4 / 30
第4話 無愛想な騎士との出会い
しおりを挟む
風見亭での暮らしが始まってから三日。レティシアは朝から忙しく、客の朝食の支度や部屋の清掃、薪割りの手伝いまで、次から次へと働きづめだった。
それでも、疲労よりも満足感のほうが勝っていた。
手を動かしている間は、何も考えなくて済む。王都で受けた屈辱も、アランの冷たい言葉も、頭のどこか遠くに追いやれる気がした。
「お嬢さん、そっちの鍋、火が強いで!」
「わ、はい!」
マーサ女将の声に慌てて火加減を調整する。焦げた匂いが部屋に広がり、手にした木べらをぐるぐる回すと、女将が笑った。
「はは、まあ最初は誰でも失敗するもんよ。貴族のお嬢さんがこんなことまでしてくれるなんて思わなんだわ。」
「もう、お嬢さんじゃありませんよ。」
「そうかねえ。でも気品は残っとるわ。仕草が上品やもの。」
レティシアは少し恥ずかしそうに笑った。気品なんて、もう必要ない――そう思うのに、体に染みついた所作はなかなか抜けない。
昼食の準備が一段落すると、扉が開いて冷たい空気が入り込んできた。入ってきたのは、エドガーだった。
いつも通り無口で、肩には白い雪が積もっている。厚手の手袋を外すと、女将が声をかけた。
「おかえり、エドガー。巡回終わり?」
「ああ。森の北の端に狼の足跡があった。近づかん方がいい。」
「また出たのかい。ほんと物騒ねえ。」
エドガーは簡単に報告を終えると、暖炉の隅に腰を下ろし、黙ってスープの皿を受け取った。
その様子を厨房の隙間から覗いていたレティシアは、ふとその横顔に目を奪われる。
荒れた頬の傷、年齢よりやや若く見える堅い輪郭、口元の引き締まった線。
表情は冷たいのに、目だけが、どこか哀しげに見えた。
「……変な人。」
思わず小声でつぶやくと、背後でマーサ女将がくすりと笑った。
「気になるんだろ?」
「えっ……い、いえ! そんなつもりは――」
「ふふ、無理に隠さなくてもええさ。あいつ、あんなんだけど、いい人なんだよ。命を張ってこの村を守ってくれてるし、怪我人を見れば自分のもののように世話してくれる。」
レティシアは驚いた。あの無愛想な人が、そんなふうに?
ちらりと視線を戻すと、エドガーが食事を終えて立ち上がり、皿を静かに返していた。粗野でも乱暴でもなく、どこまでも整然とした動作。
それが妙に印象に残った。
その日の夕方、吹雪が強まり、宿の外に雪がうず高く積もった。そんな中、宿に旅商人がやってきた。
男はやけに調子のいい声で、「都会のお嬢さんだ」とレティシアに近づいてくる。
「お嬢さん、手がきれいだねえ。こんなとこで働いているのがもったいないくらいだ。」
「い、いえ……そんな……」
「王都の娘か? なら俺の仕入れを手伝ってくれたら、いい金になるぜ。宿なんかよりずっといい生活を――」
男の手がレティシアの手首を掴んだ瞬間、背後から重低音のような声が響いた。
「離せ。」
瞬きほどの間もなく、その手が外されていた。
エドガーが間に入り、男の腕をひねっていた。動きに無駄がなく、冷たい怒りが宿る瞳。
「お、おいおい、乱暴な真似は――」
「二度とこの宿には近づくな。次は腕じゃ済まん。」
男は顔を強張らせて一歩退き、慌てて逃げていった。残された静寂の中、レティシアは手首を押さえながら彼を見上げる。
「……ありがとうございます。」
「礼はいらん。」
「でも、もしあのままだったら――」
「自分の身くらい、自分で守れるようにしろ。」
棘のある言い方。でも、不思議と怒っているようには感じなかった。
叱るようでいて、どこか心配している気配があった。
「はい……気をつけます。」
エドガーは無言で頷くと、暖炉の方へ歩いていった。マントの裾から滴る雪解け水が床に落ち、音を立てては消えていく。
その背中を見送りながら、レティシアの胸の奥で何かがざわついた。
あの人はなぜこんな辺境にいるのだろう。彼の腕の古傷、無口の理由――何か抱えているものがあるのではないか。
そう思うと、ますます気になってしまうのだった。
夜、部屋に戻ると、窓の外に吹雪が舞っている。
レティシアは手をこすりながら、暖炉の火にあたった。温もりに触れると、少しずつ緊張がほどけていく。
けれど、頭の中に浮かぶのは、夕方見た彼の姿ばかり。
誰かを庇うような背中。あの瞬間、迷わず助けに入った反射的な優しさ。
「……不思議な人だわ。」
小声でつぶやく。
その夜はなかなか眠れず、何度も寝返りを打った。
薄暗い明け方、うとうととまどろむ彼女の耳に、不意に外の物音が聞こえた。窓越しに覗くと、雪の中で人影が動いている。
よく見ると、それはエドガーだった。
夜明け前の巡回だろう。寒風をものともせず村の外れを歩いている彼の姿がぼんやりと見える。
なぜそこまで、と思った。
辺境の村を守るというのは、命を削るような仕事だ。それでも彼は淡々と続けている。
王都の男たちが口先だけの理想を語り、責任を放り出す姿を思い出す。アランもそうだった。
目の前の冷たい雪よりも淡い笑みで、簡単に婚約を捨てた。
エドガーは違う。
彼の言葉は冷たいが、行動が真実だ。
その違いが、レティシアの心に深く刻まれた。
翌朝。吹雪は止み、村には厚く積もった雪が光を反射していた。
宿の前の道を掃くと、子供たちが雪玉を投げ合って遊んでいる。
その傍らに、エドガーの姿があった。手を貸すでもなく、ただ静かに見守っている。
子供が転びかけると、さりげなく手を伸ばし、支えてやる姿が見えた。
「まるで父親みたいね……」
レティシアがぽつりとこぼすと、隣のマーサが笑った。
「そうだろ? エドガーはあんなんでも、面倒見がいいのさ。前に孤児を拾って育てたこともあるんだ。」
「そうなんですか?」
「うん。けどな、その子は病で亡くなって……それから、あいつはますます無口になったんだよ。」
レティシアの胸が締めつけられた。
だからあんな目をしていたのか。誰かを守れなかった痛みを、ずっと抱えている人の目。
彼の心には、癒されない傷があるのだ。
その日の終わり、レティシアは炊事を終えて外に出た。夜の空には星がきらめき、ひんやりとした空気が頬を撫でる。
ふと視線を横に向けると、雪の上で焚火を見つめているエドガーの姿があった。
「寒くないんですか?」
声をかけると、エドガーは驚いたようにこちらを見る。
「お前か。」
「はい。星が綺麗だったので、少しだけ。」
そう言って彼の隣に並ぶ。二人の間に沈黙が落ちた。音は火のはぜる音だけ。
「王都にいたと言ってたな。」
「ええ。もう戻るつもりはありませんけれど。」
「それほどまでに嫌な場所だったのか。」
「そうですね。嘘と裏切りと、見せかけの笑顔しかなかった場所です。」
エドガーは黙って空を見上げた。
「……あんたには、強さがある。」
「え?」
「逃げてきたんじゃない。生きるために進んだ目をしている。」
その言葉に、胸の奥が熱くなった。誰かが初めて認めてくれたような気がして、涙が滲みそうになる。
「ありがとう……ございます。」
小さな声でそう言うと、エドガーは目を逸らして立ち上がった。
「風邪をひく。早く寝ろ。」
背を向けて歩き出す彼を見送る。無愛想でぶっきらぼうな彼の優しさが、胸の奥で静かに沁みていく。
その夜、レティシアはようやく気づいていた。
傷を抱えているのは自分だけではないのだと。
ここでの出会いが、いつか彼女の生きる理由に変わっていくことを、まだ知らぬまま。
続く
それでも、疲労よりも満足感のほうが勝っていた。
手を動かしている間は、何も考えなくて済む。王都で受けた屈辱も、アランの冷たい言葉も、頭のどこか遠くに追いやれる気がした。
「お嬢さん、そっちの鍋、火が強いで!」
「わ、はい!」
マーサ女将の声に慌てて火加減を調整する。焦げた匂いが部屋に広がり、手にした木べらをぐるぐる回すと、女将が笑った。
「はは、まあ最初は誰でも失敗するもんよ。貴族のお嬢さんがこんなことまでしてくれるなんて思わなんだわ。」
「もう、お嬢さんじゃありませんよ。」
「そうかねえ。でも気品は残っとるわ。仕草が上品やもの。」
レティシアは少し恥ずかしそうに笑った。気品なんて、もう必要ない――そう思うのに、体に染みついた所作はなかなか抜けない。
昼食の準備が一段落すると、扉が開いて冷たい空気が入り込んできた。入ってきたのは、エドガーだった。
いつも通り無口で、肩には白い雪が積もっている。厚手の手袋を外すと、女将が声をかけた。
「おかえり、エドガー。巡回終わり?」
「ああ。森の北の端に狼の足跡があった。近づかん方がいい。」
「また出たのかい。ほんと物騒ねえ。」
エドガーは簡単に報告を終えると、暖炉の隅に腰を下ろし、黙ってスープの皿を受け取った。
その様子を厨房の隙間から覗いていたレティシアは、ふとその横顔に目を奪われる。
荒れた頬の傷、年齢よりやや若く見える堅い輪郭、口元の引き締まった線。
表情は冷たいのに、目だけが、どこか哀しげに見えた。
「……変な人。」
思わず小声でつぶやくと、背後でマーサ女将がくすりと笑った。
「気になるんだろ?」
「えっ……い、いえ! そんなつもりは――」
「ふふ、無理に隠さなくてもええさ。あいつ、あんなんだけど、いい人なんだよ。命を張ってこの村を守ってくれてるし、怪我人を見れば自分のもののように世話してくれる。」
レティシアは驚いた。あの無愛想な人が、そんなふうに?
ちらりと視線を戻すと、エドガーが食事を終えて立ち上がり、皿を静かに返していた。粗野でも乱暴でもなく、どこまでも整然とした動作。
それが妙に印象に残った。
その日の夕方、吹雪が強まり、宿の外に雪がうず高く積もった。そんな中、宿に旅商人がやってきた。
男はやけに調子のいい声で、「都会のお嬢さんだ」とレティシアに近づいてくる。
「お嬢さん、手がきれいだねえ。こんなとこで働いているのがもったいないくらいだ。」
「い、いえ……そんな……」
「王都の娘か? なら俺の仕入れを手伝ってくれたら、いい金になるぜ。宿なんかよりずっといい生活を――」
男の手がレティシアの手首を掴んだ瞬間、背後から重低音のような声が響いた。
「離せ。」
瞬きほどの間もなく、その手が外されていた。
エドガーが間に入り、男の腕をひねっていた。動きに無駄がなく、冷たい怒りが宿る瞳。
「お、おいおい、乱暴な真似は――」
「二度とこの宿には近づくな。次は腕じゃ済まん。」
男は顔を強張らせて一歩退き、慌てて逃げていった。残された静寂の中、レティシアは手首を押さえながら彼を見上げる。
「……ありがとうございます。」
「礼はいらん。」
「でも、もしあのままだったら――」
「自分の身くらい、自分で守れるようにしろ。」
棘のある言い方。でも、不思議と怒っているようには感じなかった。
叱るようでいて、どこか心配している気配があった。
「はい……気をつけます。」
エドガーは無言で頷くと、暖炉の方へ歩いていった。マントの裾から滴る雪解け水が床に落ち、音を立てては消えていく。
その背中を見送りながら、レティシアの胸の奥で何かがざわついた。
あの人はなぜこんな辺境にいるのだろう。彼の腕の古傷、無口の理由――何か抱えているものがあるのではないか。
そう思うと、ますます気になってしまうのだった。
夜、部屋に戻ると、窓の外に吹雪が舞っている。
レティシアは手をこすりながら、暖炉の火にあたった。温もりに触れると、少しずつ緊張がほどけていく。
けれど、頭の中に浮かぶのは、夕方見た彼の姿ばかり。
誰かを庇うような背中。あの瞬間、迷わず助けに入った反射的な優しさ。
「……不思議な人だわ。」
小声でつぶやく。
その夜はなかなか眠れず、何度も寝返りを打った。
薄暗い明け方、うとうととまどろむ彼女の耳に、不意に外の物音が聞こえた。窓越しに覗くと、雪の中で人影が動いている。
よく見ると、それはエドガーだった。
夜明け前の巡回だろう。寒風をものともせず村の外れを歩いている彼の姿がぼんやりと見える。
なぜそこまで、と思った。
辺境の村を守るというのは、命を削るような仕事だ。それでも彼は淡々と続けている。
王都の男たちが口先だけの理想を語り、責任を放り出す姿を思い出す。アランもそうだった。
目の前の冷たい雪よりも淡い笑みで、簡単に婚約を捨てた。
エドガーは違う。
彼の言葉は冷たいが、行動が真実だ。
その違いが、レティシアの心に深く刻まれた。
翌朝。吹雪は止み、村には厚く積もった雪が光を反射していた。
宿の前の道を掃くと、子供たちが雪玉を投げ合って遊んでいる。
その傍らに、エドガーの姿があった。手を貸すでもなく、ただ静かに見守っている。
子供が転びかけると、さりげなく手を伸ばし、支えてやる姿が見えた。
「まるで父親みたいね……」
レティシアがぽつりとこぼすと、隣のマーサが笑った。
「そうだろ? エドガーはあんなんでも、面倒見がいいのさ。前に孤児を拾って育てたこともあるんだ。」
「そうなんですか?」
「うん。けどな、その子は病で亡くなって……それから、あいつはますます無口になったんだよ。」
レティシアの胸が締めつけられた。
だからあんな目をしていたのか。誰かを守れなかった痛みを、ずっと抱えている人の目。
彼の心には、癒されない傷があるのだ。
その日の終わり、レティシアは炊事を終えて外に出た。夜の空には星がきらめき、ひんやりとした空気が頬を撫でる。
ふと視線を横に向けると、雪の上で焚火を見つめているエドガーの姿があった。
「寒くないんですか?」
声をかけると、エドガーは驚いたようにこちらを見る。
「お前か。」
「はい。星が綺麗だったので、少しだけ。」
そう言って彼の隣に並ぶ。二人の間に沈黙が落ちた。音は火のはぜる音だけ。
「王都にいたと言ってたな。」
「ええ。もう戻るつもりはありませんけれど。」
「それほどまでに嫌な場所だったのか。」
「そうですね。嘘と裏切りと、見せかけの笑顔しかなかった場所です。」
エドガーは黙って空を見上げた。
「……あんたには、強さがある。」
「え?」
「逃げてきたんじゃない。生きるために進んだ目をしている。」
その言葉に、胸の奥が熱くなった。誰かが初めて認めてくれたような気がして、涙が滲みそうになる。
「ありがとう……ございます。」
小さな声でそう言うと、エドガーは目を逸らして立ち上がった。
「風邪をひく。早く寝ろ。」
背を向けて歩き出す彼を見送る。無愛想でぶっきらぼうな彼の優しさが、胸の奥で静かに沁みていく。
その夜、レティシアはようやく気づいていた。
傷を抱えているのは自分だけではないのだと。
ここでの出会いが、いつか彼女の生きる理由に変わっていくことを、まだ知らぬまま。
続く
0
あなたにおすすめの小説
冷徹婚約者に追放された令嬢、異国の辺境で最強公爵に見初められ、今さら「帰ってきて」と泣かれてももう遅い
nacat
恋愛
婚約者である王太子に濡れ衣を着せられ、断罪の末に国外追放された伯爵令嬢レティシア。
絶望の果てにたどり着いた辺境の国で、孤高と噂の公爵に助けられる。
彼は彼女に穏やかに微笑み、たった一言「ここにいなさい」と囁いた。
やがてレティシアは、その地で新しい居場所と愛を見つける。
だが、彼女を見捨てた王太子が、後悔と未練を胸に彼女を追って現れて――。
「どうか許してくれ、レティシア……!」
もう遅い。彼女は優しく強くなって、誰より愛される人生を歩き始めていた。
婚約破棄されて去ったら、私がいなくても世界は回り始めました
鷹 綾
恋愛
「君との婚約は破棄する。聖女フロンこそが、真に王国を導く存在だ」
王太子アントナン・ドームにそう告げられ、
公爵令嬢エミー・マイセンは、王都を去った。
彼女が担ってきたのは、判断、調整、責任――
国が回るために必要なすべて。
だが、それは「有能」ではなく、「依存」だった。
隣国へ渡ったエミーは、
一人で背負わない仕組みを選び、
名前が残らない判断の在り方を築いていく。
一方、彼女を失った王都は混乱し、
やがて気づく――
必要だったのは彼女ではなく、
彼女が手放そうとしていた“仕組み”だったのだと。
偽聖女フロンの化けの皮が剥がれ、
王太子アントナンは、
「決めた後に立ち続ける重さ」と向き合い始める。
だが、もうエミーは戻らない。
これは、
捨てられた令嬢が復讐する物語ではない。
溺愛で救われる物語でもない。
「いなくても回る世界」を完成させた女性と、
彼女を必要としなくなった国の、
静かで誇り高い別れの物語。
英雄が消えても、世界は続いていく――
アルファポリス女子読者向け
〈静かな婚約破棄ざまぁ〉×〈大人の再生譚〉。
婚約破棄されるはずでしたが、王太子の目の前で皇帝に攫われました』
鷹 綾
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間――
目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。
そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。
一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。
選ばれる側から、選ぶ側へ。
これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。
--
『婚約破棄ありがとうございます。自由を求めて隣国へ行ったら、有能すぎて溺愛されました』
鷹 綾
恋愛
内容紹介
王太子に「可愛げがない」という理不尽な理由で婚約破棄された公爵令嬢エヴァントラ。
涙を流して見せた彼女だったが──
内心では「これで自由よ!」と小さくガッツポーズ。
実は王国の政務の大半を支えていたのは彼女だった。
エヴァントラが去った途端、王宮は大混乱に陥り、元婚約者とその恋人は国中から総スカンに。
そんな彼女を拾ったのは、隣国の宰相補佐アイオン。
彼はエヴァントラの安全と立場を守るため、
**「恋愛感情を持たない白い結婚」**を提案する。
「干渉しない? 恋愛不要? 最高ですわ」
利害一致の契約婚が始まった……はずが、
有能すぎるエヴァントラは隣国で一気に評価され、
気づけば彼女を庇い、支え、惹かれていく男がひとり。
――白い結婚、どこへ?
「君が笑ってくれるなら、それでいい」
不器用な宰相補佐の溺愛が、静かに始まっていた。
一方、王国では元婚約者が転落し、真実が暴かれていく――。
婚約破棄ざまぁから始まる、
天才令嬢の自由と恋と大逆転のラブストーリー!
---
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
貧乏人とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の英雄と結婚しました
ゆっこ
恋愛
――あの日、私は確かに笑われた。
「貧乏人とでも結婚すれば? 君にはそれくらいがお似合いだ」
王太子であるエドワード殿下の冷たい言葉が、まるで氷の刃のように胸に突き刺さった。
その場には取り巻きの貴族令嬢たちがいて、皆そろって私を見下ろし、くすくすと笑っていた。
――婚約破棄。
婚約破棄と暗殺で死んだはずの公爵令嬢ですが、前に出ずに全てを崩壊させます
鷹 綾
恋愛
フォールス・アキュゼーション。お前に全ての罪がある」
王太子フレイム・ファブリケイト・ロイヤル・ロードは、自らの失策を公爵令嬢フォールスに押し付け、婚約を破棄。
さらに証拠隠滅のため、彼女を追放し、暗殺まで差し向ける。
――彼女は、死んだことにされた。
だがフォールスは、生き延びた。
剣も魔法も持たず、復讐に燃えることもない。
選んだのは、前に出ないという生き方。
隣国で身を潜めながら、王弟エクイティ・フェアネス・ロイヤル・ロードのもと、
彼女は“構造の隣”に立つ。
暴かず、裁かず、叫ばない。
ただ、歪んだ仕組みを静かに照らし、
「選ばなかった者たち」を、自ら説明の場へと追い込んでいく。
切れない証人。
使えない駒。
しかし、消すこともできない存在。
これは、力で叩き潰すザマアではない。
沈黙と距離で因果を完成させる、知的で冷静な因果応報の物語。
――前に出ない令嬢が、すべての答えを置いていく。
離婚寸前で人生をやり直したら、冷徹だったはずの夫が私を溺愛し始めています
腐ったバナナ
恋愛
侯爵夫人セシルは、冷徹な夫アークライトとの愛のない契約結婚に疲れ果て、離婚を決意した矢先に孤独な死を迎えた。
「もしやり直せるなら、二度と愛のない人生は選ばない」
そう願って目覚めると、そこは結婚直前の18歳の自分だった!
今世こそ平穏な人生を歩もうとするセシルだったが、なぜか夫の「感情の色」が見えるようになった。
冷徹だと思っていた夫の無表情の下に、深い孤独と不器用で一途な愛が隠されていたことを知る。
彼の愛をすべて誤解していたと気づいたセシルは、今度こそ彼の愛を掴むと決意。積極的に寄り添い、感情をぶつけると――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる