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第十章 南洋の密林の島に八つ首の大蛇は存在した
降り注ぐ黄金の光
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エキドナとヒドラクイーンの襲撃によって崩壊したンネグラ族の中央集落。
そこからもランチャーモードの健太郎の放った閃光とその後、聖地カガネ山の山頂から立ち昇った黄金の光が見えた。
光はヒドラが荒した森を癒し、襲撃によって傷ついた集落の住民達を癒した。
「この光は小龍穴の時の……」
「ミシマさん達、成功したんですね」
集落で瓦礫の撤去を行っていたンネグラ族の漁師オミノミと、語り部見習いラデメヒは光に触れながら視線を交わす。
「……なぁ、あんた等……」
「何だ?」
「集落の戦士に聞いたんだが、この光はあんた等が連れて来たゴーレムが降らしているんだよな?」
オミノミ達に声を掛けて来たのは、健太郎達を受け入れた族長を非難していた集落の男だった。
「ああ、あのゴーレム、ミシマが体を変化させ小龍穴に溜まった力を解放した時と同じ光だ」
「そうか……実はヒドラの襲撃で怪我してた娘が、光を浴びて傷が癒えたんだ……あの時は娘が怪我をしてて、ついあいつ等の事、悪く言っちまった」
「……そう思うなら、族長と彼らに自分で謝罪するんだな」
「……ああ。族長には今から謝るつもりだ……それでゴレーム達にも悪かったって伝えたいんだが……そっちのあんた、語り部なんだろ?」
男はそう言うとラデメヒに視線を向けた。
「はい、見習いですけど」
「ゴーレム達に謝罪と感謝を伝えたい……あいつ等の言葉を俺に教えてくれないか」
「言葉を……」
ラデメヒはポカンと男を見つめ返した。
「駄目か? 悪かったとありがとうだけでも自分の口で伝えたいんだ」
「分かりました。喜んでお教えします」
「……そうか、助かる」
男はそう言うとプシュプシュと鼻を鳴らし笑った。
男と同様な事は島中で起きていた。光は分け隔てなく住民を癒し苦しみを取り除いた。
光の事は健太郎達と共に各部族の集落を巡ったテダハの言葉により、族長たちに伝えられており、彼らは光をもたらしたのが集落に来た青いゴーレムである事を知る事になった。
「アレは龍穴の……あの者達はヒドラを倒したのか……」
その族長のテダハも集落の跡地で聖地から立ち昇る黄金色の光を眺めていた。
彼は健太郎がVTOLモードに変形し南に向かったのを目撃していた。
その後、漁村の語り部見習いラデメヒから彼らが攫われた仲間を取り戻す為、聖地へ向かった事も聞いている。
集落が壊された事でヒドラを倒した健太郎達を悪く言う者が出たことも事実だ。
しかし結果的に彼らは聖地を取り戻し、巨獣から託された使命の継続を可能にしてくれた。
確かに集落は破壊され犠牲は出た。だが彼らがいなければ恐らく今も小龍穴にはヒドラの子が居座っていただろう。
「冒険者か……大したものだ……」
テダハは破壊された集落でキラキラと降り注ぐ光を見ながら、小さく呟いた。
■◇■◇■◇■
そんな風に島中の蜥蜴人達が見つめているカガネ山の山頂。
龍穴の側ではギャガンの言葉に怒った事でばつの悪そうな顔のグリゼルダの額の角に、そのギャガンが折れた角の欠片を押し当てていた。
「ギャガン、もういい。流石にこの光でも絶ち折れた角は治らんようだ」
「でもよぉ」
「いいと言っている」
光は山頂のグリゼルダ達にも降り注いでいたが、折れて時間が経っていた為か繋がる事は無かった。
いつもはどんな事態でも余裕を見せるギャガンだったが、相棒の力の源が失われた事にはかなり動揺していたようだ。
「だってよぉ、角が折れちまったら、俺で言えば両腕を失ったのと同じ事だろ?」
珍しく困り顔のギャガンにグリゼルダは気にした様子も無く答える。
「確かに現状で魔法の行使は難しい。だが全く使えない訳ではない」
「ねぇ、グリゼルダ。故郷では事故とかで角を無くした人はいなかったの?」
パムが首を傾げながらグリゼルダに尋ねた。
「任務で角が折れた者はいた。そういった者は負傷兵として国の補助を受け暮らしていた」
「ふぅ……冒険者には補償なんてないしねぇ……」
「補償……依頼への補償はあるけど、冒険者自身については今は全て自己責任ね……すこし考えてみるわ」
「そうかい? じゃあよろしく頼むよ」
ミラルダ達がそんな事を話している間に光の放出は終わり、黄金の光は大地に吸い込まれ消えていった。
「コホーッ」
終わったみたいだ。
「お疲れ、ミシマ……ともかく、あたし等の目標は達成出来たね」
「コホーッ?」
角の話なんだけど、俺の分解再生機でどうにか出来ないかな?
健太郎は龍穴から光を放出させる為、煙突の様に変化した両腕を変形させながらそうミラルダに提案してみる。
「ミシマがアキラを分解したアレでどうにか出来なかって言ってるけど……」
「アレか……難しいだろう。あれは寄生体に食われた者の脳の再生は出来なかったからな……さっきも言ったが私の事はラーグに帰ってからでいい。あとはイレーネの調査を終えれば依頼は達成だ。そちらに注力しよう」
「まったくあんたは……なんでそんなに自分の事には無頓着なんだい?」
「角が折られたのは私の判断ミスだ。みんなが気にする事じゃない」
彼女の言葉通りロバートの手から逃れようと、社で意識を取り戻したグリゼルダが魔法を使おうとした事が角が折られる事になった原因だった。
ただそれはパムやイレーネを守ろうとした結果でもあったが……。
「はぁ……判断ミスとか……もうアンタは兵士じゃないんだから、ちょっとは仲間を頼りなよ」
「むぅ……別に頼らないとは言っていない。ただ、気に病む必要はないというだけだ」
「ふぅ……分かったよ……それじゃあ一度ンネグラ族の中央集落に戻るとしようか……イレーネさん、出来ればミシマの鉄の鳥で帰りたいんだけど……」
「あれで……分かったわ。みんな疲れているでしょうし……あの、ミラルダさん。私を眠らせて貰えるかしら?」
「眠りの雲だね。了解だよ」
その後、健太郎のVTOLモードで一行は中央集落へと帰還した。
エキドナとヒドラを排除した事、島に振った光で多くの人が癒された事で健太郎達は蜥蜴人から、非難していた事で多少の気まずさはありながらも感謝される事となったのだった。
そこからもランチャーモードの健太郎の放った閃光とその後、聖地カガネ山の山頂から立ち昇った黄金の光が見えた。
光はヒドラが荒した森を癒し、襲撃によって傷ついた集落の住民達を癒した。
「この光は小龍穴の時の……」
「ミシマさん達、成功したんですね」
集落で瓦礫の撤去を行っていたンネグラ族の漁師オミノミと、語り部見習いラデメヒは光に触れながら視線を交わす。
「……なぁ、あんた等……」
「何だ?」
「集落の戦士に聞いたんだが、この光はあんた等が連れて来たゴーレムが降らしているんだよな?」
オミノミ達に声を掛けて来たのは、健太郎達を受け入れた族長を非難していた集落の男だった。
「ああ、あのゴーレム、ミシマが体を変化させ小龍穴に溜まった力を解放した時と同じ光だ」
「そうか……実はヒドラの襲撃で怪我してた娘が、光を浴びて傷が癒えたんだ……あの時は娘が怪我をしてて、ついあいつ等の事、悪く言っちまった」
「……そう思うなら、族長と彼らに自分で謝罪するんだな」
「……ああ。族長には今から謝るつもりだ……それでゴレーム達にも悪かったって伝えたいんだが……そっちのあんた、語り部なんだろ?」
男はそう言うとラデメヒに視線を向けた。
「はい、見習いですけど」
「ゴーレム達に謝罪と感謝を伝えたい……あいつ等の言葉を俺に教えてくれないか」
「言葉を……」
ラデメヒはポカンと男を見つめ返した。
「駄目か? 悪かったとありがとうだけでも自分の口で伝えたいんだ」
「分かりました。喜んでお教えします」
「……そうか、助かる」
男はそう言うとプシュプシュと鼻を鳴らし笑った。
男と同様な事は島中で起きていた。光は分け隔てなく住民を癒し苦しみを取り除いた。
光の事は健太郎達と共に各部族の集落を巡ったテダハの言葉により、族長たちに伝えられており、彼らは光をもたらしたのが集落に来た青いゴーレムである事を知る事になった。
「アレは龍穴の……あの者達はヒドラを倒したのか……」
その族長のテダハも集落の跡地で聖地から立ち昇る黄金色の光を眺めていた。
彼は健太郎がVTOLモードに変形し南に向かったのを目撃していた。
その後、漁村の語り部見習いラデメヒから彼らが攫われた仲間を取り戻す為、聖地へ向かった事も聞いている。
集落が壊された事でヒドラを倒した健太郎達を悪く言う者が出たことも事実だ。
しかし結果的に彼らは聖地を取り戻し、巨獣から託された使命の継続を可能にしてくれた。
確かに集落は破壊され犠牲は出た。だが彼らがいなければ恐らく今も小龍穴にはヒドラの子が居座っていただろう。
「冒険者か……大したものだ……」
テダハは破壊された集落でキラキラと降り注ぐ光を見ながら、小さく呟いた。
■◇■◇■◇■
そんな風に島中の蜥蜴人達が見つめているカガネ山の山頂。
龍穴の側ではギャガンの言葉に怒った事でばつの悪そうな顔のグリゼルダの額の角に、そのギャガンが折れた角の欠片を押し当てていた。
「ギャガン、もういい。流石にこの光でも絶ち折れた角は治らんようだ」
「でもよぉ」
「いいと言っている」
光は山頂のグリゼルダ達にも降り注いでいたが、折れて時間が経っていた為か繋がる事は無かった。
いつもはどんな事態でも余裕を見せるギャガンだったが、相棒の力の源が失われた事にはかなり動揺していたようだ。
「だってよぉ、角が折れちまったら、俺で言えば両腕を失ったのと同じ事だろ?」
珍しく困り顔のギャガンにグリゼルダは気にした様子も無く答える。
「確かに現状で魔法の行使は難しい。だが全く使えない訳ではない」
「ねぇ、グリゼルダ。故郷では事故とかで角を無くした人はいなかったの?」
パムが首を傾げながらグリゼルダに尋ねた。
「任務で角が折れた者はいた。そういった者は負傷兵として国の補助を受け暮らしていた」
「ふぅ……冒険者には補償なんてないしねぇ……」
「補償……依頼への補償はあるけど、冒険者自身については今は全て自己責任ね……すこし考えてみるわ」
「そうかい? じゃあよろしく頼むよ」
ミラルダ達がそんな事を話している間に光の放出は終わり、黄金の光は大地に吸い込まれ消えていった。
「コホーッ」
終わったみたいだ。
「お疲れ、ミシマ……ともかく、あたし等の目標は達成出来たね」
「コホーッ?」
角の話なんだけど、俺の分解再生機でどうにか出来ないかな?
健太郎は龍穴から光を放出させる為、煙突の様に変化した両腕を変形させながらそうミラルダに提案してみる。
「ミシマがアキラを分解したアレでどうにか出来なかって言ってるけど……」
「アレか……難しいだろう。あれは寄生体に食われた者の脳の再生は出来なかったからな……さっきも言ったが私の事はラーグに帰ってからでいい。あとはイレーネの調査を終えれば依頼は達成だ。そちらに注力しよう」
「まったくあんたは……なんでそんなに自分の事には無頓着なんだい?」
「角が折られたのは私の判断ミスだ。みんなが気にする事じゃない」
彼女の言葉通りロバートの手から逃れようと、社で意識を取り戻したグリゼルダが魔法を使おうとした事が角が折られる事になった原因だった。
ただそれはパムやイレーネを守ろうとした結果でもあったが……。
「はぁ……判断ミスとか……もうアンタは兵士じゃないんだから、ちょっとは仲間を頼りなよ」
「むぅ……別に頼らないとは言っていない。ただ、気に病む必要はないというだけだ」
「ふぅ……分かったよ……それじゃあ一度ンネグラ族の中央集落に戻るとしようか……イレーネさん、出来ればミシマの鉄の鳥で帰りたいんだけど……」
「あれで……分かったわ。みんな疲れているでしょうし……あの、ミラルダさん。私を眠らせて貰えるかしら?」
「眠りの雲だね。了解だよ」
その後、健太郎のVTOLモードで一行は中央集落へと帰還した。
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