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証拠
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コリンは懐からメモ帳を取り出した。
「6月18日、君フクシア男爵令嬢が王子アラン殿下、あー、まぁその、第一王子にグラオ公爵令嬢が君に対して水をかけたと伝えた日、彼女は王宮で王子妃教育を受けていた。
8月22日、君はブラウン伯爵令嬢に教科書類を破られたとベルンハルト侯爵令息に証言している。この日ブラウン伯爵令嬢は長期休暇のバカンスのためそもそもこの国の中にはいなかった。
最後に10月19日、ティナが君を階段から突き飛ばしたという日に僕はティナと一緒にいた。両家の親睦を深める会という名目でだ。
これらの真偽には僕以外にも証人がいる」
そこまで言ったコリンはサンティナの方を振り向いた。
「言い訳のように聞こえるかもしれないができれば信じてほしい。僕はさる高位の方からの命でフクシア男爵令嬢を調べていた。その過程でこれらの情報を手に入れている。
君を裏切るつもりはなかった。あくまで潜入捜査のつもりだ。嘘のように聞こえるかもしれないが」
「とりあえずは、信じるわ。でもどうして男爵令嬢のことを調べることになったの?」
サンティナが小首をかしげる。それはローザも気になったことだった。なぜ、コリンは自分のことを好きだったのではないのか。自分を調べるためだけにそばにいたのか。
「普通だったら男爵令嬢一人を調べるなんてことはないだろう。でも彼女は高位の令息二人を誑かした。評判は悪いが最低限の教育は受けている筈の王子と侯爵令息をだ。
もしかしたら何らかの薬物や催眠のようなものが使われているということもないわけではない。それらのようなものを男爵令嬢一人が扱えるわけがない。
裏に何者かがいるのかもしれない。そう考えた誰かが僕に調査をさせたんだ」
この国を狙う何者かが高位の令息を狙うことでもともと盤石ではない国の礎を崩すことを狙ったのかもしれない。
それならば実行犯となるローザは国を狙った大罪人だ。
ただでさえ白くなっていた顔をローザはさらに蒼白にした。
「あたし、あたしそんなことしてない!ただかっこよくてお金持ちの男の子たちにちやほやされたかっただけなの。それでちょっとお高くとまった令嬢たちに悔しい思いさせられたらいいなって
思っただけで・・・。国を壊す気なんてあたしそんなつもりなかったの!」
「まぁ、そのことは一応調査の過程で分かっている。君に近づいた怪しいものはなかったし、王子達に何物かを摂取させ酩酊状態にしたというようなこともない。ただ言葉を使って篭絡しただけだ。
王子達が愚かだった。ということだけにとどまるだろう」
へたりとローザが座り込んだ。顔には安堵の色が広がっている。
「まさか助かった。などと思っていますの?」
冷たい声が響いた。
「6月18日、君フクシア男爵令嬢が王子アラン殿下、あー、まぁその、第一王子にグラオ公爵令嬢が君に対して水をかけたと伝えた日、彼女は王宮で王子妃教育を受けていた。
8月22日、君はブラウン伯爵令嬢に教科書類を破られたとベルンハルト侯爵令息に証言している。この日ブラウン伯爵令嬢は長期休暇のバカンスのためそもそもこの国の中にはいなかった。
最後に10月19日、ティナが君を階段から突き飛ばしたという日に僕はティナと一緒にいた。両家の親睦を深める会という名目でだ。
これらの真偽には僕以外にも証人がいる」
そこまで言ったコリンはサンティナの方を振り向いた。
「言い訳のように聞こえるかもしれないができれば信じてほしい。僕はさる高位の方からの命でフクシア男爵令嬢を調べていた。その過程でこれらの情報を手に入れている。
君を裏切るつもりはなかった。あくまで潜入捜査のつもりだ。嘘のように聞こえるかもしれないが」
「とりあえずは、信じるわ。でもどうして男爵令嬢のことを調べることになったの?」
サンティナが小首をかしげる。それはローザも気になったことだった。なぜ、コリンは自分のことを好きだったのではないのか。自分を調べるためだけにそばにいたのか。
「普通だったら男爵令嬢一人を調べるなんてことはないだろう。でも彼女は高位の令息二人を誑かした。評判は悪いが最低限の教育は受けている筈の王子と侯爵令息をだ。
もしかしたら何らかの薬物や催眠のようなものが使われているということもないわけではない。それらのようなものを男爵令嬢一人が扱えるわけがない。
裏に何者かがいるのかもしれない。そう考えた誰かが僕に調査をさせたんだ」
この国を狙う何者かが高位の令息を狙うことでもともと盤石ではない国の礎を崩すことを狙ったのかもしれない。
それならば実行犯となるローザは国を狙った大罪人だ。
ただでさえ白くなっていた顔をローザはさらに蒼白にした。
「あたし、あたしそんなことしてない!ただかっこよくてお金持ちの男の子たちにちやほやされたかっただけなの。それでちょっとお高くとまった令嬢たちに悔しい思いさせられたらいいなって
思っただけで・・・。国を壊す気なんてあたしそんなつもりなかったの!」
「まぁ、そのことは一応調査の過程で分かっている。君に近づいた怪しいものはなかったし、王子達に何物かを摂取させ酩酊状態にしたというようなこともない。ただ言葉を使って篭絡しただけだ。
王子達が愚かだった。ということだけにとどまるだろう」
へたりとローザが座り込んだ。顔には安堵の色が広がっている。
「まさか助かった。などと思っていますの?」
冷たい声が響いた。
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