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到着2列車 定時
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白い峰
「ごはんたべにきて、って」めぐは、ちょっと
笑ってしまうほど、食堂車のクルーたちの
温かい思いやりに感動した。
「でも、そういう訳にいかないよぉ」と
思いやりに応えようと、そのまま
食堂車に向かおうとして。
「あ、ちょっと、めぐ、その格好」と
リサが、白いナイトガウンの
背中を止めたから
もともと短い裾が引っ張られて
白い太ももがニョッキ。(笑)
「いやぁ」と、めぐは裾を押さえたけど
それで目が覚めた(笑)。
列車の4人個室、カルテットの扉は
ガラスの仕切りだから
窓越しに、明け方の山脈が見えた。
朝焼けの白い峰は、尖ってて
オレンジ色の朝日が光ってる。
青い空が、とっても綺麗。
めぐたちは、寝台特急Northstarの
朝を、楽しんでいた。
料理長の予想通り、平日の朝なので
食堂車を利用するひとは、少なくて。
「余っちゃうから、食べちゃって」と
シェフは、モーニングの準備をしていた
お皿を出してきて。
カウンターに出した。
「はい。運ぶのは自分でね」と
ウェイトレスの仕事を作った。
「この列車、やっぱり廃止になってしまうのかしら」と、めぐ。
「そうだね。新しい豪華列車を走らせる、って
話もあるし」と、Naomi。
夜行列車を走らせるには、沢山の手間と
いろいろな人々の努力が必要なのだけど
もともと、夜行列車は
スピードが遅かった時代、夜行でないと
人々が運び切れなかったから
夜走らせていた。
そういう時代の名残、だった。
めぐたちは、過ぎて行く時間の中
秋の旅を楽しみつつ。
食堂車で、モーニングセット(笑)を
楽しんでいた。
「ウェイトレスのスタイルで、これ食べるって
なんか、変」と、れーみぃが言う。
「アルバイトだもんねぇ。そうそう、2年の夏休みだっけ。どっかd、こんな格好したよね」と、リサ。
「そぉだったかなぁ」と、めぐ。
「めぐは、図書館に居たじゃない。それで、ほら、4階だったか、カフェでアルバイト」と、Naomi。
旅行しながらでも、普段の事を
思い出すと
なーんとなく、日常に引き戻されて(笑)。
「学校、行くのかーぁ」とは、れーみぃ。
「チャペルが待ってるわよ」と、リサ。
そういえば、ミッション系。
「就職に失敗したら、教会で使って貰えば」と、Naomiはリアル。
でも、れーみぃはお嬢さんだし。
めぐは図書館。
リサは国鉄。
みんな、だいたい大丈夫。
Naomiだって、郵便局で
バイトしてるから
そのまま、みたいな(笑)そういう感じ。
北ヨーロッパのこの国でも、就職は結構難しい。
でも、なんとなく生きている。
めぐたちの乗ったNorthstarは、終点のUpperfieldに着く。
「これで、本当に旅は終りだね」と、Naomi。
ほとんど仕事は無かったし、こんなので
アルバイト料として、寝台料金貰っていいのかな、なんて
めぐは思って(笑)。
「こんなので、本当にいいのですか?」と
列車料理長に尋ねる。
料理長はにこにこ「んにゃ、仕事が暇なのは
お嬢さん方のせいじゃないから。今日のは、
一日体験入社、と思ってくれれば」と。
国鉄には、そんな仕組みもあるらしい。
仕事を体験してもらって、働いてくれるひとが
入社する前の不安を減らそう、そんな
思いやりの心を持って。
そう、ここはめぐたちの国で
あの、神様が
人々を見守っている国。
いまは、遠い日本に旅しているけれども。
外国のお金儲けからも、国を守った
そういう神様のいる、国。
「できたらでいいから、国鉄で働いてくれてもいいし、そうでなくても
国、みんなのために働けば。国鉄のためになるんだから」と、料理長。
実際、料理長は国鉄の職員じゃないけれど
国鉄のお友達会社、という
面白い立場だった。
美味しいものを食べてもらって、国鉄を
使うみんなが、喜んでくれればいい。
そういう気持ちの会社だったから。
「そっか。わたしは郵便局に行くつもりだけど
国鉄で受けたご恩の事は、忘れません」と
Naomi。
いつか、ご恩返しを、と。
それは、めぐも、れーみぃも
もちろん、リサも一緒だろう。
みんなのために、ひとりがいて。
ひとりのために、みんなが思いやる。
ここは、そういう国。
めぐたちは、行き止まりのホームについた
赤い機関車に牽かれた列車、そこから
降りていく乗客たちを見送って。
一応、制服スタイルだから
乗客たちに挨拶をしながら
旅の終りをかみ締めていたり。
ちょっと淋しくて、泣きそうになってたり。
旅って、なんでこんなにステキなんだろ、と
めぐは思った。
食堂車の乗務員は、そのまま車庫に戻る
列車に乗ったまま、到着点呼を受ける。
一応、アルバイトでもそうする(笑)。
「んじゃ、わいらは車掌区へ行くはんで。」と
リサのおじさん、専務車掌である(笑)。
重そうな鞄を持って、とっとこ、とっとこ。
「乗務員もステキだよねえ」と、リサは
車掌、と言わないで乗務員と言うあたりが
なんとなく鉄道職員の身内(笑)。
「リサは機関車乗るんでしょ」と、Naomi。
「乗れるかなぁ、なんか心配になってきた」と
リサ。
「大丈夫よ。おじいちゃんの孫だもん」と、めぐは言って。
「なんであんたが言うの」と、れーみぃ(笑)。
みんな、笑顔になった。
「お嬢さん方、回送列車が出るよ」と
黄色いヘルメットの構内運転手が、日焼けした
顔で微笑む。
「はーい。」
めぐたちは、来た道を戻るように
14号車に戻って。
フィルムを逆回しする見たい、TailEverの
車庫に着いた。
ずーっと昔の事みたいな気がするけど
ほんの数日前の事だ。
人間の記憶って、時間がテキトーなんだな、って
めぐは思う。
失踪した友達を探して、めぐたちは
北の町まで行って。
「あたしたち、なんで慌ててたんだろ」とNaomiが言うみたいに
リサは無事見つかって。
その旅の間、めぐたちも
なにか、大切なモノを見つけたような
そんな気持ちになった。
そういうもののために、人々は
生きていくのだろう、って事を。
それがなければ、お金がいくら儲かっても
気持ちは満たされない、そんな感じだって事も
よく分かった、めぐたちだった。
後ろ向きに走っている列車、と
めぐは思ったけど
最初に出発した、下り方向が前だから
いままで、後ろ向きにUpperfiedを
目指していた、と言う事になる(笑)
慣れ、ってそんなもので
地球が丸いの、とか
太陽の周りを回っているとか
自転の速度は、とっても早いとか。
そういう事も普段は感じないのに、ちょっと似ている。
地面は動かないように感じるけれど。
列車は、ゆっくり、ゆっくりと車庫について
めぐは、来た時と同じ光景を見て。
「朝見ると、印象が随分違うね」ひとりごと。
「なんか、朝帰りの恋人みたい」とNaomi。
「そういうひと、いたの?」と、れーみぃ。
「テレビでみたの。」と、Naomi。
そんなふうに、現実とそうでないものは
記憶の中に、いろいろ混ざってる(笑)。
だからと言って、物語が不自然で良くないとも
言えない(笑)。
現実にはない、美しいものや
純粋なものを、物語に託しても別にいい。
「なおみが言うと、リアリティあるね」と、リサ(笑)。
「なおみって言うと、日本人みたい」と、れーみぃ。
アジアンな風貌のれーみぃが言うと、それも似合う。
「あ!学校どうする?」と、リサは突然。
「まあ、事情が事情だし。」と、れーみぃは
教頭先生の穏やかな声を真似たので
みんな、笑った。
そのうち、列車は車庫に着く。
夢のような旅は終わり。
旅は現実だけど、日常生活から見ると
夢みたいな、ちょっと不思議な記憶。
めぐたちは、夢のような旅の日々から
電車に乗って現実に戻って。
ここは、めぐたちの高校。ミッション系で、
先生の多くがクリスチャンだったり。
「あー、まあ、事情は様々だから」と、教頭先生の言葉を
予想通りに受け止め。
あまりに予想そっくりだったので
笑いをこらえるのに必死の4人。
校長室。
「では、戻ってよろしい。」と、教頭先生の声。
それと、担任の、ベテランで穏やかそうな
女性教員。
ふんわりと太って、穏やかそう。
白髪に眼鏡。
いかにも修道僧っぽい。
「あ、皆さん、隣の修道院で体験入院(?)をしているので、今度の日曜日にどうぞ」
学校をずる休み(笑)した罰、だろうか。
進学上、記録しない代わりに指導、とか(笑)。
世の中、取引である。
えー?と言いたくなっためぐだったが
取り合えず敬謙そうに(笑)。
ありがとうございます。と、一礼。
礼節も大切だ。(笑)。
校長室は1階で、玄関のそば。
たいていどこの学校でもそうなのは、お客様が
よく来るから、それと
校長先生は大抵ご老体(笑)なので
階段が辛いとか
そんな理由もあったりもする。
でもめぐたちは元気元気。
ふるーい、木造の廊下、擦り減って
つるつるの床を
白い上履きで歩きながら、担任の先生に
「先生、あの、学園祭でね、あたしたち、バンドしたいんです」と、めぐ。
先生は、穏やかに「受験勉強は大丈夫?....あ、めぐさんは図書館か。naomiさんは郵便局、リサさんは国鉄、特待生でしたね。れいみさんは、あ、そうか。大丈夫ね」
先生は、それぞれしっかり覚えてる。
それと言うのも、もともと進路の事で
リサが出奔したんだから(笑)。
「バンド、いいですね。楽しくやりましょうね。」と、先生がにっこり言うので、れーみぃは
呆気。
「反対するかと思った。」
「皆さん、もう受験は終わったようなものだし。それならいいんじゃないかしら。音楽は先生も好きです。」と、先生は、太ったお腹を膨らまして、何が歌いそう。
R&Bですね、きっと(笑)。
その週の土曜、めぐとれーみぃは、お買い物に出た。
路面電車に乗って、坂道の駅前へ。
「体験入院かーぁ。なんか、病院と間違えちゃうよぉ」と、めぐ。
「やっぱ罰ゲームなんじゃない?」と、れーみぃ。
「そっかぁ。だって、学校サボりだもんなぁ
内申書に書かれちゃうよ」と、れーみぃ。
「ところで、れーみぃはさ、どこ受けるの?」と、めぐ。
「あのね、」と、れーみぃは耳打ち。
「えーーーー!ハイウエーパトロール!!」と
めぐが大きな声だしたので、路面電車の運転手さんはびっくりして
電車が揺れた(笑)。
「すみません」と、ふたりで謝り、車内はにこやか。
「若いっていいわね」と、初老のご婦人。
ふくよかに、のんびりと。
路面電車を駅前で下りると、めぐの携帯へメール。
from:kamisama@god.com;
あー、わしじゃ。
こないだ、ルーフィー君に会った時
東京駅から一緒じゃった旅人がな、シスター志望なんじゃと。
それで、ちょっと連れて行くから
よろしく
相変わらず音声でメールを書いているらしい。
「なにこれ?」と、めぐは呆気(笑)。
そのうちにも、路面電車は図書館前を過ぎ、駅前へ。
図書館のアルバイトは、きょうは
クリスタさんが行っている。
天使さんだけど、やっぱり
自由になるお小遣もほしいだろうし(笑)とか
言って
めぐは、見た目がそっくりな事をいい理由にして
クリスタさんを、バイトの代役にしている。
「きょう、バイトはー?」れーみぃが聞くと
「クリスタさんが」と、めぐ。
「いいの?お小遣なくなっちゃうよー」と、れーみぃは
路面電車の吊り革にぶら下がるふり。
ニス塗りの電車の中は、いい匂いがする。
床油も、しっかり塗られていて。
緑色のシート、人影はまばら。
駅前について、めぐはとことこ、と
電車を下りる。
れーみぃも続いて。
駅前は賑やか。
ヨーロッパの北の外れ、ここは
フランスの隣。
共和国だから、元々
経済競争には縁が遠い。
いろいろな国から、のんびり暮らしたい
ひとたちが、移民してくる国。
だから、争いもそんなにはない。
お金はそんなに持っていなくても
信用で買えるから、必要なものは
べつに、お小遣でなくてもだいじょうぶ。
でも、クリスタさんは天使さんだから
国籍不明(笑)なので
銀行口座が作れないから、お小遣がいる。
「さーてぇ、どこいこか」と、めぐ。
「お買い物、お買い物。とりあえずはお菓子かな」と、れーみぃ。
「だめぇ、修道院って持ち込み禁止なんだって」と、めぐ。
「えー?死んじゃうよ。そんなの。」と、れーみぃ。
「ごはんたべにきて、って」めぐは、ちょっと
笑ってしまうほど、食堂車のクルーたちの
温かい思いやりに感動した。
「でも、そういう訳にいかないよぉ」と
思いやりに応えようと、そのまま
食堂車に向かおうとして。
「あ、ちょっと、めぐ、その格好」と
リサが、白いナイトガウンの
背中を止めたから
もともと短い裾が引っ張られて
白い太ももがニョッキ。(笑)
「いやぁ」と、めぐは裾を押さえたけど
それで目が覚めた(笑)。
列車の4人個室、カルテットの扉は
ガラスの仕切りだから
窓越しに、明け方の山脈が見えた。
朝焼けの白い峰は、尖ってて
オレンジ色の朝日が光ってる。
青い空が、とっても綺麗。
めぐたちは、寝台特急Northstarの
朝を、楽しんでいた。
料理長の予想通り、平日の朝なので
食堂車を利用するひとは、少なくて。
「余っちゃうから、食べちゃって」と
シェフは、モーニングの準備をしていた
お皿を出してきて。
カウンターに出した。
「はい。運ぶのは自分でね」と
ウェイトレスの仕事を作った。
「この列車、やっぱり廃止になってしまうのかしら」と、めぐ。
「そうだね。新しい豪華列車を走らせる、って
話もあるし」と、Naomi。
夜行列車を走らせるには、沢山の手間と
いろいろな人々の努力が必要なのだけど
もともと、夜行列車は
スピードが遅かった時代、夜行でないと
人々が運び切れなかったから
夜走らせていた。
そういう時代の名残、だった。
めぐたちは、過ぎて行く時間の中
秋の旅を楽しみつつ。
食堂車で、モーニングセット(笑)を
楽しんでいた。
「ウェイトレスのスタイルで、これ食べるって
なんか、変」と、れーみぃが言う。
「アルバイトだもんねぇ。そうそう、2年の夏休みだっけ。どっかd、こんな格好したよね」と、リサ。
「そぉだったかなぁ」と、めぐ。
「めぐは、図書館に居たじゃない。それで、ほら、4階だったか、カフェでアルバイト」と、Naomi。
旅行しながらでも、普段の事を
思い出すと
なーんとなく、日常に引き戻されて(笑)。
「学校、行くのかーぁ」とは、れーみぃ。
「チャペルが待ってるわよ」と、リサ。
そういえば、ミッション系。
「就職に失敗したら、教会で使って貰えば」と、Naomiはリアル。
でも、れーみぃはお嬢さんだし。
めぐは図書館。
リサは国鉄。
みんな、だいたい大丈夫。
Naomiだって、郵便局で
バイトしてるから
そのまま、みたいな(笑)そういう感じ。
北ヨーロッパのこの国でも、就職は結構難しい。
でも、なんとなく生きている。
めぐたちの乗ったNorthstarは、終点のUpperfieldに着く。
「これで、本当に旅は終りだね」と、Naomi。
ほとんど仕事は無かったし、こんなので
アルバイト料として、寝台料金貰っていいのかな、なんて
めぐは思って(笑)。
「こんなので、本当にいいのですか?」と
列車料理長に尋ねる。
料理長はにこにこ「んにゃ、仕事が暇なのは
お嬢さん方のせいじゃないから。今日のは、
一日体験入社、と思ってくれれば」と。
国鉄には、そんな仕組みもあるらしい。
仕事を体験してもらって、働いてくれるひとが
入社する前の不安を減らそう、そんな
思いやりの心を持って。
そう、ここはめぐたちの国で
あの、神様が
人々を見守っている国。
いまは、遠い日本に旅しているけれども。
外国のお金儲けからも、国を守った
そういう神様のいる、国。
「できたらでいいから、国鉄で働いてくれてもいいし、そうでなくても
国、みんなのために働けば。国鉄のためになるんだから」と、料理長。
実際、料理長は国鉄の職員じゃないけれど
国鉄のお友達会社、という
面白い立場だった。
美味しいものを食べてもらって、国鉄を
使うみんなが、喜んでくれればいい。
そういう気持ちの会社だったから。
「そっか。わたしは郵便局に行くつもりだけど
国鉄で受けたご恩の事は、忘れません」と
Naomi。
いつか、ご恩返しを、と。
それは、めぐも、れーみぃも
もちろん、リサも一緒だろう。
みんなのために、ひとりがいて。
ひとりのために、みんなが思いやる。
ここは、そういう国。
めぐたちは、行き止まりのホームについた
赤い機関車に牽かれた列車、そこから
降りていく乗客たちを見送って。
一応、制服スタイルだから
乗客たちに挨拶をしながら
旅の終りをかみ締めていたり。
ちょっと淋しくて、泣きそうになってたり。
旅って、なんでこんなにステキなんだろ、と
めぐは思った。
食堂車の乗務員は、そのまま車庫に戻る
列車に乗ったまま、到着点呼を受ける。
一応、アルバイトでもそうする(笑)。
「んじゃ、わいらは車掌区へ行くはんで。」と
リサのおじさん、専務車掌である(笑)。
重そうな鞄を持って、とっとこ、とっとこ。
「乗務員もステキだよねえ」と、リサは
車掌、と言わないで乗務員と言うあたりが
なんとなく鉄道職員の身内(笑)。
「リサは機関車乗るんでしょ」と、Naomi。
「乗れるかなぁ、なんか心配になってきた」と
リサ。
「大丈夫よ。おじいちゃんの孫だもん」と、めぐは言って。
「なんであんたが言うの」と、れーみぃ(笑)。
みんな、笑顔になった。
「お嬢さん方、回送列車が出るよ」と
黄色いヘルメットの構内運転手が、日焼けした
顔で微笑む。
「はーい。」
めぐたちは、来た道を戻るように
14号車に戻って。
フィルムを逆回しする見たい、TailEverの
車庫に着いた。
ずーっと昔の事みたいな気がするけど
ほんの数日前の事だ。
人間の記憶って、時間がテキトーなんだな、って
めぐは思う。
失踪した友達を探して、めぐたちは
北の町まで行って。
「あたしたち、なんで慌ててたんだろ」とNaomiが言うみたいに
リサは無事見つかって。
その旅の間、めぐたちも
なにか、大切なモノを見つけたような
そんな気持ちになった。
そういうもののために、人々は
生きていくのだろう、って事を。
それがなければ、お金がいくら儲かっても
気持ちは満たされない、そんな感じだって事も
よく分かった、めぐたちだった。
後ろ向きに走っている列車、と
めぐは思ったけど
最初に出発した、下り方向が前だから
いままで、後ろ向きにUpperfiedを
目指していた、と言う事になる(笑)
慣れ、ってそんなもので
地球が丸いの、とか
太陽の周りを回っているとか
自転の速度は、とっても早いとか。
そういう事も普段は感じないのに、ちょっと似ている。
地面は動かないように感じるけれど。
列車は、ゆっくり、ゆっくりと車庫について
めぐは、来た時と同じ光景を見て。
「朝見ると、印象が随分違うね」ひとりごと。
「なんか、朝帰りの恋人みたい」とNaomi。
「そういうひと、いたの?」と、れーみぃ。
「テレビでみたの。」と、Naomi。
そんなふうに、現実とそうでないものは
記憶の中に、いろいろ混ざってる(笑)。
だからと言って、物語が不自然で良くないとも
言えない(笑)。
現実にはない、美しいものや
純粋なものを、物語に託しても別にいい。
「なおみが言うと、リアリティあるね」と、リサ(笑)。
「なおみって言うと、日本人みたい」と、れーみぃ。
アジアンな風貌のれーみぃが言うと、それも似合う。
「あ!学校どうする?」と、リサは突然。
「まあ、事情が事情だし。」と、れーみぃは
教頭先生の穏やかな声を真似たので
みんな、笑った。
そのうち、列車は車庫に着く。
夢のような旅は終わり。
旅は現実だけど、日常生活から見ると
夢みたいな、ちょっと不思議な記憶。
めぐたちは、夢のような旅の日々から
電車に乗って現実に戻って。
ここは、めぐたちの高校。ミッション系で、
先生の多くがクリスチャンだったり。
「あー、まあ、事情は様々だから」と、教頭先生の言葉を
予想通りに受け止め。
あまりに予想そっくりだったので
笑いをこらえるのに必死の4人。
校長室。
「では、戻ってよろしい。」と、教頭先生の声。
それと、担任の、ベテランで穏やかそうな
女性教員。
ふんわりと太って、穏やかそう。
白髪に眼鏡。
いかにも修道僧っぽい。
「あ、皆さん、隣の修道院で体験入院(?)をしているので、今度の日曜日にどうぞ」
学校をずる休み(笑)した罰、だろうか。
進学上、記録しない代わりに指導、とか(笑)。
世の中、取引である。
えー?と言いたくなっためぐだったが
取り合えず敬謙そうに(笑)。
ありがとうございます。と、一礼。
礼節も大切だ。(笑)。
校長室は1階で、玄関のそば。
たいていどこの学校でもそうなのは、お客様が
よく来るから、それと
校長先生は大抵ご老体(笑)なので
階段が辛いとか
そんな理由もあったりもする。
でもめぐたちは元気元気。
ふるーい、木造の廊下、擦り減って
つるつるの床を
白い上履きで歩きながら、担任の先生に
「先生、あの、学園祭でね、あたしたち、バンドしたいんです」と、めぐ。
先生は、穏やかに「受験勉強は大丈夫?....あ、めぐさんは図書館か。naomiさんは郵便局、リサさんは国鉄、特待生でしたね。れいみさんは、あ、そうか。大丈夫ね」
先生は、それぞれしっかり覚えてる。
それと言うのも、もともと進路の事で
リサが出奔したんだから(笑)。
「バンド、いいですね。楽しくやりましょうね。」と、先生がにっこり言うので、れーみぃは
呆気。
「反対するかと思った。」
「皆さん、もう受験は終わったようなものだし。それならいいんじゃないかしら。音楽は先生も好きです。」と、先生は、太ったお腹を膨らまして、何が歌いそう。
R&Bですね、きっと(笑)。
その週の土曜、めぐとれーみぃは、お買い物に出た。
路面電車に乗って、坂道の駅前へ。
「体験入院かーぁ。なんか、病院と間違えちゃうよぉ」と、めぐ。
「やっぱ罰ゲームなんじゃない?」と、れーみぃ。
「そっかぁ。だって、学校サボりだもんなぁ
内申書に書かれちゃうよ」と、れーみぃ。
「ところで、れーみぃはさ、どこ受けるの?」と、めぐ。
「あのね、」と、れーみぃは耳打ち。
「えーーーー!ハイウエーパトロール!!」と
めぐが大きな声だしたので、路面電車の運転手さんはびっくりして
電車が揺れた(笑)。
「すみません」と、ふたりで謝り、車内はにこやか。
「若いっていいわね」と、初老のご婦人。
ふくよかに、のんびりと。
路面電車を駅前で下りると、めぐの携帯へメール。
from:kamisama@god.com;
あー、わしじゃ。
こないだ、ルーフィー君に会った時
東京駅から一緒じゃった旅人がな、シスター志望なんじゃと。
それで、ちょっと連れて行くから
よろしく
相変わらず音声でメールを書いているらしい。
「なにこれ?」と、めぐは呆気(笑)。
そのうちにも、路面電車は図書館前を過ぎ、駅前へ。
図書館のアルバイトは、きょうは
クリスタさんが行っている。
天使さんだけど、やっぱり
自由になるお小遣もほしいだろうし(笑)とか
言って
めぐは、見た目がそっくりな事をいい理由にして
クリスタさんを、バイトの代役にしている。
「きょう、バイトはー?」れーみぃが聞くと
「クリスタさんが」と、めぐ。
「いいの?お小遣なくなっちゃうよー」と、れーみぃは
路面電車の吊り革にぶら下がるふり。
ニス塗りの電車の中は、いい匂いがする。
床油も、しっかり塗られていて。
緑色のシート、人影はまばら。
駅前について、めぐはとことこ、と
電車を下りる。
れーみぃも続いて。
駅前は賑やか。
ヨーロッパの北の外れ、ここは
フランスの隣。
共和国だから、元々
経済競争には縁が遠い。
いろいろな国から、のんびり暮らしたい
ひとたちが、移民してくる国。
だから、争いもそんなにはない。
お金はそんなに持っていなくても
信用で買えるから、必要なものは
べつに、お小遣でなくてもだいじょうぶ。
でも、クリスタさんは天使さんだから
国籍不明(笑)なので
銀行口座が作れないから、お小遣がいる。
「さーてぇ、どこいこか」と、めぐ。
「お買い物、お買い物。とりあえずはお菓子かな」と、れーみぃ。
「だめぇ、修道院って持ち込み禁止なんだって」と、めぐ。
「えー?死んじゃうよ。そんなの。」と、れーみぃ。
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バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
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