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第一章 イフィゲニア王都奪還作戦編
第17話 思わぬ部隊編入
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天幕の広間には、どんよりとした空気が流れていた。この雰囲気を生み出したのがアレックスであれば、それを解消するのもまた然りだ。
「そこで、俺から提案がある!」
暗い雰囲気を吹き飛ばすアレックスの明るい声が響き、何かを期待するような視線が集まる。
「エクトルとやら。シルファ専属の親衛隊副長をやらんかね」
「え! そ、それは……」
アレックスの言葉にエクトルが思わず立ち上がりそうに腰を浮かせたが、なんとか思い止まったように身を正した。驚いたのは、エクトルだけではない。デブラが眉根を寄せ、どちらかと言うと快く思っていない様子である。
デブラへのフォローを後回しにし、アレックスはエクトルを茶化した。
「なんだよ。隊長がよかったのか?」
「なっ、め、滅相もございません。シルファ殿下がお許しいただけるのならば、謹んで副長の任を拝命いたします」
「だ、そうだが。いいよな? シルファ」
よし、あとはシルファが頷くだけだな、とアレックスがシルファを窺う。
一方、アレックスから見上げられたシルファは困惑してしまう。エクトルの予想外の言葉やアレックスの仮説や突拍子もない提案に、先程から心が落ち着かないのだ。
(アレックスのことですから何かお考えがあるのでしょう。でも、いったい何を考えているのかしら。わたくしは、アレックスさえいてくれればそれで十分ですのに)
シルファは、アレックスに身も心も捧げるつもりでいる。いや、既にシルファの心は完全にアレックスで埋め尽くされていた。イフィゲニア王国を取り戻し、帝国と呼ばれたかつての栄華を取り戻したいという夢がある。けれども、それはアレックスを頂に置いたことを前提としているのであった。
それならば答えは既に出ている。
「いえ、よくありませんわ」
シルファが冷めた声で言い放ち、腕を組んでプイッとそっぽを向く。
「そうかそうか、わかってくれたか……は?」
アレックスは、拒否されるとは考えていなかったのか、しきりに頷いてからようやくシルファの言葉の意味を理解したようだ。啞然としたように目をひん剥いている。もうこれでもかというくらいに。
エクトルは石像と化しており、デブラが、「これは傑作だわ」と言って元侯爵令嬢だとは思えないほど豪快に声を上げて笑っている。アレックスを笑って大丈夫かしらと心配になったシルファだったが、デブラの視線はエクトルに向いていた。どうやらエクトルが相手にされていないことを笑ったようだ。
シルファは、わがままであることを自覚しながらも、アレックスに自分の考えを伝えることにした。
「何をそんなに驚いているのですか? いままでだってわたくしとラヴィーナの二人で生き抜いてきたのです。親衛隊がなくとも問題ありませんわ。それに、正直申し上げますと、エクトル小隊長のことをよく存じ上げませんし」
シルファは強がった。ラヴィーナと二人で生き抜いてきたことは事実だ。それでも、そうせざるを得なかっただけなのである。
(いまは、あなたもいるではありませんか、アレックス……)
最後の理由は、単なる後付けに過ぎない。想いよ届けというように、シルファがアレックスを見つめる。が、アレックスが困ったように苦笑を浮かべていた。
「あー、いや、まったくもってその通りなんだが、国を再建するのに独自の部隊を持たなくてどうする? 国を統治するには、それ相応の武力が必要なんだよ。従う兵士もいない王様なんか笑い者だぞ」
アレックスの言い分は尤もなことだ。シルファだって理解している。それでも、シルファの想いが伝わっていないことに気付き、シルファの心がキューっと締め付けられたように痛んだ。
だがしかし、ここで引き下がる訳にはいかなかった。
「それは承知しております。ただわたくしは、アレックスと共に歩むと誓ったハズです。アレックスさえいてくれればそれで十分ですわ」
「確かに、俺も全力でバックアップする。あの誓いを反故にするつもりもない。だがな、シルファよ。俺がおまえの何を見ていたのか理解していないようで残念だ」
途端、シルファは全身から血の気が引くのを感じる。
いつもより低い声音で言われたこともあるが、アレックスの表情からは何の感情も読み取れなかった。それは、まさに無。シルファに興味を失ったような表情は、かつて、父であるアマデオから向けられた無関心のそれと同じだったのである。
「……やっ、嫌です。そんなの……」
シルファは、幼いころに感じた絶望よりもはるかに深い闇に落ちる感覚に襲われる。
「そ、そうか。じゃあ、無理にとは言わないが――」
「違います! アレッ、至高の御方がそう仰るのであれば。親衛隊のことは、仰せのままに」
もはや、アレックスの信用を裏切ったシルファに拒否権などある訳がなかった。あの、「無理にとは言わないが」の続きを聞きたくなかったシルファは、アレックスの命令を受け入れるより外なかったのだった。
アレックスは、益々パニックに陥った。
(え? これはいったいどういう状況で?)
アレックスは、いままで孤独だったシルファのためを思って彼女専属の部隊創設を提案したに過ぎない。シルファに説明した通り、いくら個人で力を持っていようが、やはり限度がある。威厳のためというのもあるが、数の力を前にしては、個の力はたかが知れている。
「まあ、なんだ。その、勝手に決めて悪いと思うが、これは必要なことなんだ。わかってくれるな?」
「はい、承知しております」
シルファの返事に覇気を感じられない。先ほどから俯いたまま目も合わせてくれないのだ。異世界だろうが女という生き物は何を考えているかわからん、と嘆息したアレックスはどうしたものかと思い悩む。
クロードに視線を向けても相変わらずの仏頂面で期待するだけ無駄だろう。
「それに、エクトルが気に入らなければ後でクビにすればいいじゃねえか」
両手を絨毯に突いてむせび泣くエクトルには悪いと思いつつ、アレックスが冗談を言ってもシルファは無反応だった。
「それに、エクトルは副長だ。デブラにも副長を務めてもらうつもりだが、隊長は誰だと思う?」
「え、まさか!」
気を持ち直したようにシルファが笑顔になる。彼女の生い立ちを考えれば、親衛隊たちだけに任せられない。彼らからしたら納得できないかもしれないが、シルファに許可を得られれば問題ないだろう。
「そうだ。この場にいるではないか。隊長に適任な人物が」
アレックスが立ち上がり、その人物へと手招きをする。
「クロード。お前が隊長だ」
「……」
なぜかクロードが顎へ手をやり考え込むような仕草をする。
「おい、何だよ。不満があるならいまのうちに言ってくれ。でないと、統制上あとで問題になるからな」
「いえ、陛下がそうせよと仰るならば従うのみです」
踵と踵を付けて敬礼したクロードの様子に頷いてからアレックスがシルファへ視線を向けると、もの凄く不機嫌そうにむくれていた。
「おいおい、クロードも駄目なのか?」
「いえ、そうではありません。わたくしはてっきり……」
「俺が良かったと?」
「あ、いえ、はい……」
どうやら図星だったようだ。シルファが落ち込んだように肩を落として重い息をしていた。予想はしていたが、アレックスと一緒でないと気が済まないらしい。
アレックスは、シルファの名を呼んで彼女の前で片膝を突いて両肩に手を置いた。
「わかってくれ。べつに離れ離れになる訳ではない。戦場では一緒に並んで戦うつもりだ。ただ、保険として俺が信用しているクロードをお前の側に置いておきたいんだよ」
全ての事情がわかっていない現在、アレックスは独自に動く必要がありそうなのだ。毎回シルファを連れ立って行動することもできないだろう。そう考えると、アレックスの陣営から有能な部下を割いた方が安心できる。
護衛として考えるならば旅団長の方がステータス的には完璧だ。が、いかんせんまともな性格をしている人物がいない。ともなると、Sランク傭兵から選ばざるを得ない。ガサラムは帝都防衛のために欠かせない。同性としてソフィアをとも考えたが、彼女はどこか抜けていて安心できない。
つまり、消去法でクロードが適任だろうとの結論へと至ったのだった。
考えるように瞳を閉じているシルファに、アレックスが続けた。
