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「ラシュリアータ辺境伯はルシータの兄君が既に後を引き継いで領主となっている。そこに市井で育った子を受けれることは出来ないと、孤児院に入れようとしているらしい。それを聞いたルシータが激怒してだな......」
「......あばりぇちゃた?」
「残念だがその通りだ。辺境伯からその連絡を受けて昨日ルシータを連れ戻しに行ったのだが、中々収拾がつかなくてな」
レオナルドは疲れた様に溜息をついた。
「今日になってどうにか折り合いが付いたので私が先に帰って来たという訳だ。それで、問題のその子の処遇なのだが......。結論から言うと、我がアームストロング公爵に引き取る事となった」
(え、ええ!? てことは、僕に弟か妹が出来るってこと!?)
と、内心の動揺を抑えて、コテンと首を傾げた。
「ちゅまり?」
「レイに新しい家族が出来るということだ」
(やっぱり!!)
「ルシータが、もうじきその子を連れて帰って来るだろう。......いきなり家族が出来ると聞いて戸惑っているかとは思うが、どうか、受け入れて欲しい」
突然のことで驚きはしたが、特に問題ないので頷いた。
「あたらちぃかじょくができるんだね。さぷらいずなたんじょーびぷれじぇんとみたいで、ちょっとびっくりぃしちゃただけだよ」
「サプライズプレゼントか。はは、面白い言い回しだな」
レオナルドはレイルークの頭を優しく撫でた。
「......レイは嫌がるかと思って心配していたのだが、如何やら取り越し苦労だった様だな」
(やばい子でなければ大丈夫!!)
「さて、色々やらねばならない事が増えてしまったな。セバス、養子縁組等の諸々の書類をまとめておいてくれ。それからシンリー、ルシータ達が到着するまでレイの側に居てやってくれ」
「「はい。承知致しました」」
セバスと、扉の近くに控えていたシンリーは、深く頭を下げた。
(一体どんな子が来るんだろう。……楽しみだな)
***
シンリーに連れられてレイルークの自室に着いた。
白を基調とした落ち着いた部屋だが、やはり全て一級品の家具で統一されている。
レイルークは部屋に入ると、天蓋付きの豪華なベッドに走り込んでダイブした。
普段ならシンリーに注意されることだが、今回は何も言われなかった。
「......レイルーク様。......新しい家族が増えることにご不安ですか?」
クッションに埋めていた顔を上げてシンリーを見た。心配そうな顔をしている。
「べつにだいじょーぶ。まあ、ちょっとおどりょいたけどね。......なかりょくできりゅかは、しんぱいだけどね。しょりぇより、ルテアしゃまだっけ。どんにゃしとだった?」
「そうですね......。ラシュリアータ辺境伯で長く侍女を務めさせて頂いていたのですが、ルテア様は小さい頃から病弱なお方で、部屋からお出になられる事は決して多くありませんでしたのであまりお会いした事がありませんでした。ですのであまりよくは存じ上げてはいないのですが、誰に対しても分け隔てなく接する、とても優しいお方だったことはよく覚えております」
「やさしーしとだったんだ。かーたまとなかよしだったんだよね?」
「はい、それはもう。......ルシータ様の母君はルテア様をお産みになってすぐにご逝去...お亡くなりになりました。もしかしたらルテア様にとってルシータ様は姉と言うよりも母親に近かったのではないのかと思います」
(母様の母様、つまり僕のお祖母様はかなり前に亡くなっていたんだ。知らなかった)
アトランス公国では公爵が爵位を子供に継承させると、前領主はその家を離れなければならない。別邸に移り住むのだ。
ちなみにアームストロング公爵も例外ではなく、既にレオナルドが爵位を継承しているのでレイルークの祖父母は別邸に住んでいる。
生まれた時はどうだったか覚えてはいないが、物心ついてからはまだ一度も会った事はなかった。
「ぼくも、きょーだいににゃるコとにゃかりょくなりたい。にゃかよくにゃれゆかな?」
「ええ、勿論なれますとも。お優しかったルテア様のお子ですもの。きっと、仲良くなれますよ」
「うん!」
(そう言えば男の子か女の子か聞くの忘れてた。僕の前世では一人っ子だったからなー。異世界の神様、どうか新しい家族と仲良くなれますように……)
異世界転生が意図的な出来事であれば、きっと神様も存在している筈。
顔も分からない神様にとりあえず祈った。
「......あばりぇちゃた?」
「残念だがその通りだ。辺境伯からその連絡を受けて昨日ルシータを連れ戻しに行ったのだが、中々収拾がつかなくてな」
レオナルドは疲れた様に溜息をついた。
「今日になってどうにか折り合いが付いたので私が先に帰って来たという訳だ。それで、問題のその子の処遇なのだが......。結論から言うと、我がアームストロング公爵に引き取る事となった」
(え、ええ!? てことは、僕に弟か妹が出来るってこと!?)
と、内心の動揺を抑えて、コテンと首を傾げた。
「ちゅまり?」
「レイに新しい家族が出来るということだ」
(やっぱり!!)
「ルシータが、もうじきその子を連れて帰って来るだろう。......いきなり家族が出来ると聞いて戸惑っているかとは思うが、どうか、受け入れて欲しい」
突然のことで驚きはしたが、特に問題ないので頷いた。
「あたらちぃかじょくができるんだね。さぷらいずなたんじょーびぷれじぇんとみたいで、ちょっとびっくりぃしちゃただけだよ」
「サプライズプレゼントか。はは、面白い言い回しだな」
レオナルドはレイルークの頭を優しく撫でた。
「......レイは嫌がるかと思って心配していたのだが、如何やら取り越し苦労だった様だな」
(やばい子でなければ大丈夫!!)
「さて、色々やらねばならない事が増えてしまったな。セバス、養子縁組等の諸々の書類をまとめておいてくれ。それからシンリー、ルシータ達が到着するまでレイの側に居てやってくれ」
「「はい。承知致しました」」
セバスと、扉の近くに控えていたシンリーは、深く頭を下げた。
(一体どんな子が来るんだろう。……楽しみだな)
***
シンリーに連れられてレイルークの自室に着いた。
白を基調とした落ち着いた部屋だが、やはり全て一級品の家具で統一されている。
レイルークは部屋に入ると、天蓋付きの豪華なベッドに走り込んでダイブした。
普段ならシンリーに注意されることだが、今回は何も言われなかった。
「......レイルーク様。......新しい家族が増えることにご不安ですか?」
クッションに埋めていた顔を上げてシンリーを見た。心配そうな顔をしている。
「べつにだいじょーぶ。まあ、ちょっとおどりょいたけどね。......なかりょくできりゅかは、しんぱいだけどね。しょりぇより、ルテアしゃまだっけ。どんにゃしとだった?」
「そうですね......。ラシュリアータ辺境伯で長く侍女を務めさせて頂いていたのですが、ルテア様は小さい頃から病弱なお方で、部屋からお出になられる事は決して多くありませんでしたのであまりお会いした事がありませんでした。ですのであまりよくは存じ上げてはいないのですが、誰に対しても分け隔てなく接する、とても優しいお方だったことはよく覚えております」
「やさしーしとだったんだ。かーたまとなかよしだったんだよね?」
「はい、それはもう。......ルシータ様の母君はルテア様をお産みになってすぐにご逝去...お亡くなりになりました。もしかしたらルテア様にとってルシータ様は姉と言うよりも母親に近かったのではないのかと思います」
(母様の母様、つまり僕のお祖母様はかなり前に亡くなっていたんだ。知らなかった)
アトランス公国では公爵が爵位を子供に継承させると、前領主はその家を離れなければならない。別邸に移り住むのだ。
ちなみにアームストロング公爵も例外ではなく、既にレオナルドが爵位を継承しているのでレイルークの祖父母は別邸に住んでいる。
生まれた時はどうだったか覚えてはいないが、物心ついてからはまだ一度も会った事はなかった。
「ぼくも、きょーだいににゃるコとにゃかりょくなりたい。にゃかよくにゃれゆかな?」
「ええ、勿論なれますとも。お優しかったルテア様のお子ですもの。きっと、仲良くなれますよ」
「うん!」
(そう言えば男の子か女の子か聞くの忘れてた。僕の前世では一人っ子だったからなー。異世界の神様、どうか新しい家族と仲良くなれますように……)
異世界転生が意図的な出来事であれば、きっと神様も存在している筈。
顔も分からない神様にとりあえず祈った。
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