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ローザ・フクシア
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ローザ・フクシアは男爵家の長女であり、転生者だった。あまり裕福ではない男爵家の娘であるローザはある朝鏡を見てそして気づいた。自分が今までいたのとは全く違う世界にいることに。
何故転生したのかはわからない。ここがどんな世界なのかもわからない。
ただ一つローザが確信したのは。
「あたしヒロインだ!」
ピンク色の髪と瞳、とびぬけてかわいらしい容姿。ローザは自分をこの世界のヒロインなのだと思った。
ローザには乙女ゲームをやっていたという記憶があった。
もしかしたらそのゲームの中に転生してしまったのかもしれない。全く内容は覚えていないのでかもしれない、というだけだが。
自分がヒロインなら攻略対象がいたはずだ。例えば王子とか、貴族の令息とか。
ローザが転生したことに気づいたのは学園に入学する直前だった。
ローザは入学式の後、他の人とは交流せずに攻略対象となりそうな相手を探し回った。
そして見つけたのが王子であるアランと侯爵令息のベルンハルトだった。
彼らには婚約者がいたが、婚約を破棄させてヒロインが攻略対象を手に入れるような、きっとそういうちょっとダーク目なゲームだったのだろうとローザは判断して攻略することにした。
二人を攻略するためにローザはいくつか策を講じた。乙女ゲームでよくある主人公のまっすぐなせりふを吐いて攻略対象の好感度を稼いだ。
悪役令嬢だろう彼らの婚約者たちが自分を虐めてこなかったため嘘を何度も吐いた。彼らが自分を信じ切り婚約者を罵倒する姿に笑みが抑えきれなかった。
二人を攻略してしまうと欲が出た。ハーレムには二人じゃ少ない。最低でも三人ぐらいは必要だ。
攻略対象の定番ならと考えて選んだのが生徒会に所属する子爵令息のコリンだった。立場の低い子爵に興味はなかったが、婚約者の薄紫の令嬢が悔しげに自分を見ることを想像したら胸がスカッとした。
三人のかっこいい令息たちに囲まれてローザは有頂天になった。
このまま王妃になってもいいし侯爵夫人というのも楽しそう。子爵夫人はちょっと勘弁だけど逆ハーエンドなんてのもいいだろう。
だから、こんなことはきっとおかしい。何かのバグだ。もしくは悪夢だ。
卒業パーティの会場でローザは一人立ちすくんでいた。
アランは、今後王太子になることはなく、おそらく廃嫡されるらしい。
ベルンハルトは一撃でのされてしまったし、婚約者を攻撃しようとしたことで今後何らかの咎めがあるだろう。
最後にすがったコリンは今、婚約者の足元にひざまずいている。
こんなおかしな話はない。
ローザの頭にちらりと「ざまぁ」という言葉が浮かんで消えた。
冗談じゃない。断罪されるべきは悪役令嬢達でヒロインがざまぁされるなんて話は絶対にありえない!
「やめてコリン、私が婚約者を無理やりひざまずかせる悪い女みたいじゃない」
サンティナが口をとがらせコリンに手を貸して立ち上がらせる。
コリンは顔をうなだれさせながら謝罪を繰り返している。
「やめてよコリン!なんでそんな女に謝ってるの?あたしを虐めた女なんだよ?コリンも無理やり政略結婚させられるんだからそんな女のこと嫌いでしょ?」
ローザが叫んだ。うつむいていたコリンがふっと顔をあげローザを見る。
サンティナから離れ自分に近づくコリンを見てローザが明るい笑顔を作る。
「ティナ、サンティナを含めた令嬢方が君を虐めていたなんて言う馬鹿げた事実はない。それは僕が保障する。証拠もある」
ローザの顔から笑顔が消し飛んだ。
何故転生したのかはわからない。ここがどんな世界なのかもわからない。
ただ一つローザが確信したのは。
「あたしヒロインだ!」
ピンク色の髪と瞳、とびぬけてかわいらしい容姿。ローザは自分をこの世界のヒロインなのだと思った。
ローザには乙女ゲームをやっていたという記憶があった。
もしかしたらそのゲームの中に転生してしまったのかもしれない。全く内容は覚えていないのでかもしれない、というだけだが。
自分がヒロインなら攻略対象がいたはずだ。例えば王子とか、貴族の令息とか。
ローザが転生したことに気づいたのは学園に入学する直前だった。
ローザは入学式の後、他の人とは交流せずに攻略対象となりそうな相手を探し回った。
そして見つけたのが王子であるアランと侯爵令息のベルンハルトだった。
彼らには婚約者がいたが、婚約を破棄させてヒロインが攻略対象を手に入れるような、きっとそういうちょっとダーク目なゲームだったのだろうとローザは判断して攻略することにした。
二人を攻略するためにローザはいくつか策を講じた。乙女ゲームでよくある主人公のまっすぐなせりふを吐いて攻略対象の好感度を稼いだ。
悪役令嬢だろう彼らの婚約者たちが自分を虐めてこなかったため嘘を何度も吐いた。彼らが自分を信じ切り婚約者を罵倒する姿に笑みが抑えきれなかった。
二人を攻略してしまうと欲が出た。ハーレムには二人じゃ少ない。最低でも三人ぐらいは必要だ。
攻略対象の定番ならと考えて選んだのが生徒会に所属する子爵令息のコリンだった。立場の低い子爵に興味はなかったが、婚約者の薄紫の令嬢が悔しげに自分を見ることを想像したら胸がスカッとした。
三人のかっこいい令息たちに囲まれてローザは有頂天になった。
このまま王妃になってもいいし侯爵夫人というのも楽しそう。子爵夫人はちょっと勘弁だけど逆ハーエンドなんてのもいいだろう。
だから、こんなことはきっとおかしい。何かのバグだ。もしくは悪夢だ。
卒業パーティの会場でローザは一人立ちすくんでいた。
アランは、今後王太子になることはなく、おそらく廃嫡されるらしい。
ベルンハルトは一撃でのされてしまったし、婚約者を攻撃しようとしたことで今後何らかの咎めがあるだろう。
最後にすがったコリンは今、婚約者の足元にひざまずいている。
こんなおかしな話はない。
ローザの頭にちらりと「ざまぁ」という言葉が浮かんで消えた。
冗談じゃない。断罪されるべきは悪役令嬢達でヒロインがざまぁされるなんて話は絶対にありえない!
「やめてコリン、私が婚約者を無理やりひざまずかせる悪い女みたいじゃない」
サンティナが口をとがらせコリンに手を貸して立ち上がらせる。
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「やめてよコリン!なんでそんな女に謝ってるの?あたしを虐めた女なんだよ?コリンも無理やり政略結婚させられるんだからそんな女のこと嫌いでしょ?」
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サンティナから離れ自分に近づくコリンを見てローザが明るい笑顔を作る。
「ティナ、サンティナを含めた令嬢方が君を虐めていたなんて言う馬鹿げた事実はない。それは僕が保障する。証拠もある」
ローザの顔から笑顔が消し飛んだ。
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