【完結】第三王子、ただいま輸送中。理由は多分、大臣です

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7.王都で人気爆発、村では神格化(ちょっと待て)

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王都のラジオにて

《――では今週の“麗しき一句”のコーナーです。本日ご紹介するのは……こちら!》

「ルークさん もふもふすぎて 反則だ」

《作者はなんと、現在各地を回って修行中の“元”第三王子、ラクス・ヴェルゼリア様!》

《“毛皮を愛す王子”、とか“もふ詠みの貴公子”って噂もありますよ~!》

《お便りも殺到!「王子の句に心を撃ち抜かれました」「彼の感性に抱かれたい」などなど、全国の令嬢が沸騰中!》


◆王都の反応

「えっ、第三王子って……あのチャラかった人でしょ?」
「俳句の才能に目覚めて、今は悟り系の旅してるらしいよ」
「いや、これ完全に“もふ神”じゃん」
「ラクス様の句で、今日も出勤できる……」

《“ラクス詠集~五七五の恋~”発売決定!!》


一方その頃のラクス

「……俺の人形の横にあるこれ、なに?」

「“恋愛成就祈願・王子様像”です♡」

「待てや」

「ラクスさまにお願いしたら、カグラとルークが結ばれた!」
「この石像に手を当てたら、片思いが両想いになったの!!」
「ご利益がありすぎて最近怖いです!!」

「いやいや、ルークとカグラは普通にお互い好きだっただけだろ!?」

「それもラクス様のご加護があってこそ……!」

「お前ら宗教つくる気か!!!」

カイルのぼやき

「……王子が、神と崇められてる……」

「褒めてないよなそれ」

「いや、むしろお前の不憫さに神性を感じる」

「それはただの哀れみ!!……まさか俳句で人生狂うとは思わなかった」

「でもあれだろ? 令嬢たちの間で“ラクス様の句で婚約者と仲直りしました”って手紙が来てたぞ」

「それ、俺もう“恋愛神”どころか“縁結びの使い”じゃん!?」

「事実、“五七五の神託”って呼ばれてる」

「俺いつからスピリチュアルキャラになった!?」

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