58 / 95
第三章『王子様、現る!?』
第58話 うそ、私、妊娠しちゃったの?
しおりを挟む
「はっ!?」
「ヒミカさん!?」
「おっ、目が覚めたかー」
起き上がると、そこは見覚えのあるテントの中だった。
「ここは……」
「魔界戦線防衛隊の駐屯地、そして遊撃部隊隊長、クライド様のテントだ」
「クライドの、テント……?」
ゆっくりと左右を見渡す。
頻繁な引っ越しを想定しているため、全体的に急造な作りだが、広めの内部はコテージのようにゆったりとした落ち着きがある。
一〇人程度なら不満なく生活できるだろう。
生活必需品のみならず、壁にかけられた先代勇者が邪悪な竜に立ち向かう絵画、数えきれないほどのトロフィーや勲章が飾られており、ここの主が高位な身分であることを伝えている。
そして、衛兵に魅了した影響で発情したヒミカがユーマに魔力補給をお願いした場所でもある。
「なんかさー。帰ってきたら中がびちゃびちゃだったワケよ! 野良犬で紛れ込んでションベンでもされたのかな? ま、乾いたからいいけどよ」
ヒミカの額に冷や汗が滲む。
恥ずかしさで頬に朱が差し、同時に子宮がじゅん! と疼く。
「お怪我はありませんか? どこか痛むところは」
ユーマが心配そうに見つめてくる。
「私は平気よ。むしろ元気すぎるくらい」
空元気ではなかった。
実際、身体は魔力で満ち溢れていた。
けれど。
(ジャイアントオークの精液が、まだ子宮の奥でたぷたぷしてる)
ふと、強烈な吐き気が襲う。
「ごめん、やっぱり気分が悪いかも。少しシャワーを浴びたいわ」
「お、一応身体はお湯で拭いたんだけどな。んー、確かにまだオーク臭が残ってるな」
「えっ!? クライドが私の身体を拭いたの!?」「えっ!? ヒミカさんの身体に触ったんですか!? 僕が身体を洗ってる間に」
ハモる。
「だってよ、そのままにしておくわけにはいかないじゃん? 安心しろよ、ローブは脱がしてないし、手探りだから中を見てもいない。つまり健全!」
「~~~~~ッ!」
ヒミカは肩をぎゅっと抱きしめる。
今更、幼馴染だったクライドに触られることが嫌なわけではない。
けれど、今のヒミカはオークに犯された身体なのだ。
(今も、お腹の中でオタマジャクシが跳ねてるのが分かる。嫌、気持ち悪い)
最悪の可能性を予感する。
(もしかして、私、オークに妊娠させられちゃったの……?)
人間と違って、魔物は常に過酷な生存競争を強いられているため、精力が強い。
特に、オークの精液は人間のよりも遥かに濃く、精子にいたっては目に見えるほど巨大だ。
さらに、ジャイアントオークはヴィーヴィルに感染し、【繁殖】の権能を有している。
(ってことは、私も……っ!?)
魔王の眷属として自ら魔物の苗床となり、腹を突き破ってオークの子供が生まれる姿を想像してしまった。
「ごめん、今すぐシャワーに行かせて」
「ヒミカさん、お顔が真っ青ですよ。シャワーよりも寝ていた方が」
「いいから」
「分かりました。シャワー用のテントは少し離れた場所にあります。僕が案内を──」
「待った。ユーマ君は救護班で先に負傷した兵士の手当てを手伝ってくれないか」
「救護活動、ですか?」
「ざっと三〇〇人が今回の戦いで負傷した。内、十四人は傷が深く、死んじまった。さらに、一四三人が行方不明だ。魔物に丸呑みにされたか、骨さえ残さず引裂かれたか」
(うそ、そんなに負傷者が……? 行方不明者もたくさん……!)