「何を考えているかよくわからん奴だが、ほら、この通り任務に忠実な奴だ。頼むから仲良くしてやってはくれないだろうか」
「くふ、そうですよね」
何が面白いのか、シルファが息を漏らしてから頷いたのだった。
引見を終えてエクトルやデブラたちが退出すると、広間には主要な配下が集まっていた。アレックスが今後の予定を打ち合わせるためだ。
「転移門が完成したら、イザベルが増援部隊を引き連れてくるが、王都が敵の手に落ちている訳ではないらしい。よって、ここの集落を防衛拠点に作り替えるまでの間、各自レベル上げに励んでくれ」
ゲイリーの思惑がわからない以上不確かではあるものの、シヴァ帝国やヴェルダ王国の占領下ではないことが判明している。それならば、先ずは基盤固めを優先することにしたのだ。
「特にクロード。ガサラムとソフィアと協力して集落の魔人たちのレベル上げを優先するように。元から親衛隊の方は、俺とシルファで担当する」
「委細承知」
いつも反応が薄いクロードは、今回ばかりは機嫌が良さそうだった。笑っている訳ではない。心なしか返事にやる気が込められている気がしたのだ。
てっきり、シルファの部隊に配属されて機嫌を損ねるかと思ったのだが、それはアレックスの考えすぎだったようだ。これならば安心して親衛隊を任せられそうで何よりだ。
じゃあと言ってアレックスが立ち上がると、全員が佇まいを正した。
「では解散」
第三旅団長のシーザーは周囲警戒の任務へ、第五旅団長のブラックは転移門と拠点整備へ、クロード、ソフィアとガサラムの三人は集落の戦闘要員の訓練へと向かうべく天幕を出ていく。
「さて、これから面白くなりそうだ」
アレックスは、編成画面に新しく表示された、「シルファ親衛隊」というタブを見ながらほくそ笑むのだった。
「そこで、俺から提案がある!」
暗い雰囲気を吹き飛ばすアレックスの明るい声が響き、何かを期待するような視線が集まる。
「エクトルとやら。シルファ専属の親衛隊副長をやらんかね」
「え! そ、それは……」
アレックスの言葉にエクトルが思わず立ち上がりそうに腰を浮かせたが、なんとか思い止まったように身を正した。驚いたのは、エクトルだけではない。デブラが眉根を寄せ、どちらかと言うと快く思っていない様子である。
デブラへのフォローを後回しにし、アレックスはエクトルを茶化した。
「なんだよ。隊長がよかったのか?」
「なっ、め、滅相もございません。シルファ殿下がお許しいただけるのならば、謹んで副長の任を拝命いたします」
「だ、そうだが。いいよな? シルファ」
よし、あとはシルファが頷くだけだな、とアレックスがシルファを窺う。
一方、アレックスから見上げられたシルファは困惑してしまう。エクトルの予想外の言葉やアレックスの仮説や突拍子もない提案に、先程から心が落ち着かないのだ。
(アレックスのことですから何かお考えがあるのでしょう。でも、いったい何を考えているのかしら。わたくしは、アレックスさえいてくれればそれで十分ですのに)
シルファは、アレックスに身も心も捧げるつもりでいる。いや、既にシルファの心は完全にアレックスで埋め尽くされていた。イフィゲニア王国を取り戻し、帝国と呼ばれたかつての栄華を取り戻したいという夢がある。けれども、それはアレックスを頂に置いたことを前提としているのであった。
