ハーレムでハブられてるけど、一番愛してる自信ある!

珈琲きの子

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第二章

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  慣れというものは怖い。数日でモンスターを倒すことに何も感じなくなってきていた。これも勇者補正か。ただラビトルとか言う兎もどきだけは無理だ。

 剣を振るう事に慣れてきた俺を見て、王女が魔法を使うことを提案してきた。直接斬る必要がないってことだろ。俺は王女に言われるままに魔法をぶっ放した。
 しかし、火属性魔法と言うのは、あれだ。火力が弱ければ、モンスターを異臭を放つ生焼けの肉塊にしてしまう最悪な術だ。さすがにここら辺はゲームのようにはいかないらしい。
 そのグロテスクなものを見ても、女共は顔色一つ変えなかった。生きる世界が違えばこうも違うのか。
 ただ、あの男だけは木に隠れて吐いていたようだ。隠してはいたようだが、合流後の顔色の悪さが物語っていた。

 そんな様子をみて、あれでも男か、から始まり、役立たずやら、足手まといになるから置いていくべきやらと、女たちは騒がしかった。
 同意見、と言いたいところだが、いかんせんアレはキツイ。胃の内容物がせり上がってきそうになっている俺の前で平然と罵っているのを見ると、この世界の人間は、勇者というものは何から何まで完璧だと思っているんだろう。または、何も感じない兵器か。
 情がない時点でお互い様だが、こういうやつらに弱みを見せたくない。弱みを見せれば、あの男を罵倒しておきながら、勇者は仕方がないとでも言いそうだ。その光景がありありと目に浮かぶ。くだらねぇ。

 そんな奴等と食事もしたくない。用意された部屋に「疲れた」とぶっきらぼうに言い残して閉じ籠って……吐いた。クソ野郎が。

 国境の砦で通行証を見せれば、あっさりと通され、隣国へと足を踏み入れた。
 小さな町で依頼を受けながら移動し、王都へ入れば、俺は内心感嘆を上げた。城下町ような街並みだったからだ。元の世界に戻って来たと錯覚するほどに、日本の風景が広がっていた。

 酒場のマスターに聞けば、こちらの世界に残った勇者が建国に関わっているらしい。ハーレムシステムがなかった時代だというから相当昔の事だろう。
 風呂もあるらしいと聞き、雑用係に風呂のある所にしろと宿を変えさせた。文句の一つでも垂れるかと思えば、何でもないかのように「すぐに変えてきます」と顔に笑みを張り付けて二つ返事。拍子抜けだ。少しでも反抗的な態度を取れば、ややこしい理由付けもいらずに解雇処分にできるってのに。

 ただ、奴の取って来た宿はそこそこ良かった。久しぶりに温かい風呂、しかも露天風呂にありつき、一時異世界にいることを忘れて湯を愉しんだ。
 ふと思い立って、その宿の女将に浴槽がどこかで売っていないか聞くと、専門の店もあるらしく、翌日にふらりとその店を訪れた。
 檜のような香りがする木製のものから、岩を削っただけの豪快かつシンプルなものまであったが、それは宿で使うような大きなものだ。それにヒントを得て、俺は街の近くにあった大木を切り倒し、丸太をくりぬいて浴槽を作った。俺はここに来て初めて娯楽を見つけたのだった。
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