16 / 19
お茶会
しおりを挟む前話に若干セリフ追加してます。
ストーリーに全く関係はないですが、入れようと思っていたセリフを完全に忘れていたので、出来れば少し確認してくださるととてもうれしいです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あの、なぜ俺はここにいるんでしょうか・・・?」
「この間のパーティの功労者ですもの。お呼びして当然ですわ」
顔を引きつらせるトビアスにガブリエーレは微笑みかけた。
卒業パーティの数日後、騒動のさなかにあった彼ら五人はトビアスを加え、生徒会室に集まっていた。
長年の面倒ごとが解決した祝いとしてちょっとしたお茶会を行っていたのだ。
六人が輪になって座り紅茶を飲み茶菓子を食べながら思い思いの会話を繰り広げていた。
ガブリエーレはトビアスの隣に座りこまごまとした世話をやいている。トビアスはそれに対し気を使いすぎて胃を痛めそうになっていた。
ガブリエーレはアランと婚約を破棄した後、次の婚約者としてトビアスを願った。
トビアス・テオレルは伯爵令息であり、身分としては支障がない。
グラオ公爵は宰相をしており、テオレル伯爵がその部下であったことも彼らの婚約の後押しをしていた。
元王子の婚約者であり、現公爵令嬢を妻に娶るという急な話にトビアスは腹を抑え呻いていた。
それはトビアスがこっそりとガブリエーレに対して片思いをしていたという事実があっても変わらないことである。
「そういえば、アラン王子は現在どうなさっているんです?」
紅茶を飲んだエメラインが思い出したようにガブリエーレに聞いた。
クッキーをかじったガブリエーレは目を伏せる。
「アラン王子はあのパーティの後急激に体調を崩されたらしく・・・」
王宮にある北の塔で療養をされているのだ。とガブリエーレは少し悲しげに言った。
「なるほど、それでは療養が長引いて今後人前に出ることが一生なくなるのか、それとも体調を悪化させて儚くなってしまうのか」
「それは王家とお父様たちの話し合い次第となるでしょうね」
ガブリエーレが薄く微笑む。
ガブリエーレはアランがそう嫌いでもなかった。長年の婚約関係はアランに対する多少の情をガブリエーレに湧かせていた。婚約関係の間嫌われ続け最後には醜聞となりそうな話題を突きつけられたとはいえガブリエーレにはアランに対する敵意のような感情が生まれることもなかった。願わくば彼の最後が少しでもましなものになることをガブリエーレは心の中でそっと願った。
「ベルンハルト様はどうなさったんです?」
反対にガブリエーレがエメラインに問い返す。
エメラインは美しい微笑みを作った。
「本当は平民となって一文無しで苦しんでほしかったのですが、優しいザカライアが彼を拾ってあげたのです」
「多少は腕が立つようだったからな。辺境の軍に入って一兵士として戦ってもらうことにした」
ザカライアがエメラインにほほ笑みかける。
ザカライアとエメラインは数年の時間をかけてやっと婚約をすることが出来た。
エメラインの準備が出来次第、ザカライアの待つ辺境の地に旅立つ予定だ。
「辺境の地ですか、盗賊や隣国兵が多く現れるという噂も聞きますが・・・」
サンティナの顔が引きつる。ベルンハルトは自分の腕が立つと思っていたようだし、それは王都の中では正しいことでもあったのだが、毎日が戦場となるような辺境の地でザカライアに一撃で吹き飛ばされて気絶したようなベルンハルトはやっていけるのだろうか。
「彼にはできるだけ長生きしてほしいと思っておりますわ」
エメラインの微笑みがあまりにも恐ろしくてサンティナはそっと目を伏せ紅茶を飲んだ。
682
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄した王子と男爵令嬢のその後……は幸せ?……な訳ない!
たろ
恋愛
「エリザベス、君との婚約を破棄する」
「どうしてそんな事を言うのですか?わたしが何をしたと言うのでしょう」
「君は僕の愛するイライザに対して嫌がらせをしただろう、そんな意地の悪い君のことは愛せないし結婚など出来ない」
「……愛せない……わかりました。殿下……の言葉を……受け入れます」
なんで君がそんな悲しそうな顔をするんだ?
この話は婚約破棄をして、父親である陛下に嘘で固めて公爵令嬢のエリザベスを貶めたと怒られて
「そんなにその男爵令嬢が好きなら王族をやめて男爵に婿に行け」と言われ、廃嫡される王子のその後のお話です。
頭脳明晰、眉目秀麗、みんなが振り向くかっこいい殿下……なのにエリザベスの前では残念な男。
★軽い感じのお話です
そして、殿下がひたすら残念です
広ーい気持ちで読んでいただけたらと思います
王太子から婚約破棄……さぁ始まりました! 制限時間は1時間 皆様……今までの恨みを晴らす時です!
Ryo-k
恋愛
王太子が婚約破棄したので、1時間限定でボコボコにできるわ♪
……今までの鬱憤、晴らして差し上げましょう!!
殿下はご存じないのでしょうか?
7
恋愛
「お前との婚約を破棄する!」
学園の卒業パーティーに、突如婚約破棄を言い渡されてしまった公爵令嬢、イディア・ディエンバラ。
婚約破棄の理由を聞くと、他に愛する女性ができたという。
その女性がどなたか尋ねると、第二殿下はある女性に愛の告白をする。
殿下はご存じないのでしょうか?
その方は――。
【完結】こんな所で言う事!?まぁいいですけどね。私はあなたに気持ちはありませんもの。
まりぃべる
恋愛
私はアイリーン=トゥブァルクと申します。お父様は辺境伯爵を賜っておりますわ。
私には、14歳の時に決められた、婚約者がおりますの。
お相手は、ガブリエル=ドミニク伯爵令息。彼も同じ歳ですわ。
けれど、彼に言われましたの。
「泥臭いお前とはこれ以上一緒に居たくない。婚約破棄だ!俺は、伯爵令息だぞ!ソニア男爵令嬢と結婚する!」
そうですか。男に二言はありませんね?
読んでいただけたら嬉しいです。
王族に婚約破棄させたらそりゃそうなるよね? ……って話
ノ木瀬 優
恋愛
ぽっと出のヒロインが王族に婚約破棄させたらこうなるんじゃないかなって話を書いてみました。
完全に勢いで書いた話ですので、お気軽に読んで頂けたらなと思います。
〖完結〗妹は私の物が大好きなようです。
藍川みいな
恋愛
カサブランカ侯爵家に双子として生まれた、姉のブレアと妹のマリベル。
妹は姉の物を全て欲しがり、全て譲ってきたブレア。
ある日、ダリアル公爵家長男のエルヴィンとの縁談が来た。
ダリアル公爵は姉のブレアを名指しし、ブレアとエルヴィンは婚約をした。
だが、マリベルはブレアの婚約者エルヴィンを欲しがり、ブレアを地下に閉じこめ、ブレアになりすまし結婚した...。
主人公ブレアがあまり出てきません。
本編6話+番外編1話で完結です。
毎日0時更新。
【完結】義家族に婚約者も、家も奪われたけれど幸せになります〜義妹達は華麗に笑う
鏑木 うりこ
恋愛
お姉様、お姉様の婚約者、私にくださらない?地味なお姉様より私の方がお似合いですもの!
お姉様、お姉様のお家。私にくださらない?お姉様に伯爵家の当主なんて務まらないわ
お母様が亡くなって喪も明けないうちにやってきた新しいお義母様には私より一つしか違わない双子の姉妹を連れて来られました。
とても美しい姉妹ですが、私はお義母様と義妹達に辛く当たられてしまうのです。
この話は特殊な形で進んで行きます。表(ベアトリス視点が多い)と裏(義母・義妹視点が多い)が入り乱れますので、混乱したら申し訳ないですが、書いていてとても楽しかったです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる