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最終章 それぞれの旅路
第480話 愚か者が払った代償は……
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さて、その翌日、コルテス王が私に拝謁するために『ケーニギン・フローラ』を訪ねて来ることになっています。
私はやっと交渉を進めることができると期待していたのですが、簡単にはいかないようです。
ターニャちゃんはあれからずっと姿を消して王宮の様子を探っていました。
王宮の中庭を砲撃されたことに驚きやってきた宰相は現実をよく把握されている方のようです。
私達が王都マゼランの地理に詳しく、王宮の中さえも熟知していることに恐怖を感じている様子です。
私達が見せた砲撃精度で本気の攻撃をされたら手も足もでないと理解しているみたいです。
問題は王です。
宰相は私達の要求を全面的に呑むように進言しますが、王はウンと言いません。
謝罪からしてする気は無いようです。
コルテス王は北の大陸に住む蛮族を蹂躙したところで良心の呵責を感じることは無いそうです。
力の無い者が力を持つ者に飲み込まれるのは当然の理だなどと息巻いておりました。
何で、こういう方々は自分が飲み込まれる立場になることは考えないのでしょうか。
ますます、帝国で大きな顔をしていた頭のおかしな教団を彷彿とさせます。
「余は北の蛮族に対して下げる頭などもっていないわ。
明日は思い上がった蛮族どもに目に物を見せてくれる。」
とか言っていたそうです、ターニャちゃんに聞かれているとも知らずに。
悪巧みは筒抜けなのです、幾らでも対策が立てられますよね。
**********
そして、その翌日お昼過ぎのことです。
白旗を掲げた小船が一隻、ケーニギン・フローラ号にやってきました。
小船に降ろしたタラップを上ってきたのは赤茶色の立派なローブを羽織った小太りの男でした。
歳の頃は三十代半ば過ぎでしょうか、脂ぎった顔つきでキモイです。
昨日見えられた宰相に先導されて男はタラップを上ってきました。
今日乗船を認めているのは、王と宰相、それに事務方の官吏が五名まで、武装した者の乗船は認めていません。
一行はリタさんの案内によりケーニギン・フローラの最上階中ほどに位置する謁見の間に通されました。
後で聞いた話しでは、一行は船の船内とは思えない明るい廊下に驚いていたようです。
当然、辿り着いた謁見の間には更に驚愕した様子でした。
それはそうです、船内ですのでさほど広くはありませんが、室内の豪華さでは王宮に負けていません。
目玉は天井にきらめく照明の魔導具を用いたシャンデリアです。
装飾として施された飾りガラスが魔道具に光に反射してキラキラと輝き宝石のようです。
一行が玉座の前で待つのを確認して、私が謁見の間に入り玉座に腰掛けます。
「貴殿がコルテス王で相違ないか?」
私はまだ誰も声を発する前に目の前に立つ冠をかぶった男に問い掛けました。
これは異例のことです。
通常、謁見は進行役の者が話をして、私は「お言葉を」と言われた時に少し話す程度です。
勿論演出です、茶番劇の始まりです。
「いかにも、余がフェルナンド・コルテス、コルテス王国国王である。」
「そうですか、その言葉に間違いはありませんね。」
私は目の前の『コルテス王』に念押しした後、壁際に控えるターニャちゃんにお願いしました。
「あれをここに。」
私の言葉にターニャちゃんは無言で頷き、その場から姿を消しました。
それからどの位時間が経ってでしょう、実際はものの数分だと思います。
しかし、誰も言葉を発しない謁見の間は時間が過ぎるのがひどく遅く感じられました。
私に誰何された『コルテス王』は、沈黙してしまった私を怪訝な顔で窺っています。
その時、謁見の間の扉が開かれターニャちゃんと何かをズルズルと引き摺るテーテュスさんが入ってきました。
敵に転移術を見せる訳にはいかないので、隣の部屋に転移する段取りになっていたのです。
テーテュスさんがコルテス王国の一行の横を通り過ぎようとした時、一行は引きずっているモノの正体に気付いたようです。
「へ、陛下!」
コルテス王国の一行の中から声があがります。
「陛下ですか?この国には陛下と呼ばれる人はそんなに何人もいるのですか?」
私の言葉に、コルテス王国の一行は気まずそうに黙ってしまいました。
そう、テーテュスさんが無造作に引き摺っているのは、ターニャちゃんが眠らせて連れてきた本物のコルテス王です。
私はテーテュスさんに命じました。
「ここにいる者が『コルテス王』だそうです。
私は昨日コルテス王に謝罪を求めました、今日からは謝罪に訪れたこの者がコルテス王です。
約束を違えるその卑怯者の首をこの場で刎ねてしまいなさい。」
自分がコルテス王だと言うのですから、この影武者に本当のコルテス王になってもらいましょう。
その方が、この国のためにもなりそうです。
私の言葉を耳にした宰相が慌てました、そして私の前で両膝をつき平伏して嘆願したのです。
「女王陛下、どうぞお怒りを鎮めてくださいませ。
女王陛下を欺こうとしたことは深くお詫び申し上げます。
どうか陛下のお命ばかりは、お赦しください。」
コルテス王は姑息にも影武者に謝罪させて、私達の油断を誘うつもりだったのです。
まさか、自分が拉致されるとは夢にも思わなかったでしょう。
テーテュスさんはコルテス王の首根っこを掴んだまま、ターニャちゃんに眠りの術を解くように指示しました。
目を覚ましたコルテス王は状況が把握できていないのでしょう。
「誰だ、人の首を押さえている無礼者は、離せ!離さんと赦さぬぞ!」
非常に強気な姿勢ですね、宰相がその様子を呆れ顔で見ているじゃないですか。
「陛下、大声を上げずに、落ち着いて周りを見てください。
陛下の企みは全てオストマルク王国の方々に筒抜けだったのです。
陛下は捕らわれたのですぞ、今は女王陛下の御前です。
我々の負けです、意地を張らずに女王陛下に謝罪申し上げてください。
陛下のお命はオストマルク王国に握られているのですぞ。」
宰相がコルテスを諭しますが、コルテス王は強気の姿勢を崩そうとしません。
コルテス王にはまだ切り札(と本人が思っているもの)があるのですから。
「貴様等、我が国をコケにするのもいい加減にしろよ。
今、我が国が誇る最精鋭、ここマゼランを母港とする第一艦隊が貴様等を駆逐してやるからな。」
そう、コルテス王は私達が影武者の謝罪を受けて警戒が緩んでいるところを第一艦隊に急襲させる計画だったのです。
しかし、計画がばれていれば急襲にはなりませんよね。戦いにすらならないですから。
「ああ、第一艦隊か。
おい、ターニャ、あれはどうなった?」
「うん、バッチリだよ!計画通りに出来た。」
テーテュスさんはターニャちゃんの返事に満足気に頷きました。
そして、船を動かすように壁際に控えていた船長に指示を出したのです。
やがて、ケーニギン・フローラは護衛艦の隙間をぬって河口を上流に向かってゆっくりと動き出しました。
それと、ほぼ同時にテーテュスさんはコルテス王の首根っこを抑えたまま甲板に向かって歩き出したのです。みながそれに続きます。
第一艦隊の母港はマゼランの港から四百シュトラーセ程上流に遡ったところにあります。
これは軍の機密を護るためと造船所を併設しているため広い敷地を要することから、町の港と分けているそうです。
しかし今、目の前には軍港はありません。
「なんだ、これは!いったいどうなっているのだ!」
軍港があった場所は一面の森になっています。マングローブという樹木だそうです。
ポルトやマゼランのような冬でも暖かい地方で成育する樹木で、浅い水底に根を張ることが出来るそうです。
ターニャちゃんは港全体をマングローブの森にしてしまいました。
停泊中の軍艦と軍艦の間にもマングローブは生えており、複雑に枝を伸ばして軍艦を覆い尽くすようになっています。
港だけではありません、造船所のドッグ部分や軍港周辺の河岸まで広くマングローブが覆い尽くしています。
第一艦隊は出航どころではありません。陸にいた船乗りが軍艦に近づけないのは勿論、当直で艦に残っていた船乗り達が下船するのもままなりません。
もうこの港は使い物になりませんね。
そう思ってターニャちゃんは河岸に沿って広いマングローブの森を作ったのです。
今の軍港を諦めたこの国の軍上層部が付近に新たな軍港を築くことを妨害するために。
また、かつて『黒の使途』の建物を破壊した時と同じ方法で軍港内の軍の施設や造船所の建物も全部破壊し森にしてしまいました。ターニャちゃんの本領発揮です。
「久し振りにがんばっちゃった。」
ターニャちゃんは私の隣にやってきて満足気に報告してくれました。本当に楽しそうです。
「お願いだからもうやめてくれ!
これ以上海軍力を失ったら、今度は我が国が他国に攻められてしまうではないか。」
あれだけ強気だったコルテス王が泣き言を言い出しました。
こうなる前に、宰相のいう事を聞いておけば良かったのに。
************
それから一時間後、ケーニギン・フローラの謁見の間。
玉座に座る私が見下ろす先には、跪いて深く頭を下げるコルテス王の姿がありました。
「貴国に度々ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
今後、我が国は貴国及び北の大陸に対して軍を送らないことを誓います。
また、貴国から要求のあった損害賠償にも誠心誠意対応させていただきます。」
そう謝罪したコルテス王は、この数時間ですっかりやつれてしまいました。
虎の子だった第一艦隊だけでなく、軍港や造船所まで使い物にならなくなったのです。
これで、王都マゼランは丸腰状態です。
マゼランは交易の拠点で各国から商人が集まるようなのでこの情報は瞬く間に広がるでしょうね。
南の大陸は熾烈な覇権争いが続いているそうですし、コルテス王国の首脳部はさぞかし頭が痛いことでしょう。
これで、やっと陸に上がれそうです。
私はやっと交渉を進めることができると期待していたのですが、簡単にはいかないようです。
ターニャちゃんはあれからずっと姿を消して王宮の様子を探っていました。
王宮の中庭を砲撃されたことに驚きやってきた宰相は現実をよく把握されている方のようです。
私達が王都マゼランの地理に詳しく、王宮の中さえも熟知していることに恐怖を感じている様子です。
私達が見せた砲撃精度で本気の攻撃をされたら手も足もでないと理解しているみたいです。
問題は王です。
宰相は私達の要求を全面的に呑むように進言しますが、王はウンと言いません。
謝罪からしてする気は無いようです。
コルテス王は北の大陸に住む蛮族を蹂躙したところで良心の呵責を感じることは無いそうです。
力の無い者が力を持つ者に飲み込まれるのは当然の理だなどと息巻いておりました。
何で、こういう方々は自分が飲み込まれる立場になることは考えないのでしょうか。
ますます、帝国で大きな顔をしていた頭のおかしな教団を彷彿とさせます。
「余は北の蛮族に対して下げる頭などもっていないわ。
明日は思い上がった蛮族どもに目に物を見せてくれる。」
とか言っていたそうです、ターニャちゃんに聞かれているとも知らずに。
悪巧みは筒抜けなのです、幾らでも対策が立てられますよね。
**********
そして、その翌日お昼過ぎのことです。
白旗を掲げた小船が一隻、ケーニギン・フローラ号にやってきました。
小船に降ろしたタラップを上ってきたのは赤茶色の立派なローブを羽織った小太りの男でした。
歳の頃は三十代半ば過ぎでしょうか、脂ぎった顔つきでキモイです。
昨日見えられた宰相に先導されて男はタラップを上ってきました。
今日乗船を認めているのは、王と宰相、それに事務方の官吏が五名まで、武装した者の乗船は認めていません。
一行はリタさんの案内によりケーニギン・フローラの最上階中ほどに位置する謁見の間に通されました。
後で聞いた話しでは、一行は船の船内とは思えない明るい廊下に驚いていたようです。
当然、辿り着いた謁見の間には更に驚愕した様子でした。
それはそうです、船内ですのでさほど広くはありませんが、室内の豪華さでは王宮に負けていません。
目玉は天井にきらめく照明の魔導具を用いたシャンデリアです。
装飾として施された飾りガラスが魔道具に光に反射してキラキラと輝き宝石のようです。
一行が玉座の前で待つのを確認して、私が謁見の間に入り玉座に腰掛けます。
「貴殿がコルテス王で相違ないか?」
私はまだ誰も声を発する前に目の前に立つ冠をかぶった男に問い掛けました。
これは異例のことです。
通常、謁見は進行役の者が話をして、私は「お言葉を」と言われた時に少し話す程度です。
勿論演出です、茶番劇の始まりです。
「いかにも、余がフェルナンド・コルテス、コルテス王国国王である。」
「そうですか、その言葉に間違いはありませんね。」
私は目の前の『コルテス王』に念押しした後、壁際に控えるターニャちゃんにお願いしました。
「あれをここに。」
私の言葉にターニャちゃんは無言で頷き、その場から姿を消しました。
それからどの位時間が経ってでしょう、実際はものの数分だと思います。
しかし、誰も言葉を発しない謁見の間は時間が過ぎるのがひどく遅く感じられました。
私に誰何された『コルテス王』は、沈黙してしまった私を怪訝な顔で窺っています。
その時、謁見の間の扉が開かれターニャちゃんと何かをズルズルと引き摺るテーテュスさんが入ってきました。
敵に転移術を見せる訳にはいかないので、隣の部屋に転移する段取りになっていたのです。
テーテュスさんがコルテス王国の一行の横を通り過ぎようとした時、一行は引きずっているモノの正体に気付いたようです。
「へ、陛下!」
コルテス王国の一行の中から声があがります。
「陛下ですか?この国には陛下と呼ばれる人はそんなに何人もいるのですか?」
私の言葉に、コルテス王国の一行は気まずそうに黙ってしまいました。
そう、テーテュスさんが無造作に引き摺っているのは、ターニャちゃんが眠らせて連れてきた本物のコルテス王です。
私はテーテュスさんに命じました。
「ここにいる者が『コルテス王』だそうです。
私は昨日コルテス王に謝罪を求めました、今日からは謝罪に訪れたこの者がコルテス王です。
約束を違えるその卑怯者の首をこの場で刎ねてしまいなさい。」
自分がコルテス王だと言うのですから、この影武者に本当のコルテス王になってもらいましょう。
その方が、この国のためにもなりそうです。
私の言葉を耳にした宰相が慌てました、そして私の前で両膝をつき平伏して嘆願したのです。
「女王陛下、どうぞお怒りを鎮めてくださいませ。
女王陛下を欺こうとしたことは深くお詫び申し上げます。
どうか陛下のお命ばかりは、お赦しください。」
コルテス王は姑息にも影武者に謝罪させて、私達の油断を誘うつもりだったのです。
まさか、自分が拉致されるとは夢にも思わなかったでしょう。
テーテュスさんはコルテス王の首根っこを掴んだまま、ターニャちゃんに眠りの術を解くように指示しました。
目を覚ましたコルテス王は状況が把握できていないのでしょう。
「誰だ、人の首を押さえている無礼者は、離せ!離さんと赦さぬぞ!」
非常に強気な姿勢ですね、宰相がその様子を呆れ顔で見ているじゃないですか。
「陛下、大声を上げずに、落ち着いて周りを見てください。
陛下の企みは全てオストマルク王国の方々に筒抜けだったのです。
陛下は捕らわれたのですぞ、今は女王陛下の御前です。
我々の負けです、意地を張らずに女王陛下に謝罪申し上げてください。
陛下のお命はオストマルク王国に握られているのですぞ。」
宰相がコルテスを諭しますが、コルテス王は強気の姿勢を崩そうとしません。
コルテス王にはまだ切り札(と本人が思っているもの)があるのですから。
「貴様等、我が国をコケにするのもいい加減にしろよ。
今、我が国が誇る最精鋭、ここマゼランを母港とする第一艦隊が貴様等を駆逐してやるからな。」
そう、コルテス王は私達が影武者の謝罪を受けて警戒が緩んでいるところを第一艦隊に急襲させる計画だったのです。
しかし、計画がばれていれば急襲にはなりませんよね。戦いにすらならないですから。
「ああ、第一艦隊か。
おい、ターニャ、あれはどうなった?」
「うん、バッチリだよ!計画通りに出来た。」
テーテュスさんはターニャちゃんの返事に満足気に頷きました。
そして、船を動かすように壁際に控えていた船長に指示を出したのです。
やがて、ケーニギン・フローラは護衛艦の隙間をぬって河口を上流に向かってゆっくりと動き出しました。
それと、ほぼ同時にテーテュスさんはコルテス王の首根っこを抑えたまま甲板に向かって歩き出したのです。みながそれに続きます。
第一艦隊の母港はマゼランの港から四百シュトラーセ程上流に遡ったところにあります。
これは軍の機密を護るためと造船所を併設しているため広い敷地を要することから、町の港と分けているそうです。
しかし今、目の前には軍港はありません。
「なんだ、これは!いったいどうなっているのだ!」
軍港があった場所は一面の森になっています。マングローブという樹木だそうです。
ポルトやマゼランのような冬でも暖かい地方で成育する樹木で、浅い水底に根を張ることが出来るそうです。
ターニャちゃんは港全体をマングローブの森にしてしまいました。
停泊中の軍艦と軍艦の間にもマングローブは生えており、複雑に枝を伸ばして軍艦を覆い尽くすようになっています。
港だけではありません、造船所のドッグ部分や軍港周辺の河岸まで広くマングローブが覆い尽くしています。
第一艦隊は出航どころではありません。陸にいた船乗りが軍艦に近づけないのは勿論、当直で艦に残っていた船乗り達が下船するのもままなりません。
もうこの港は使い物になりませんね。
そう思ってターニャちゃんは河岸に沿って広いマングローブの森を作ったのです。
今の軍港を諦めたこの国の軍上層部が付近に新たな軍港を築くことを妨害するために。
また、かつて『黒の使途』の建物を破壊した時と同じ方法で軍港内の軍の施設や造船所の建物も全部破壊し森にしてしまいました。ターニャちゃんの本領発揮です。
「久し振りにがんばっちゃった。」
ターニャちゃんは私の隣にやってきて満足気に報告してくれました。本当に楽しそうです。
「お願いだからもうやめてくれ!
これ以上海軍力を失ったら、今度は我が国が他国に攻められてしまうではないか。」
あれだけ強気だったコルテス王が泣き言を言い出しました。
こうなる前に、宰相のいう事を聞いておけば良かったのに。
************
それから一時間後、ケーニギン・フローラの謁見の間。
玉座に座る私が見下ろす先には、跪いて深く頭を下げるコルテス王の姿がありました。
「貴国に度々ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
今後、我が国は貴国及び北の大陸に対して軍を送らないことを誓います。
また、貴国から要求のあった損害賠償にも誠心誠意対応させていただきます。」
そう謝罪したコルテス王は、この数時間ですっかりやつれてしまいました。
虎の子だった第一艦隊だけでなく、軍港や造船所まで使い物にならなくなったのです。
これで、王都マゼランは丸腰状態です。
マゼランは交易の拠点で各国から商人が集まるようなのでこの情報は瞬く間に広がるでしょうね。
南の大陸は熾烈な覇権争いが続いているそうですし、コルテス王国の首脳部はさぞかし頭が痛いことでしょう。
これで、やっと陸に上がれそうです。
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