに振り向いた。
「そうだよ。お前のザカライアだ。来るのが遅くなって悪かった」
「ザカライア、ザカライア!あなたなの?」
震える手をエメラインは男に伸ばす。ザカライアーかつての婚約者候補であり、現在は辺境伯である男に向けて。
ザカライアは伸ばされた手を握りしめる。
「時間がかかって悪い。やけになって戦場にいたんだ。お前が婚約者にひどい目にあわされていると知って飛んできた。今婚約破棄したんだよな?それなら俺がお前に婚約を申し込んでもいいよな?」
握りしめられた手の温かさに不意にエメラインは涙をこぼす。
「ザカライア。ずっとあなたのことを心の中で思っていたの。もちろん!私と結婚して!」
エメラインは握りしめられた手をほどきザカライアの胸の中に飛び込んだ。
ザカライアがしっかりと抱きしめる。
周囲はおもわず拍手をした。
だから生半可な終わりは許せなかった。罠を仕込みました。婚約解消なんてそんなものじゃ生ぬるい。私の人生に釣り合わない。あなたには私に慰謝料という形で償いをして、人生を棒に振ってもらいます」
喜びに浸っていたエメラインは気づけなかった。ベルンハルトが憎悪の光を目に宿していることに。
「・・・・エメライン!!」
それに気づいたガブリエーレがとっさに叫ぶ。気づいたエメラインはしかし硬直した。
ベルンハルトが剣を抜きエメラインに飛び掛かる。鍛錬ばかりしてきていたベルンハルトは強い。ドレスを着ているエメラインでは剣のリーチを避けきれない。
「絶対に許さない・・・!」
「あ・・・」
エメラインが小さく口を開く。ベルンハルトの憎しみのこもった視線がエメラインをその場に縫い留める。
エメラインは自分に斬りかかろうとする剣をただ呆然と見ているしかなかった。
そして、自分を背中に庇い振り下ろされる剣を大剣で受け止める男の姿を。
「油断したなぁエメライン?」
男は楽しげな声音で背後のエメラインに話しかける。ベルンハルトの剣を軽々と受け止めながら。
「・・・ザカライア?」
エメラインは呆然とつぶやく。
あり得ない。彼はこの学園にはいないはずだ。それなのに。
男は大剣を振るいベルンハルトを剣ごと吹き飛ばす。床に頭を打ち付けたベルンハルトが意識を失ったのを確認してから男はエメラインに振り向いた。
「そうだよ。お前のザカライアだ。来るのが遅くなって悪かった」
「ザカライア、ザカライア!あなたなの?」
震える手をエメラインは男に伸ばす。ザカライアーかつての婚約者候補であり、現在は辺境伯である男に向けて。
ザカライアは伸ばされた手を握りしめる。
「時間がかかって悪い。やけになって戦場にいたんだ。お前が婚約者にひどい目にあわされていると知って飛んできた。今婚約破棄したんだよな?それなら俺がお前に婚約を申し込んでもいいよな?」
握りしめられた手の温かさに不意にエメラインは涙をこぼす。
「ザカライア。ずっとあなたのことを心の中で思っていたの。もちろん!私と結婚して!」
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ザカライアがしっかりと抱きしめる。
周囲はおもわず拍手をした。
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