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しゃもん

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91.王、策に乗る

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 王の間に、重々しい静寂が流れていた。

 マリアとリリアンのやり取りを聞き終えた王は、
 玉座の上でゆっくりと目を閉じ、しばし思案に沈んでいた。

 やがて、静かに口を開く。
「……なるほど。ルービック家の継承を巡って、意見が割れていると」

 その声は低く、だが確かな重みを持っていた。
「確かに、花子の魔力量は我が国でも類を見ない。
 その力は、王家としても無視できぬものだ」

 花子はなこは、思わず背筋を伸ばした。

 だが――

「しかし、日ノ本の血筋……か」

 その言葉に、場の空気がわずかに揺れる。

 王は続けた。

「日ノ本は、何百代と続く巫女の血を尊ぶ国。
 だが、我が国は違う。王家の血こそが、正統の証だ」

 リサが、わずかに口元を綻ばせた。

 王は、玉座から立ち上がると、ゆっくりと歩み出る。
「ならば、こうしてはどうか。
 娘たちのどちらが後継者にふさわしいか――それを、彼女たちの“伴侶”で決めるのだ」

 場が、ざわめいた。

「後継者には、家を支える力が必要だ。
 ならば、どちらがよりふさわしい“伴侶”を得るか――
 それをもって、ルービック家の未来を託すにふさわしい者を決めようではないか」

 マリアの目が細くなる。

 リリアンは、静かにうなずいた。
 リサは、満足げに扇子を開いた。

 そして――花子はなこは、ぽかんとしていた。

(……え、ちょっと待って。何この展開?)
(今読んでる乙女ゲーの“婚約者争奪戦ルート”に突入してない?)
(ていうか、伴侶って誰!?)
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