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第1章 沢田くんと恋の予感
沢田くんと隠せない気持ち
しおりを挟む「お……【遅くなってごめんね、佐藤さん!】」
やがて、沢田くんが私のアイスティーと自分のコーラを持って私のいるテーブルに戻ってきた。
「ありがと、沢田くん」
どこにも行かずにちゃんと戻ってきてくれた。それだけで嬉しかった。
【あれ? 佐藤さん、ちょっと泣きそうな顔してる? なんでなんで? どうしたの、佐藤さん! お腹すいちゃったの? 俺のカツ丼、ちょっと食べる?】
沢田くんの心配そうな声で、自分がそういう顔をしていたんだということに気がつく。
沢田くんの心の声に感動したからだよ、なんて言えるわけがないから、私は笑ってごまかした。
「お腹すいたね」
「うん【やっぱりそうか。あーよかった、俺といるのが嫌になっちゃったのかと思ったよ】」
沢田くんは顔に出ていないけど、ホッとしているみたいだ。
【でも、佐藤さんも本当は俺なんかといるより森島くんみたいなイケメンといた方が何万倍も楽しいんだろうな……。森島くん、俺じゃなくて佐藤さんを誘ってあげたら良かったのに】
寂しげな彼の声音に、胸がズキッとした。
沢田くん、自分の価値を分かってなさすぎだよ。沢田くんの方が森島くんより何万倍も面白いのに。
私は思い切って彼に言った。
「ねえ、沢田くん。さっきドリンクバーで森島くんと話してたでしょ」
「あ……【見てたんだ】うん」
「どんな話だったの?」
「……あっちで一緒にしゃべらないかって【絶対無理無理無理無理】」
私は吹き出しそうになるのを堪える。
「行かなくて良かったの?」
「……うん【佐藤さんをひとりぼっちにはできないよ。当たり前!】」
沢田くん、優しい。
自然と笑顔になる。
「良かった! 沢田くんいなくなっちゃうと寂しいもん。せっかく頼んだパフェも二人で食べたかったし。それに……森島くんといるより沢田くんといる方がずっと楽しいしね!」
すると、沢田くんの目が驚きに見開かれた。
【佐藤さん……! ホントにーーー⁉︎ 。゚(゚´ω`゚)゚。う、う、嬉しいっ! 俺、泣いちゃうよーっ! このファミレス俺の涙で今から水没しますけど、救命胴衣はお持ちですか⁉︎ って、あるわけないだろバカーっ! 佐藤さんを殺す気か! 堪えろ俺! 落ち着け、俺ーっ! ああ、でもマジ嬉しい!!】
感動で目がうるうるになりそうな沢田くんのところに、カツ丼が運ばれてきた。
「大丈夫? 沢田くん。なんか泣きそうだけどお腹すいたの? ほら、カツ丼だよ。食べて食べて」
「う、うん【いいタイミングでカツ丼来たー! これでごまかせる!】」
何にもごまかせてないけど、ごまかせたと思っている沢田くんが可愛い。
笑っちゃう。
やだな。私もごまかせないよ。
やっぱり私、沢田くんのこと……好きみたいだ。
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