「俺は遊撃部隊隊長だから、救護を手伝いに行っても『なら、少しでも負傷者を減らす作戦を考えろ』ってドヤされちまう。敵さんがいつまた襲ってくるかも分からないしな」
「ですが……っ!」
「それともなにか? もしかしてヒミカの裸を覗きたいとか? おいおい、気持ちはわかるけどよ、下心丸見えだぜ?」
「んなっ……!」
「覗くの! 絶対! ダメ!」
ヒミカが顔から火を噴きそうな勢いでユーマを制する。
もう何度も裸を見られているどころか、その先までシてしまっているけど、恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。
「……分かりました。ヒミカさん、また後で。明日には今日の防衛成功の祝賀会をやるそうですよ。今日の夜はゆっくり休みましょう」
「うん、わかったわ」
外に出て、ユーマは救護班と合流しに行った。
ヒミカはクライドに手を引かれながら、シャワー設備が備え付けられているテントへと向かった。
「ヒミカさん!?」
「おっ、目が覚めたかー」
起き上がると、そこは見覚えのあるテントの中だった。
「ここは……」
「魔界戦線防衛隊の駐屯地、そして遊撃部隊隊長、クライド様のテントだ」
「クライドの、テント……?」
ゆっくりと左右を見渡す。
頻繁な引っ越しを想定しているため、全体的に急造な作りだが、広めの内部はコテージのようにゆったりとした落ち着きがある。
一〇人程度なら不満なく生活できるだろう。
生活必需品のみならず、壁にかけられた先代勇者が邪悪な竜に立ち向かう絵画、数えきれないほどのトロフィーや勲章が飾られており、ここの主が高位な身分であることを伝えている。
そして、衛兵に魅了した影響で発情したヒミカがユーマに魔力補給をお願いした場所でもある。
「なんかさー。帰ってきたら中がびちゃびちゃだったワケよ! 野良犬で紛れ込んでションベンでもされたのかな? ま、乾いたからいいけどよ」
ヒミカの額に冷や汗が滲む。
恥ずかしさで頬に朱が差し、同時に子宮がじゅん! と疼く。
「お怪我はありませんか? どこか痛むところは」
ユーマが心配そうに見つめてくる。
「私は平気よ。むしろ元気すぎるくらい」
空元気ではなかった。
実際、身体は魔力で満ち溢れていた。
けれど。
(ジャイアントオークの精液が、まだ子宮の奥でたぷたぷしてる)
ふと、強烈な吐き気が襲う。
「ごめん、やっぱり気分が悪いかも。少しシャワーを浴びたいわ」
「お、一応身体はお湯で拭いたんだけどな。んー、確かにまだオーク臭が残ってるな」
「えっ!? クライドが私の身体を拭いたの!?」「えっ!? ヒミカさんの身体に触ったんですか!? 僕が身体を洗ってる間に」
ハモる。
「だってよ、そのままにしておくわけにはいかないじゃん? 安心しろよ、ローブは脱がしてないし、手探りだから中を見てもいない。つまり健全!」
「~~~~~ッ!」
ヒミカは肩をぎゅっと抱きしめる。
今更、幼馴染だったクライドに触られることが嫌なわけではない。
けれど、今のヒミカはオークに犯された身体なのだ。
(今も、お腹の中でオタマジャクシが跳ねてるのが分かる。嫌、気持ち悪い)
最悪の可能性を予感する。
(もしかして、私、オークに妊娠させられちゃったの……?)
人間と違って、魔物は常に過酷な生存競争を強いられているため、精力が強い。
特に、オークの精液は人間のよりも遥かに濃く、精子にいたっては目に見えるほど巨大だ。
さらに、ジャイアントオークはヴィーヴィルに感染し、【繁殖】の権能を有している。
(ってことは、私も……っ!?)
魔王の眷属として自ら魔物の苗床となり、腹を突き破ってオークの子供が生まれる姿を想像してしまった。
「ごめん、今すぐシャワーに行かせて」
「ヒミカさん、お顔が真っ青ですよ。シャワーよりも寝ていた方が」
「いいから」
「分かりました。シャワー用のテントは少し離れた場所にあります。僕が案内を──」
「待った。ユーマ君は救護班で先に負傷した兵士の手当てを手伝ってくれないか」
「救護活動、ですか?」
「ざっと三〇〇人が今回の戦いで負傷した。内、十四人は傷が深く、死んじまった。さらに、一四三人が行方不明だ。魔物に丸呑みにされたか、骨さえ残さず引裂かれたか」
(うそ、そんなに負傷者が……? 行方不明者もたくさん……!)
「俺は遊撃部隊隊長だから、救護を手伝いに行っても『なら、少しでも負傷者を減らす作戦を考えろ』ってドヤされちまう。敵さんがいつまた襲ってくるかも分からないしな」
「ですが……っ!」
「それともなにか? もしかしてヒミカの裸を覗きたいとか? おいおい、気持ちはわかるけどよ、下心丸見えだぜ?」
「んなっ……!」
「覗くの! 絶対! ダメ!」
ヒミカが顔から火を噴きそうな勢いでユーマを制する。
もう何度も裸を見られているどころか、その先までシてしまっているけど、恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。
「……分かりました。ヒミカさん、また後で。明日には今日の防衛成功の祝賀会をやるそうですよ。今日の夜はゆっくり休みましょう」
「うん、わかったわ」
外に出て、ユーマは救護班と合流しに行った。
ヒミカはクライドに手を引かれながら、シャワー設備が備え付けられているテントへと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~
双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。
なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。
※小説家になろうでも掲載中。
※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる