16 / 18
第16話 アンドレア王子の決意
しおりを挟む
カルトル国の軍隊が進軍を始めたと情報が入った。
想像よりもはるかに早い進軍。
急いで隊を整え南の森へ向けて出発した。
森を抜けられてしまえば、南の都市は崩壊するだろう。
そしてすぐに王都まで進撃されてしまう。
急がなければ。
けれど、南の森に着いたとき目にしたのは、信じがたい光景だった。
「これは、どういうことだ?!」
目の前に広がるのは、カルトル軍兵士たちの無残な姿。
屈強な兵士たちが地を覆いつくすように倒れ、辺りはまるで嵐が通り過ぎたかのようだった。
いったいここで何が起こったんだ。
倒れた兵士たちを前に立ち尽くしていると、一人の男が膝を付きながら立ち上がった。
黒の鎧に赤い髪。あれはカルトルの総統ランドルフだ。
僕は急いで取り押さえる。
すでに負傷しているため、あっさりと捕えられた。
「おのれヴァローレごときが、あんな化け物みたいなやつらをどこから連れてきた」
「化け物? なんの話だ」
――南の森に突如現れた三人組が、見たこともないような攻撃魔法で何万もの兵士たちを倒していったのだという。
人間の所業とは思えない、圧倒的な魔力行使で手が出せなかったとランドルフは表情を歪めた。
「大柄な黒いマントの性別不明の人物、露出の高い服を着た髪の長い女性、そしてもう一人は黒髪の小柄な女性だった。ヴァローレの者ではないのか」
黒髪の小柄女性?
僕が知っているのは一人だけ。ユリ……なのか?
仮にその女性がユリだとしてあとの二人はだれなんだ?
なぜ、カルトル軍を?
わからない。だが、我が国にとって好機であることには間違いない。
今は目の前の問題を片付けなければ。
「カルトルの総統、お前は捕虜として連れていく」
他の兵士たちも死んではいないようだった。
けれど総統も捕えられ、壊滅的な状態で再度攻めてくることはないはず。
あとはランドルフと今後の両国についての関係を話合わなければ。もちろん、こちらが優位な立場として。
◇ ◇ ◇
カルトルの総統ランドルフを連れ帰って数日後、僕は街に来ていた。
いつもと変わらない街の様子に安心しながらも、心はどこか落ち着かないでいた。
あれから、またユリを探していた。
追跡魔法をかけて満足していたあの時の自分が恨めしい。
ランドルフから話を聞けば聞くほど、南の森のでの出来事は不可解なことが多かった。
森全体に張られた結界魔法により逃げることも、打撃を与えることもできない状態。
黒髪の女性から放たれた嵐の激風。
ここから先へは絶対に進ませないとでもいうような、カルトル軍に対する敵意。
ヴァローレの者だろうとランドルフは言うけれど、この国にそんな人材が隠れていたとは考えにくい。
念のため南の都市を探させたけれど、ユリや仲間らしき人物は見つからなかった。
街を抜け、丘の上にやってきた。
腰を下ろし、街の様子を眺める。
「ユリ……」
「え?」
え……?
後ろを振り返ると、そこにはユリが立っていた。
さっきまでは誰もいなかったはず。
「転移魔法を使ってきたのか?」
「はい……買い物に行こうと思いまして」
少しぎこちなく笑いながら、ではと街へ向かって歩き出す。そんな彼女の腕を咄嗟に掴んでいた。
「お願いがあるんだ!」
「え? お願い……ですか?」
思わず引き止めてしまったけれど、急にお願いなんて言って引かれてしまっただろうか。
お願いしたいことと聞きたいことはたくさんあるけれど、前のように警戒されてしまってはだめだ。
「少し、僕の話しを聞いてくれないか」
彼女のことを教えてもらうためにはまず自分のことを話さなければ。
それに、知って欲しい。僕のこと、この国のこと。
掴んだ腕をそのままに、じっと彼女の目を見つめる。
「わかり、ました」
その返事にほっとして、その場に腰を下ろす。
彼女もそっと隣に座ってくれた。
「僕は……この国が好きで、とても大切なんだ」
「いいところ、ですもんね」
「ありがとう。だから、この国をもっと良くしたいし守りたいと思ってる」
ユリは僕の話を真剣に聞いてくれていた。
「地方の領土は自然が多く農作物は豊富で、王都も活気があって人々の暮らしも安定しているように見える。けれど、裏では理不尽に権力を誇示する者もいる」
「教会の人たちですか?」
「知っているのか」
街の住人ではないはずなのに大きく頷く彼女は、もしかすると神官たちに何かされたことがあるのだろうか。
「他にもたくさんの脅威に直面している。先日は、隣国との争いもあった」
すると、ユリの顔付きが変わった。
「その争いは、解決したのですか?」
「両国との関係問題を解決するのには時間がかかるだろう。でも、この国の地は守られた」
「そうですか。良かったです」
柔らかく微笑む彼女の顔は美しかった。
南の森の黒髪の女性はユリなのか?
聞いてもいいだろうか。
さっさと聞いてしまえばいいものの、どうしてか彼女を前にすると、こんなにも臆病になってしまう。
真実に触れてしまえば、もう二度と会えなくなりそうで。
「さっきのお願いというのは、この国を守るためにユリの力を貸して欲しいということなんだ。僕たちの仲間になって欲しい」
「……私も、この国が好きです。教会のしていることは許せませんし、戦争は嫌いです」
「では――」
「ですが、仲間にはなれません」
「どうして?」
「訳は、言えません……でも、この国の人たちの暮らしがよくなることを願っています」
困ったように笑う表情が、悲しみを帯びているように見える。
言えない事情を抱えているのだということはわかった。
僕は彼女を諦めなければいけないのだろうか。
もし、南の森に現れた女性がユリだとしたらこんな頼もしい戦力はない。
勅命だと言えば、仲間になってくれるだろうか。
「ユリ、僕はこの国の――」
いや――王子という立場を利用し、彼女を無理やり仲間にするべきではない。
それでは教会のやっていることと同じになる。
権力を誇示し、縛り付けてはなんの意味もない。
僕は王子なんだと言いかけてやめた。
「自分で、なんとかしないといけないな。覚悟を決めるよ」
ふう、と息を吐きながら両手を後ろにつき空を見上げる。
ユリの力はすごく魅力的だ。
でもこれでは他力本願になってしまう。
僕は王子として自分の力でこの国を守るんだ。
改めて自覚して、なんだかスッキリした。
するとユリは僕を見てクスリと笑う。
「私、あなたのこと変な人だと思ってました。なんかすごく絡んでくるし」
変な人か。それもそうだ。
いきなり知らない男が自分のことを根掘り葉掘り聞いてきたらそう思うだろう。
「そうだよな……本当に申し訳ない」
「いえ、今はこの国のために私の力が必要だったからなんだなってわかりました。私も、自分の力にはびっくりしているので」
まるで友人に向けるようにニカッと笑うユリは、いろいろな表情をするのだとわかった。
そんな彼女に、僕の心が揺れる。
ああ。やっぱり、欲しい。
「ユリ、仲間になってとは言わない。せめて僕と友人に――」
手を伸ばしかけたその時、ユリの体が浮いた。
「ええ? ちょ、なんで?!」
浮いたと思えば、大きな男の肩に抱えられていた。
「ユリ!」
立ち上がり手を伸ばすが、魔力の空砲に振り払われる。
「あ! 攻撃はだめですよ。悪い人じゃないですから!」
肩に抱えられたユリは男の背中をペシペシと叩いている。
「買い物に行くと言っていたのに人間の男と逢引きか」
「いやいや逢引きって。お話してただけですよ。それより下してください」
「だめだ。このまま帰る」
突然現れたこの男、転移魔法をつかってきたのか?
それに大柄で黒いマント。南の森に現れた三人組の一人?
いや、それよりあの角は……!
「お前は魔王か!」
男は僕を睨みつけ、返事はない。
それは魔王であることを肯定しているということ。
「ユリを離せ! その首、ここで取ってやる」
「こんなところで争ってもいいのか。後ろの街が吹き飛ぶぞ」
冷静に僕を見下す魔王。
こんなところで戦えば街への被害が避けられないのは事実だ。
何よりその冷酷な瞳に、今ここでどうにかできる相手ではないと思い知らされるようだった。
「人間の暮らしなどに興味はない。ただ、そっちが向かってくるなら対抗するまで」
魔王はそれだけ言うとユリを抱えて消えていった。
僕はただ、二人の残像を眺めるように立ち尽くす。
ユリが魔王の仲間だったなんて。
でも、彼女もこの国が好きだと言っていた。
人々の暮らしが良くなって欲しいと思う気持ちは同じだと。
魔王に無理やり囚われているのか?
そんな様子ではなかった。
魔王が言った人間の暮らしに興味はないとは、どういう意味なんだ?
ヤツならば、勇者でもなんでもない僕一人の人間くらい今ここで殺してしまうこともできただろう。
それなのに、攻撃ひとつしてこなかった。
むしろ、争うことを拒んだ。
魔王は、何を考えているんだ?
僕は何か重要なことを見過ごしているのかもしれない――。
想像よりもはるかに早い進軍。
急いで隊を整え南の森へ向けて出発した。
森を抜けられてしまえば、南の都市は崩壊するだろう。
そしてすぐに王都まで進撃されてしまう。
急がなければ。
けれど、南の森に着いたとき目にしたのは、信じがたい光景だった。
「これは、どういうことだ?!」
目の前に広がるのは、カルトル軍兵士たちの無残な姿。
屈強な兵士たちが地を覆いつくすように倒れ、辺りはまるで嵐が通り過ぎたかのようだった。
いったいここで何が起こったんだ。
倒れた兵士たちを前に立ち尽くしていると、一人の男が膝を付きながら立ち上がった。
黒の鎧に赤い髪。あれはカルトルの総統ランドルフだ。
僕は急いで取り押さえる。
すでに負傷しているため、あっさりと捕えられた。
「おのれヴァローレごときが、あんな化け物みたいなやつらをどこから連れてきた」
「化け物? なんの話だ」
――南の森に突如現れた三人組が、見たこともないような攻撃魔法で何万もの兵士たちを倒していったのだという。
人間の所業とは思えない、圧倒的な魔力行使で手が出せなかったとランドルフは表情を歪めた。
「大柄な黒いマントの性別不明の人物、露出の高い服を着た髪の長い女性、そしてもう一人は黒髪の小柄な女性だった。ヴァローレの者ではないのか」
黒髪の小柄女性?
僕が知っているのは一人だけ。ユリ……なのか?
仮にその女性がユリだとしてあとの二人はだれなんだ?
なぜ、カルトル軍を?
わからない。だが、我が国にとって好機であることには間違いない。
今は目の前の問題を片付けなければ。
「カルトルの総統、お前は捕虜として連れていく」
他の兵士たちも死んではいないようだった。
けれど総統も捕えられ、壊滅的な状態で再度攻めてくることはないはず。
あとはランドルフと今後の両国についての関係を話合わなければ。もちろん、こちらが優位な立場として。
◇ ◇ ◇
カルトルの総統ランドルフを連れ帰って数日後、僕は街に来ていた。
いつもと変わらない街の様子に安心しながらも、心はどこか落ち着かないでいた。
あれから、またユリを探していた。
追跡魔法をかけて満足していたあの時の自分が恨めしい。
ランドルフから話を聞けば聞くほど、南の森のでの出来事は不可解なことが多かった。
森全体に張られた結界魔法により逃げることも、打撃を与えることもできない状態。
黒髪の女性から放たれた嵐の激風。
ここから先へは絶対に進ませないとでもいうような、カルトル軍に対する敵意。
ヴァローレの者だろうとランドルフは言うけれど、この国にそんな人材が隠れていたとは考えにくい。
念のため南の都市を探させたけれど、ユリや仲間らしき人物は見つからなかった。
街を抜け、丘の上にやってきた。
腰を下ろし、街の様子を眺める。
「ユリ……」
「え?」
え……?
後ろを振り返ると、そこにはユリが立っていた。
さっきまでは誰もいなかったはず。
「転移魔法を使ってきたのか?」
「はい……買い物に行こうと思いまして」
少しぎこちなく笑いながら、ではと街へ向かって歩き出す。そんな彼女の腕を咄嗟に掴んでいた。
「お願いがあるんだ!」
「え? お願い……ですか?」
思わず引き止めてしまったけれど、急にお願いなんて言って引かれてしまっただろうか。
お願いしたいことと聞きたいことはたくさんあるけれど、前のように警戒されてしまってはだめだ。
「少し、僕の話しを聞いてくれないか」
彼女のことを教えてもらうためにはまず自分のことを話さなければ。
それに、知って欲しい。僕のこと、この国のこと。
掴んだ腕をそのままに、じっと彼女の目を見つめる。
「わかり、ました」
その返事にほっとして、その場に腰を下ろす。
彼女もそっと隣に座ってくれた。
「僕は……この国が好きで、とても大切なんだ」
「いいところ、ですもんね」
「ありがとう。だから、この国をもっと良くしたいし守りたいと思ってる」
ユリは僕の話を真剣に聞いてくれていた。
「地方の領土は自然が多く農作物は豊富で、王都も活気があって人々の暮らしも安定しているように見える。けれど、裏では理不尽に権力を誇示する者もいる」
「教会の人たちですか?」
「知っているのか」
街の住人ではないはずなのに大きく頷く彼女は、もしかすると神官たちに何かされたことがあるのだろうか。
「他にもたくさんの脅威に直面している。先日は、隣国との争いもあった」
すると、ユリの顔付きが変わった。
「その争いは、解決したのですか?」
「両国との関係問題を解決するのには時間がかかるだろう。でも、この国の地は守られた」
「そうですか。良かったです」
柔らかく微笑む彼女の顔は美しかった。
南の森の黒髪の女性はユリなのか?
聞いてもいいだろうか。
さっさと聞いてしまえばいいものの、どうしてか彼女を前にすると、こんなにも臆病になってしまう。
真実に触れてしまえば、もう二度と会えなくなりそうで。
「さっきのお願いというのは、この国を守るためにユリの力を貸して欲しいということなんだ。僕たちの仲間になって欲しい」
「……私も、この国が好きです。教会のしていることは許せませんし、戦争は嫌いです」
「では――」
「ですが、仲間にはなれません」
「どうして?」
「訳は、言えません……でも、この国の人たちの暮らしがよくなることを願っています」
困ったように笑う表情が、悲しみを帯びているように見える。
言えない事情を抱えているのだということはわかった。
僕は彼女を諦めなければいけないのだろうか。
もし、南の森に現れた女性がユリだとしたらこんな頼もしい戦力はない。
勅命だと言えば、仲間になってくれるだろうか。
「ユリ、僕はこの国の――」
いや――王子という立場を利用し、彼女を無理やり仲間にするべきではない。
それでは教会のやっていることと同じになる。
権力を誇示し、縛り付けてはなんの意味もない。
僕は王子なんだと言いかけてやめた。
「自分で、なんとかしないといけないな。覚悟を決めるよ」
ふう、と息を吐きながら両手を後ろにつき空を見上げる。
ユリの力はすごく魅力的だ。
でもこれでは他力本願になってしまう。
僕は王子として自分の力でこの国を守るんだ。
改めて自覚して、なんだかスッキリした。
するとユリは僕を見てクスリと笑う。
「私、あなたのこと変な人だと思ってました。なんかすごく絡んでくるし」
変な人か。それもそうだ。
いきなり知らない男が自分のことを根掘り葉掘り聞いてきたらそう思うだろう。
「そうだよな……本当に申し訳ない」
「いえ、今はこの国のために私の力が必要だったからなんだなってわかりました。私も、自分の力にはびっくりしているので」
まるで友人に向けるようにニカッと笑うユリは、いろいろな表情をするのだとわかった。
そんな彼女に、僕の心が揺れる。
ああ。やっぱり、欲しい。
「ユリ、仲間になってとは言わない。せめて僕と友人に――」
手を伸ばしかけたその時、ユリの体が浮いた。
「ええ? ちょ、なんで?!」
浮いたと思えば、大きな男の肩に抱えられていた。
「ユリ!」
立ち上がり手を伸ばすが、魔力の空砲に振り払われる。
「あ! 攻撃はだめですよ。悪い人じゃないですから!」
肩に抱えられたユリは男の背中をペシペシと叩いている。
「買い物に行くと言っていたのに人間の男と逢引きか」
「いやいや逢引きって。お話してただけですよ。それより下してください」
「だめだ。このまま帰る」
突然現れたこの男、転移魔法をつかってきたのか?
それに大柄で黒いマント。南の森に現れた三人組の一人?
いや、それよりあの角は……!
「お前は魔王か!」
男は僕を睨みつけ、返事はない。
それは魔王であることを肯定しているということ。
「ユリを離せ! その首、ここで取ってやる」
「こんなところで争ってもいいのか。後ろの街が吹き飛ぶぞ」
冷静に僕を見下す魔王。
こんなところで戦えば街への被害が避けられないのは事実だ。
何よりその冷酷な瞳に、今ここでどうにかできる相手ではないと思い知らされるようだった。
「人間の暮らしなどに興味はない。ただ、そっちが向かってくるなら対抗するまで」
魔王はそれだけ言うとユリを抱えて消えていった。
僕はただ、二人の残像を眺めるように立ち尽くす。
ユリが魔王の仲間だったなんて。
でも、彼女もこの国が好きだと言っていた。
人々の暮らしが良くなって欲しいと思う気持ちは同じだと。
魔王に無理やり囚われているのか?
そんな様子ではなかった。
魔王が言った人間の暮らしに興味はないとは、どういう意味なんだ?
ヤツならば、勇者でもなんでもない僕一人の人間くらい今ここで殺してしまうこともできただろう。
それなのに、攻撃ひとつしてこなかった。
むしろ、争うことを拒んだ。
魔王は、何を考えているんだ?
僕は何か重要なことを見過ごしているのかもしれない――。
39
あなたにおすすめの小説
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
召喚失敗から始まる異世界生活
思惟岳
ファンタジー
庭付き一戸建て住宅ごと召喚されたせいで、召喚に失敗。いったん、天界に転送されたジュンは、これからどうしたいかと神に問われた。
「なろう」さまにも、以前、投稿させていただいたお話です。
ペンネームもタイトルも違うし、かなり書き直したので、別のお話のようなものですけれど。
聖水が「無味無臭」というだけで能無しと追放された聖女ですが、前世が化学研究者だったので、相棒のスライムと辺境でポーション醸造所を始めます
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
聖女エリアーナの生み出す聖水は、万物を浄化する力を持つものの「無味無臭」で効果が分かりにくいため、「能無し」の烙印を押され王都から追放されてしまう。
絶望の淵で彼女は思い出す。前世が、物質の配合を極めた化学研究者だったことを。
「この完璧な純水……これ以上の溶媒はないじゃない!」
辺境の地で助けたスライムを相棒に、エリアーナは前世の知識と「能無し」の聖水を組み合わせ、常識を覆す高品質なポーション作りを始める。やがて彼女の作るポーションは国を揺るがす大ヒット商品となり、彼女を追放した者たちが手のひらを返して戻ってくるよう懇願するが――もう遅い。
魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした
茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。
貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。
母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。
バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。
しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる