悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。

しぎ

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カーティア、主人公を思う。

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シャルロットはすとんと無表情になった、
そのまま一歩二歩とふらつくようにカーティアに近づき、ぐわりと顔を真っ赤に染めた。

「やっぱあんたも転生者ね!?おかしいと思ってたのよ!私のやること全部邪魔しやがって!」
綺麗にセットされていた髪をぐしゃぐしゃとかき混ぜながらシャルロットが叫ぶ。ふーふーと荒い息を吐くシャルロットを眺めながらカーティアは嘆息する。
「私には何のことだかわからないけれど・・・。あなたのやりたいことは私の不利益になるんじゃなくて?」
最初はシャルロットの意思に乗っかる気だったことはおくびにも出さない。修道院のパンフレットは少し前に処分したので。
「いいじゃん悪役令嬢なんだから!ちゃんと破滅してよ!あんたも「しろきし」知ってんなら『シャルロット』が幸せになるように協力しようとか思わないの!?」
「白銀の騎士と癒しの姫君」の略称を叫びながらシャルロットはカーティアを睨みつける。
「私がせっかくおぜん立てしてやったのに。あんたがどんなに馬鹿でもストーリー通りに進むように動いてやったのに!なんでちゃんとしないのよ!」

ふーとカーティアは深く深く息を吐く。隣に立つアルドの訝し気な、心配そうな視線を横目に感じながらカーティアは深く深く呼吸をして心を鎮めようとする。
目の前に立つ少女。ドレスが乱れるほど足を大きく開き、髪もぐちゃぐちゃに乱れ切った顔をひどく顰めた少女。
「・・・あなたのどこが『シャルロット』だって言うのよ」
たくさんの悩みを抱えながら友人や恋人とともにいつだってまっすぐに前を向いた心の清い少女。人を騙そう思い通りにしようなどと考えない『主人公』だからこそ好きなのだ。
今だって学園から姿を消したヴィクターのことも、まとわりついて邪魔をしたアルドのことも一言も気にせずに自分の意思だけを叫び散らすそんなものを。

「私は、私だけは絶対に、あなたのことを『シャルロット』だとは認めない」
そんなもののためにカーティアは破滅なんてしてやらない。
カーティアの大好きな主人公のことをこれ以上汚さないでほしかった。

「・・・でも・・・だって!」
だってと、目の前の少女は繰り返す。
「だってちゃんとストーリーが進まないと・・・なれないじゃん」
「・・・シャルロット?」
様子のおかしいシャルロットを伺うように少し引いていたダレンがシャルロットの隣に立つ。俯く少女の顔を覗き込んだ彼がは、と息をのむ。

「ちゃんと進めないと」
渾身の力で、シャルロットはダレンを階段の方に突き飛ばした。
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