猫なので、もう働きません。

具なっしー

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8入学式

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すみません…久しぶりに見返したところ、第6話の双子の名前が反対になってました。修正したことを報告します。
整理すると、
兄ルーク 元気・花・フィーちゃん
弟リアム 落ち着いてる・川・泣きぼくろ・フィオナ

です。混乱させてしまって申し訳ない…
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(秋の終わりから冬の初めへ)

空は高く澄み、学院の塔の尖端にはうっすら雪が積もっていた。吐く息は白く、朝の空気は少し冷たい。

私――フィオナ・フェルモント
ついについに!10歳になりました!!
今日は待ちに待った学院の入学式。

なんとなんと、この世界は冬に入学式があるんです!
お父様とお兄様は本当は学院に行かせたくなかったらしい。
(女の子は貴重な為、学院に行く人が少ない。行く人はだいたい婚約者探し、恋人探しのために行く。フィオナがいくと婚約者殺到間違いなしだったから…フィオナが言い出さなかったら、学院に通うことはなかった。)

でも私は、この世界をもっと知ってみたいし、学校なんて580年振りくらいだからね。もっとこうしとけばよかったって思ってたことが沢山ある。
だから、パーティーの後にお父様に
「私も学院に行きたい!」っておねだりしてなんとか入学をもぎ取ったんだ。喜ぶ私をみてお兄様とお父様は複雑そうな顔をしてた。
入学が決まってからはあっという間だった。なんと入学式が2週間後だって言われて、制服や必要なものを揃えたりした。

(アーサーとレオンハルトはフィオナの虫除け作戦を練り上げ、寝不足で目の下にくまさんを召喚していた)



こうして迎えた今日、入学式!!

学院は10歳から18歳までが在籍している。
お兄様はじめ、三人の王子ーーーアル(アルフォンス)、ラフィ(ラファエル)、エディ(エドワード)が上の学年。
同じ学年には双子のルークとリアム、第四王子オリー(オリヴィエ)が同じ学年にいる。同じクラスになれるかなぁ…

私たちの学年の生徒は全部で三百人。そのうち女の子は、たった三十人しかいないらしい。


「女の子のお友達、いっぱい作るぞー!」 

580年ぶりの学校生活に、心が弾む。
馬車の中で胸を張って宣言すると、お兄様とお父様は少し苦笑して私の頭を撫でた。


私はその言葉を、入学式のあとにすぐ撤回することになる…



学院の講堂は、大理石の床が陽光を反射してきらめいていた。
高い天井のシャンデリアには魔石が埋め込まれ、虹色の光が差し込んでいる。
豪奢な制服に身を包んだ貴族の子息たちがずらりと並んでいた。私はお父様とお兄様に挟まれて席に着いた。

落ち着いて周りを見渡すとなんだか見られているような感じがした。


ーーまずい…虫共がこちらを見ている、レオンハルト!作戦1を実行する。
ーー了解です。父上。僕の命に変えても守り抜きます!

あれ、なんだか周りに人が居なくなった気がする…気のせいかな?

「あ!いたー!フィーちゃん!!」
「フィオナー」
「おいおい、そう走るな」

双子とセオドア伯爵が歩いてきた。狐耳と尻尾、人外レベルの美形すぎて一際目立っている。

「アーサー!久しぶりだな、また、若返ったんじゃないか??レオンハルトくんもフィオナ嬢も見ないうちに大きくなったなぁ!」

「フィーちゃん久しぶり!会いたかったー!あ、レオンハルトもいたんだ。」
「フィオナ、久しぶり。ずっと会えなくて寂しかった…あ、レオにいもいたんだ」

…えっと、サッカーもドレス会議でも会いましたよね?居ましたよね??1ヶ月ぶりくらいですよね…あ!ちょっと、セオドア伯爵!お父様を通して漫画の催促するのやめてください!

「僕はついでか!」
「ごめんごめん、フィーちゃんしか目に入ってなかった」
「フィオナが可愛すぎた…それ以外塵。」
「はっはっは!レオンハルト、塵だってよ!」
「父上まで…まぁ、フィオナが可愛いのは本当のことですから、別に構いませんけどね」
「息子達がすまんな」

(フィオナはこの会話を聞いておらず、漫画の続きを考えていた)

双子達は前の席に座った。
(フィオナ達の周りは作戦1の成果でガラガラ)

「フィーちゃん、これからいっぱい学院で会えるの嬉しい!!」
「フィオナと同じクラスをもぎ取る。」
「私も嬉しい!同じクラスになりたい!友達がいると安心だもん」
「「ガーン、ともだち…」」

「え、友達…じゃなかった?ごめん。そう、だよね……勝手に友達だなんて…」
「あー、ちがうちがう!誤解!ほんとにちがくて、」
「ちがうちがう!友達が嫌なんじゃなくて、」

焦ったような双子に、嫌われていたんじゃないとわかって安心する。

「ぷぷぷっ、友達だって笑」(レオンハルト)
「「レオンハルト(レオにい)は黙ってて」」

「フィーちゃん、あのね」「フィオナ、あのね」
「「友達だって言われるのが嫌なんじゃなくて、僕たちもっと…特別なーー」」


「いた…フィー!!」
「こら、オリー!フィーに会えて嬉しいのはわかるが走るな」
「そう言いながらアルにいさんもさっきまで走ってたじゃん」
「…うるさい」

第一王子のアル(アルフォンス)と第四王子のオリー(オリヴィエ)がきた。

私たちは臣下の礼をとったが、アルが苦笑して手を振った。

「ここは学院だから堅苦しいのはいらない。学院では皆平等だからなっ!」
アルのその言葉に全員が頭を上げて席につく。

「フィー、久しぶり…一緒に学院、通えるの嬉しい」
「オリーのおかげで入学式に間に合って、通えることになったの、ありがとう!」

(レオンハルトとアーサーはオリヴィエが学院に行くきっかけだと知って鋭い視線を送った)

「あ!もう面識はあるのかな?」
私は双子をオリーに紹介しようとしたが、前に話した時、あると言っていたのを思い出した。

「…ある」
(フィーとの感動の再会邪魔すんな、お前らなんか塵だ塵!)

※作者が()で副音声をお送りします。

「お久しぶりです。オリヴィエ殿下、いつも良いタイミングで現れますね?これから同じ学院に通えることを嬉しく思います」(来るタイミング絶対わざとだろ!求婚しようとしてたのに邪魔すんな!フィーちゃんと同じクラスになるのは俺達だ!)

「おやおや、オリヴィエ殿下、こんなところで会うとは思いもしませんでした。高貴な殿下はあちらの席がおすすめです。座り心地がいいらしいですよ。」
(性格悪…さっき見つけた風を装ってたけどこんだけ目立ってたら見つけるもクソもないだろ!10分前くらいから様子伺ってたの見えてたからな!黙ってあっちに座っとけ!)

「気遣い、感謝…けど僕、フィーの近くがいい」
(余計なお世話だよ!そもそもお前フィーちゃんとか馴れ馴れしく呼んでんじゃねーよ!てか、前の席陣取っといて醜い嫉妬すんなよ!フィーと1番離れたクラスになっちまえ!)

※副音声終了



双子とオリーは仲がいいみたいだ。
(全くもってそんなことないです。)

オリーとアルは私達の後ろの席についた。

しばらくすると教頭の挨拶で入学式が始まった。

「生徒会長挨拶エドワード・ヴェルデン」
「はい!」

壇上に上がってきたのはお兄様と同級生で第三王子のエディ(エドワード)だ。

「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます!」

至る所で黄色い悲鳴が起こる。あれ、こっち見てない?…気のせいか。その笑顔死者が出そうなのでやめた方がいいですよ。

「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー楽しい学院生活を作っていきましょう!」

エディが礼をして、段を降りた。

「くそ!あの腹黒め…壇上からフィオナに色目使いやがって」
テッテレー!レオンハルトの眉間に深い皺が刻まれた。

学院長の話が終わり、入学式も無事終了。
私は双子とオリー達に「また明日ね!」と手を振って講堂を出た。



外に出ると、冷たい風が頬をなでた。
白い吐息の向こうで、雪がちらちらと舞っている。馬車の待機場が混んでいるので、私達はベンチで待っていることにした。
待っていると父様がなにやら学院長に話があるとかで行ってしまった。私が寒そうにして手に息をかけていたのを見かねて「すぐ戻ってくるからここにいてね」と言って飲み物を買いに行ってしまった。

そのときだった。

「ねぇ、あなたが“フィオナ・フェルモント”でしょ?」

振り返ると、同年代くらいの女の子が3人…婚約者なのかそれぞれ10人くらいの男性を引き連れている…軍隊か!
ぐるっぐるに巻いたツインテール、きらびやかなドレス。
まるで絵本から出てきたお姫様のようだと思った。私は女の子のお友達チャンスだ!とばかりに笑顔を浮かべて、元気な声で言った。
「はい!私がフィオナフェルモントです!」

「あなたね!!!妹の立場を利用してレオンハルト様と無理矢理婚約したのは!!養女の癖に。どうせ元は庶民でしょう?なんっって、浅ましいのかしら!その耳も尾も獣臭いわ!!野蛮なのは見た目だけじゃないのね!貴方みたいな低俗な雌にレオンハルト様は勿体無いわ!今すぐ婚約破棄しなさい!!」

急にキンキン声で怒鳴られ、私の頭は真っ白になった。

衝撃のあまり黙っている私に対して3人は更にヒステリックになっているが、そのうち兄様が戻ってきていなくなった。

……。
……。
……これは、やっちまったのか…?


「女の子のお友達、いっぱい作るぞー!」

朝に言った自分の言葉が頭の中でこだました。

――訂正します。


女の子のお友達、
つくるの、ちょっと………………時間かかりそうです。



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