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92.第二王子_ダルイとアマイ
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「まあ♡ では、わたくしの“未来の旦那様”をお披露目する時が来ましたのね♪」
アマイがくるりとターンし、会場の奥に向かって手を振った。
「ダルイ様~♡ こちらですわ~!」
その声に、会場の視線が一斉に向く。
そこには、壁際の椅子にふんぞり返って座っていた、ひとりの青年の姿があった。
栗色の髪に、眠たげな目。
王家の紋章が入った制服を着てはいるが、ネクタイはゆるく、上着のボタンもひとつ外れている。
その姿勢も、態度も、王族らしからぬ緩さだった。
花子は、思わず目を見開いた。
(……あれ、第二王子!?)
青年――**ダルイ**は、アマイの呼びかけに気づくと、
あからさまに「はぁ……」とため息をついた。
そして、重い腰を上げ、のそのそと前へ歩いてくる。
アマイは満面の笑みで、彼の腕に自分の腕を絡めた。
「皆さま、ご紹介いたしますわ♡
わたくしの未来の伴侶――第二王子、**ダルイ・アルセリオ・ルクレール**様ですの!」
ダルイは、無言で軽く頭を下げた。
「……どうも。ダルイです。……呼ばれたので来ました」
その場がざわついた。
王の愛妃が生んだ子、第二王子。
王位継承順位は低く、魔力も高くはない。
だが、王家の血を引くという事実は、重い。
アマイは得意げに続ける。
「ダルイ様とわたくしは、同じ学園で運命的な出会いを果たしましたの♡
このたび、キンソン家の推薦もありまして――」
「……いや、推薦されたっていうか、頼まれたから来ただけだし」
ダルイが、ぼそりと遮った。
アマイの笑顔が一瞬だけ引きつった。
「ま、まあ、そうですけれど! でも、これからですわ! ねっ、ダルイ様♡」
「……俺、こういうの苦手なんだよな……」
そのやりとりを見ていた花子は、思わず口元を押さえた。
(……なんか、乙女ゲーの“破滅フラグ回収ルート”に突入してない?)
その隣で、ブラウンが小さく笑った。
「……あれが“未来の旦那様”ね。
あいつのことを“お慕いしてましたの♡”って言ってたの、どの口だか」
花子は、ちらりとブラウンを見上げた。
「兄さん、アマイのこと、ほんとに嫌いなんだね……」
「嫌いっていうか、無理。存在が無理」
「そこまで言う!?」
アマイがくるりとターンし、会場の奥に向かって手を振った。
「ダルイ様~♡ こちらですわ~!」
その声に、会場の視線が一斉に向く。
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栗色の髪に、眠たげな目。
王家の紋章が入った制服を着てはいるが、ネクタイはゆるく、上着のボタンもひとつ外れている。
その姿勢も、態度も、王族らしからぬ緩さだった。
花子は、思わず目を見開いた。
(……あれ、第二王子!?)
青年――**ダルイ**は、アマイの呼びかけに気づくと、
あからさまに「はぁ……」とため息をついた。
そして、重い腰を上げ、のそのそと前へ歩いてくる。
アマイは満面の笑みで、彼の腕に自分の腕を絡めた。
「皆さま、ご紹介いたしますわ♡
わたくしの未来の伴侶――第二王子、**ダルイ・アルセリオ・ルクレール**様ですの!」
ダルイは、無言で軽く頭を下げた。
「……どうも。ダルイです。……呼ばれたので来ました」
その場がざわついた。
王の愛妃が生んだ子、第二王子。
王位継承順位は低く、魔力も高くはない。
だが、王家の血を引くという事実は、重い。
アマイは得意げに続ける。
「ダルイ様とわたくしは、同じ学園で運命的な出会いを果たしましたの♡
このたび、キンソン家の推薦もありまして――」
「……いや、推薦されたっていうか、頼まれたから来ただけだし」
ダルイが、ぼそりと遮った。
アマイの笑顔が一瞬だけ引きつった。
「ま、まあ、そうですけれど! でも、これからですわ! ねっ、ダルイ様♡」
「……俺、こういうの苦手なんだよな……」
そのやりとりを見ていた花子は、思わず口元を押さえた。
(……なんか、乙女ゲーの“破滅フラグ回収ルート”に突入してない?)
その隣で、ブラウンが小さく笑った。
「……あれが“未来の旦那様”ね。
あいつのことを“お慕いしてましたの♡”って言ってたの、どの口だか」
花子は、ちらりとブラウンを見上げた。
「兄さん、アマイのこと、ほんとに嫌いなんだね……」
「嫌いっていうか、無理。存在が無理」
「そこまで言う!?」
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