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第4章 沢田くんと夢の遊園地
沢田くんと観覧車2
しおりを挟む沢田くんの可愛さに何だかほっこりして、私の肩の力が抜けた。
気がつくと、沢田くんの背後に差す夕陽が観覧車のガラスでプリズムを作っている。
綺麗だけど、私の位置だとちょっと眩しすぎる。
「沢田くん、そっちに行ってもいい?」
四人乗りの観覧車には、二人で並んで座れる余裕がある。
「えっ……【佐藤さん⁉︎ なんて大胆な……!((((;゚Д゚)))))))】」
沢田くんの足の震えがさらに異常なスピードになる。
やばい、もっと緊張させちゃった。
「あっ……ごめん。嫌だよね」
「いや……【いやいや、嫌じゃない! 違うよっていう意味の「いや」だよこの「いや」は!!】いや……【だから嫌じゃないの否定の「いや」ね!! ああややこしいな日本語!! なんで嫌と否定のいやが同じ「いや」って音なんだよ!!! これじゃ佐藤さんに誤解されちゃうよ!!】いや……【あああ~~。゚(゚´ω`゚)゚。今のは「いや~まいったまいった」のいやだから!! クッソ日本語がああああ~~!!】
行っていいのかいけないのか迷っているうちにもう3分経った。
「……どうぞ」
沢田くんはロボットのように硬くなりながらやっと一人分のスペースを空けてくれた。
「ありがとう!」
もう眩しくない角度にはなっていたけど、せっかくだから私は喜んで沢田くんの隣に座らせてもらった。
ふと隣を見上げると、夕陽が沢田くんの黒髪をキラキラと輝かせていた。
カッコ良すぎて私まで言葉を失いそう。
「あ……見て、夕陽。すごく綺麗だね」
私は沢田くんを意識しながら、ごまかすようにガラス窓の外を見る。
「あ……うん」
と沢田くんも時々私を見つめては視線を外す。
【佐藤さん、可愛い】
その時不意に聞こえてきた声に、私の心臓がドキッとした。
【夕陽なんかよりずっと、佐藤さんの方が綺麗だよ……】
き……きゃあああああああ~~~!!!
生の声で聞きたいセリフナンバーワンが飛び出した!
キュン死にする前に、お礼が言いたい!
「沢田くん。私……沢田くんとデートできてすっごく嬉しかったよ。誘ってくれてありがとう」
何とか最後まで言ってから、私はそっと口角を上げた。
その瞬間、沢田くんの心臓がパアン! と破裂する音が聞こえた。
【ぐはあああああああ~~!!_:(´ཀ`」 ∠): 何それ、可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い~~~(*´Д`*)!! ああ、幸せだよーっ!! 俺、生きてて良かったーっ!! 神様ありがとう、父ちゃん母ちゃんありがとう!! 佐藤さんありがとうーっ!!】
沢田くんの無言の叫びが観覧車を揺るがす。
……ああ、もうダメ。
言いたくて仕方ないセリフ、言っちゃうよ。
「沢田くん」
それはちょうど観覧車がてっぺんに差し掛かった時だった。
「私……沢田くんが、大好き」
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