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14話 不穏
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まさか朝まで一緒に寝ることになるとは。
さっぱりとした義宗さんのおはようコールと共に警戒心の無さに人知れず俺はショックを受け。
そして、知らず内に俺にも布団がかけてあることに二回目の衝撃を受けていた。
そう、途中で三船が目を醒めしていた事を表している。俺はそれに気づかずにぐっすりと隣で呑気に寝ていたのだ。
クソッ~自ら墓穴を掘っていくと、思うのはやっぱりキスされた身としては意識してしまい。隣で重い瞼を薄らと開けて、怠そうに起き上がってくる淡い黒髪に胸を弾ませたからだ。
どうでもいい日常の仕草が一つ一つ大きく見え始めいるのだと、何が膨らみ気がつき始めいると、頭の中で警笛が鳴る。
「三船もおはよう。もう朝ごはんできてるから」
「よしーーーつぐ、もうちょっと寝かしてくれたって良い……」
言葉は辿々しく、抱える様に顔の半分を覆う三船はまだ目が醒めてない様だ。
その様子に義宗さんは肩を一度落としては、直ぐに訂正する。
「義継じゃ無くて義宗。そっちは弟の方」
「そうだっ……たーーー?アンタに弟いたか……」
「……いたよ。前に会っただろ」
「会った、うん。確かに……会ったような。そうだっけ?あれ」
「三船……さっきから大丈夫?」
「大丈夫、分からない」
頭を抱える三船は寝起きで記憶が混濁しているのか、支離滅裂な事呟き、『あった、無かった』と繋がりのない会話を続けた。
「銀色に光って……」
「三船」
「赤い」
義宗さんが再び呼びかけても反応はない。
それにしても目が覚めていないにしては、今までの三船から考えれらないような冷静な姿はなく、陰湿でブツブツと呟きまるで別人のよう。
少しずつ呼吸も乱れ、吸う息がキューと苦しそうに音が鳴るのが聞こえる。
流石に異常なので、俺は思わず三船の両肩を掴み全身を揺さぶった。
力抜けた体は人形のように頭はブラブラと上下にさせ、起きろーと声をかけ続けていると、重たい瞼を抱えた真っ黒で虚な目がゆっくりとこちらに向く。
やっと、気付いた?
そして、お互いの瞳が重なり合う時には真っ黒だった目に光が戻り。
「朝から人を振り回すな」
頭に手刀をくらった。こずつく程度で全く痛くは無かったが。
意識が戻ってきた三船はもう異様な空気は無く。義宗さんにおはようと返すと床に手をついては起き上がり始め、義宗さんは心配そうに三船の見下げる。
「三船、本当に大丈夫か?今日は休んだほうがいいと思うけど」
「大丈夫、寝起きで混乱してただけ」
恐いほど普段と変わらない様子で義宗さんの横を通り過ぎる三船。俺も休んだ方が良いと思うけれど、本人が『大丈夫』と言うからには此方がどう言っても聞かないだろう。
いつもと変わらない去っていく黒い背中を呼び止める事なく、義宗さんは深い溜息を吐く。
「あの義宗さん」
「嗚呼、ごめんね。スズ君もご飯食べようか」
慌てて笑顔を作ろう義宗さんの心境の辛さが伺える。
「前にもこういう事あったんですね」
「……正解。彼もだいぶ精神的にきてるようだし。そうだね、君には話ておいた方がいいかもしれないね」
さっぱりとした義宗さんのおはようコールと共に警戒心の無さに人知れず俺はショックを受け。
そして、知らず内に俺にも布団がかけてあることに二回目の衝撃を受けていた。
そう、途中で三船が目を醒めしていた事を表している。俺はそれに気づかずにぐっすりと隣で呑気に寝ていたのだ。
クソッ~自ら墓穴を掘っていくと、思うのはやっぱりキスされた身としては意識してしまい。隣で重い瞼を薄らと開けて、怠そうに起き上がってくる淡い黒髪に胸を弾ませたからだ。
どうでもいい日常の仕草が一つ一つ大きく見え始めいるのだと、何が膨らみ気がつき始めいると、頭の中で警笛が鳴る。
「三船もおはよう。もう朝ごはんできてるから」
「よしーーーつぐ、もうちょっと寝かしてくれたって良い……」
言葉は辿々しく、抱える様に顔の半分を覆う三船はまだ目が醒めてない様だ。
その様子に義宗さんは肩を一度落としては、直ぐに訂正する。
「義継じゃ無くて義宗。そっちは弟の方」
「そうだっ……たーーー?アンタに弟いたか……」
「……いたよ。前に会っただろ」
「会った、うん。確かに……会ったような。そうだっけ?あれ」
「三船……さっきから大丈夫?」
「大丈夫、分からない」
頭を抱える三船は寝起きで記憶が混濁しているのか、支離滅裂な事呟き、『あった、無かった』と繋がりのない会話を続けた。
「銀色に光って……」
「三船」
「赤い」
義宗さんが再び呼びかけても反応はない。
それにしても目が覚めていないにしては、今までの三船から考えれらないような冷静な姿はなく、陰湿でブツブツと呟きまるで別人のよう。
少しずつ呼吸も乱れ、吸う息がキューと苦しそうに音が鳴るのが聞こえる。
流石に異常なので、俺は思わず三船の両肩を掴み全身を揺さぶった。
力抜けた体は人形のように頭はブラブラと上下にさせ、起きろーと声をかけ続けていると、重たい瞼を抱えた真っ黒で虚な目がゆっくりとこちらに向く。
やっと、気付いた?
そして、お互いの瞳が重なり合う時には真っ黒だった目に光が戻り。
「朝から人を振り回すな」
頭に手刀をくらった。こずつく程度で全く痛くは無かったが。
意識が戻ってきた三船はもう異様な空気は無く。義宗さんにおはようと返すと床に手をついては起き上がり始め、義宗さんは心配そうに三船の見下げる。
「三船、本当に大丈夫か?今日は休んだほうがいいと思うけど」
「大丈夫、寝起きで混乱してただけ」
恐いほど普段と変わらない様子で義宗さんの横を通り過ぎる三船。俺も休んだ方が良いと思うけれど、本人が『大丈夫』と言うからには此方がどう言っても聞かないだろう。
いつもと変わらない去っていく黒い背中を呼び止める事なく、義宗さんは深い溜息を吐く。
「あの義宗さん」
「嗚呼、ごめんね。スズ君もご飯食べようか」
慌てて笑顔を作ろう義宗さんの心境の辛さが伺える。
「前にもこういう事あったんですね」
「……正解。彼もだいぶ精神的にきてるようだし。そうだね、君には話ておいた方がいいかもしれないね」
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