それならば答えは既に出ている。
「いえ、よくありませんわ」
シルファが冷めた声で言い放ち、腕を組んでプイッとそっぽを向く。
「そうかそうか、わかってくれたか……は?」
アレックスは、拒否されるとは考えていなかったのか、しきりに頷いてからようやくシルファの言葉の意味を理解したようだ。啞然としたように目をひん剥いている。もうこれでもかというくらいに。
エクトルは石像と化しており、デブラが、「これは傑作だわ」と言って元侯爵令嬢だとは思えないほど豪快に声を上げて笑っている。アレックスを笑って大丈夫かしらと心配になったシルファだったが、デブラの視線はエクトルに向いていた。どうやらエクトルが相手にされていないことを笑ったようだ。
シルファは、わがままであることを自覚しながらも、アレックスに自分の考えを伝えることにした。
「何をそんなに驚いているのですか? いままでだってわたくしとラヴィーナの二人で生き抜いてきたのです。親衛隊がなくとも問題ありませんわ。それに、正直申し上げますと、エクトル小隊長のことをよく存じ上げませんし」
シルファは強がった。ラヴィーナと二人で生き抜いてきたことは事実だ。それでも、そうせざるを得なかっただけなのである。
(いまは、あなたもいるではありませんか、アレックス……)
最後の理由は、単なる後付けに過ぎない。想いよ届けというように、シルファがアレックスを見つめる。が、アレックスが困ったように苦笑を浮かべていた。
「あー、いや、まったくもってその通りなんだが、国を再建するのに独自の部隊を持たなくてどうする? 国を統治するには、それ相応の武力が必要なんだよ。従う兵士もいない王様なんか笑い者だぞ」
アレックスの言い分は尤もなことだ。シルファだって理解している。それでも、シルファの想いが伝わっていないことに気付き、シルファの心がキューっと締め付けられたように痛んだ。
だがしかし、ここで引き下がる訳にはいかなかった。
「それは承知しております。ただわたくしは、アレックスと共に歩むと誓ったハズです。アレックスさえいてくれればそれで十分ですわ」
「確かに、俺も全力でバックアップする。あの誓いを反故にするつもりもない。だがな、シルファよ。俺がおまえの何を見ていたのか理解していないようで残念だ」
途端、シルファは全身から血の気が引くのを感じる。
いつもより低い声音で言われたこともあるが、アレックスの表情からは何の感情も読み取れなかった。それは、まさに無。シルファに興味を失ったような表情は、かつて、父であるアマデオから向けられた無関心のそれと同じだったのである。
「……やっ、嫌です。そんなの……」
シルファは、幼いころに感じた絶望よりもはるかに深い闇に落ちる感覚に襲われる。
「そ、そうか。じゃあ、無理にとは言わないが――」
「違います! アレッ、至高の御方がそう仰るのであれば。親衛隊のことは、仰せのままに」
もはや、アレックスの信用を裏切ったシルファに拒否権などある訳がなかった。あの、「無理にとは言わないが」の続きを聞きたくなかったシルファは、アレックスの命令を受け入れるより外なかったのだった。
アレックスは、益々パニックに陥った。
(え? これはいったいどういう状況で?)
アレックスは、いままで孤独だったシルファのためを思って彼女専属の部隊創設を提案したに過ぎない。シルファに説明した通り、いくら個人で力を持っていようが、やはり限度がある。威厳のためというのもあるが、数の力を前にしては、個の力はたかが知れている。
「まあ、なんだ。その、勝手に決めて悪いと思うが、これは必要なことなんだ。わかってくれるな?」
「はい、承知しております」
シルファの返事に覇気を感じられない。先ほどから俯いたまま目も合わせてくれないのだ。異世界だろうが女という生き物は何を考えているかわからん、と嘆息したアレックスはどうしたものかと思い悩む。
クロードに視線を向けても相変わらずの仏頂面で期待するだけ無駄だろう。
「それに、エクトルが気に入らなければ後でクビにすればいいじゃねえか」
両手を絨毯に突いてむせび泣くエクトルには悪いと思いつつ、アレックスが冗談を言ってもシルファは無反応だった。
「それに、エクトルは副長だ。デブラにも副長を務めてもらうつもりだが、隊長は誰だと思う?」
「え、まさか!」
気を持ち直したようにシルファが笑顔になる。彼女の生い立ちを考えれば、親衛隊たちだけに任せられない。彼らからしたら納得できないかもしれないが、シルファに許可を得られれば問題ないだろう。
「そうだ。この場にいるではないか。隊長に適任な人物が」
アレックスが立ち上がり、その人物へと手招きをする。
「クロード。お前が隊長だ」
「……」
なぜかクロードが顎へ手をやり考え込むような仕草をする。
「おい、何だよ。不満があるならいまのうちに言ってくれ。でないと、統制上あとで問題になるからな」
「いえ、陛下がそうせよと仰るならば従うのみです」
踵と踵を付けて敬礼したクロードの様子に頷いてからアレックスがシルファへ視線を向けると、もの凄く不機嫌そうにむくれていた。
「おいおい、クロードも駄目なのか?」
「いえ、そうではありません。わたくしはてっきり……」
「俺が良かったと?」
「あ、いえ、はい……」
どうやら図星だったようだ。シルファが落ち込んだように肩を落として重い息をしていた。予想はしていたが、アレックスと一緒でないと気が済まないらしい。
アレックスは、シルファの名を呼んで彼女の前で片膝を突いて両肩に手を置いた。
「わかってくれ。べつに離れ離れになる訳ではない。戦場では一緒に並んで戦うつもりだ。ただ、保険として俺が信用しているクロードをお前の側に置いておきたいんだよ」
全ての事情がわかっていない現在、アレックスは独自に動く必要がありそうなのだ。毎回シルファを連れ立って行動することもできないだろう。そう考えると、アレックスの陣営から有能な部下を割いた方が安心できる。
護衛として考えるならば旅団長の方がステータス的には完璧だ。が、いかんせんまともな性格をしている人物がいない。ともなると、Sランク傭兵から選ばざるを得ない。ガサラムは帝都防衛のために欠かせない。同性としてソフィアをとも考えたが、彼女はどこか抜けていて安心できない。
つまり、消去法でクロードが適任だろうとの結論へと至ったのだった。
考えるように瞳を閉じているシルファに、アレックスが続けた。
「何を考えているかよくわからん奴だが、ほら、この通り任務に忠実な奴だ。頼むから仲良くしてやってはくれないだろうか」
「くふ、そうですよね」
何が面白いのか、シルファが息を漏らしてから頷いたのだった。
引見を終えてエクトルやデブラたちが退出すると、広間には主要な配下が集まっていた。アレックスが今後の予定を打ち合わせるためだ。
「転移門が完成したら、イザベルが増援部隊を引き連れてくるが、王都が敵の手に落ちている訳ではないらしい。よって、ここの集落を防衛拠点に作り替えるまでの間、各自レベル上げに励んでくれ」
ゲイリーの思惑がわからない以上不確かではあるものの、シヴァ帝国やヴェルダ王国の占領下ではないことが判明している。それならば、先ずは基盤固めを優先することにしたのだ。
「特にクロード。ガサラムとソフィアと協力して集落の魔人たちのレベル上げを優先するように。元から親衛隊の方は、俺とシルファで担当する」
「委細承知」
いつも反応が薄いクロードは、今回ばかりは機嫌が良さそうだった。笑っている訳ではない。心なしか返事にやる気が込められている気がしたのだ。
てっきり、シルファの部隊に配属されて機嫌を損ねるかと思ったのだが、それはアレックスの考えすぎだったようだ。これならば安心して親衛隊を任せられそうで何よりだ。
じゃあと言ってアレックスが立ち上がると、全員が佇まいを正した。
「では解散」
第三旅団長のシーザーは周囲警戒の任務へ、第五旅団長のブラックは転移門と拠点整備へ、クロード、ソフィアとガサラムの三人は集落の戦闘要員の訓練へと向かうべく天幕を出ていく。
「さて、これから面白くなりそうだ」
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