21 / 28
第21話 観劇
しおりを挟む
私とシオン様は今、ユリウス様の邸宅に来ている。
王都に戻った際にはお礼をする、という約束を果たすからと呼ばれたのだ。
客間に通された私たちは、ユリウス様から大きな籠を渡された。
「ジーク領で採れた野菜です。グラーツ家の野菜には劣りますが、ティアさんのおかげで良いものができていると思います」
「とても質の良い野菜ですね。食べるのが楽しみです」
「領地改革が上手くいっているようでなにより」
「ティアさんのおかげで畑だけでなく領民たちにも活気がでてきて、本当に感謝しています」
持って帰ったら料理長にこの野菜を使った料理を作ってもらうことにした。
「それと、ティアさんにお願いしていた件なのですが」
「肥料のことですよね。私はかまいません。シオン様もよろしいですか?」
「ああ、それはティアの好きにしてくれたらいいよ」
私が作っている肥料をユリウス様に販売することになった。
これは、ジーク領のためでもあるが、私自身のためでもある。
今後、シオン様と離縁したときに、実家に戻ってすねかじり生活をするわけにはいかない。
肥料の販売で生計を立てられたらいいなと思っている。これはその先駆けになるはず。
なんてことはシオン様には言えないけれど。
「今後ともお付き合いよろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしくお願いします」
作物の肥料だけじゃなくて、ジーク領の件で土壌改良に使える堆肥も作れることがわかったので、仕事の幅が広がりそうだ。
「あと、お礼と言ってはなんですが、よければこれをどうぞ」
ユリウス様は一枚の封筒を差し出してきた。
中を見てみるとそこには、二枚の招待状が入っていた。
「これは人気すぎてなかなか手に入らないと言われている歌劇の招待状では?!」
「実はここの館長と知り合いで、二席用意してもらったんです」
「一度観てみたいと思っていたんです。嬉しいです。ありがとうございます」
「喜んでいただけて良かったです」
まさかこんなお礼をいただけるとは思っていなかった。
ユリウス様、とても粋なことをしてくださる。
その後、少しだけお仕事の話をして帰ることになった。
ジーク領の領地改革も上手くいっているようだし、お礼に素敵なものをいただいて良い気分で帰っていたけれど、ひとつ気になることがある。
「シオン様、歌劇はお好きではないですか?」
招待状をもらったとき、嬉しくて一人はしゃいでしまったけれど、シオン様はあまり嬉しそうではなかった。
やはり男性はこういったものはあまり興味がないのだろうか。
「好きではないというか、観たことがないからわからないかな」
「私は幼い頃に一度だけ家族と観たのですが、とても感動したのを覚えています」
「そうなんだ。それは楽しみだね」
良かった。楽しみだと思ってくれているみたいで安心した。
そして数日後、私たちは劇場へと足を運んだ。
観客席には、やはりというか、貴族ばかりでとても崇高な雰囲気で溢れていた。
「なんだか、緊張しますね」
「どうしてティアが緊張するの」
シオン様は初めての観劇とは思えないほど落ち着いている。
席に着いてしばらくするとと明かりが消え、幕が上がった。
重厚な楽器の音色が響き、煌びやかな演者さんたちが出てくる。
演技とは思えないほど感情的で情熱的な物語が目の前で繰り広げられ、要所で歌われるオペラに全身が引き込まれるようだった。
物語が終盤を迎える頃、私は涙を流していた。
身分差がありながらも恋に落ちる男女。想い合いながらも家のために仕方なく別の女性を妻に迎える主人公だったが、相手に嫉妬された女性は主人公の妻に殺されてしまう。
悲しみにくれた主人公は自ら命を絶ってしまった。
そして最後、亡くなった二人は空の上で手を繋ぎ微笑み合っている、という悲しくも考えさせられる物語だった。
愛とは時に、命まで奪ってしまうものなのだと。
「悲しい物語だったね」
シオン様は、涙を流す私の手をそっと握ってくれる。
「どうして、愛し合う者同士が結ばれることができないのでしょうかね」
「そうだね……」
私の言葉にシオン様は苦し気な表情をする。
彼らの気持ちが理解できるのだろうか。
誰かを殺めたり、自ら命を絶ったり、そんなに深く重い愛を私は知らない。
でも、もしかしたらシオン様は……
「私はいつでも、シオン様の味方ですからね」
「急にどうしたの? でもありがとう。僕もいつもティアの味方だよ」
「ありがとうございます。なんだか感傷に浸ってしまいましたが、とても素晴らしい歌劇でしたね」
「うん。人気なのも納得だよ」
感想を言い合いながら劇場を出ようとしていたとき、一人の女性が私たちの前で足を止めた。
この人は以前シオン様に協力を求めていた、クラウド様のお見合い相手だ。彼女も、観劇していたんだ。
すると突然、頭を下げてきた。
「シオン様、先日はご迷惑をおかけしてすみませんでした。奥様にも失礼なことをしたと思っています。申し訳ありません」
「いえ、そんな。私は気にしていませんので顔を上げてください」
彼女の顔には生気がなく、憔悴している様子だ。
お見合いは断られたようだし、気を病んでいるのだろうか。
でも、わざわざ私たちに謝ってくるなんて、律儀な人なんだな。
「あなたに良い出会いがるよう願っております」
シオン様も丁寧に頭を下げ通り過ぎようとしたその時、急に鋭い視線を感じた。
「あなたのせいよ。あなたがいなければ結婚できたはずなのに。協力してくれるって言ったじゃない!」
女性の狂気的な叫びに、咄嗟にシオン様の前に出る。
その瞬間、腹部に鈍痛が走る。息が詰まり、全身が締め付けられるような感覚になる。お腹からはドロッとした赤い血が溢れ出ていた。
「ティア!」
シオン様が焦った表情で私を見ているけれど、その後すぐに目の前が真っ暗になり、私は意識を手放した。
王都に戻った際にはお礼をする、という約束を果たすからと呼ばれたのだ。
客間に通された私たちは、ユリウス様から大きな籠を渡された。
「ジーク領で採れた野菜です。グラーツ家の野菜には劣りますが、ティアさんのおかげで良いものができていると思います」
「とても質の良い野菜ですね。食べるのが楽しみです」
「領地改革が上手くいっているようでなにより」
「ティアさんのおかげで畑だけでなく領民たちにも活気がでてきて、本当に感謝しています」
持って帰ったら料理長にこの野菜を使った料理を作ってもらうことにした。
「それと、ティアさんにお願いしていた件なのですが」
「肥料のことですよね。私はかまいません。シオン様もよろしいですか?」
「ああ、それはティアの好きにしてくれたらいいよ」
私が作っている肥料をユリウス様に販売することになった。
これは、ジーク領のためでもあるが、私自身のためでもある。
今後、シオン様と離縁したときに、実家に戻ってすねかじり生活をするわけにはいかない。
肥料の販売で生計を立てられたらいいなと思っている。これはその先駆けになるはず。
なんてことはシオン様には言えないけれど。
「今後ともお付き合いよろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしくお願いします」
作物の肥料だけじゃなくて、ジーク領の件で土壌改良に使える堆肥も作れることがわかったので、仕事の幅が広がりそうだ。
「あと、お礼と言ってはなんですが、よければこれをどうぞ」
ユリウス様は一枚の封筒を差し出してきた。
中を見てみるとそこには、二枚の招待状が入っていた。
「これは人気すぎてなかなか手に入らないと言われている歌劇の招待状では?!」
「実はここの館長と知り合いで、二席用意してもらったんです」
「一度観てみたいと思っていたんです。嬉しいです。ありがとうございます」
「喜んでいただけて良かったです」
まさかこんなお礼をいただけるとは思っていなかった。
ユリウス様、とても粋なことをしてくださる。
その後、少しだけお仕事の話をして帰ることになった。
ジーク領の領地改革も上手くいっているようだし、お礼に素敵なものをいただいて良い気分で帰っていたけれど、ひとつ気になることがある。
「シオン様、歌劇はお好きではないですか?」
招待状をもらったとき、嬉しくて一人はしゃいでしまったけれど、シオン様はあまり嬉しそうではなかった。
やはり男性はこういったものはあまり興味がないのだろうか。
「好きではないというか、観たことがないからわからないかな」
「私は幼い頃に一度だけ家族と観たのですが、とても感動したのを覚えています」
「そうなんだ。それは楽しみだね」
良かった。楽しみだと思ってくれているみたいで安心した。
そして数日後、私たちは劇場へと足を運んだ。
観客席には、やはりというか、貴族ばかりでとても崇高な雰囲気で溢れていた。
「なんだか、緊張しますね」
「どうしてティアが緊張するの」
シオン様は初めての観劇とは思えないほど落ち着いている。
席に着いてしばらくするとと明かりが消え、幕が上がった。
重厚な楽器の音色が響き、煌びやかな演者さんたちが出てくる。
演技とは思えないほど感情的で情熱的な物語が目の前で繰り広げられ、要所で歌われるオペラに全身が引き込まれるようだった。
物語が終盤を迎える頃、私は涙を流していた。
身分差がありながらも恋に落ちる男女。想い合いながらも家のために仕方なく別の女性を妻に迎える主人公だったが、相手に嫉妬された女性は主人公の妻に殺されてしまう。
悲しみにくれた主人公は自ら命を絶ってしまった。
そして最後、亡くなった二人は空の上で手を繋ぎ微笑み合っている、という悲しくも考えさせられる物語だった。
愛とは時に、命まで奪ってしまうものなのだと。
「悲しい物語だったね」
シオン様は、涙を流す私の手をそっと握ってくれる。
「どうして、愛し合う者同士が結ばれることができないのでしょうかね」
「そうだね……」
私の言葉にシオン様は苦し気な表情をする。
彼らの気持ちが理解できるのだろうか。
誰かを殺めたり、自ら命を絶ったり、そんなに深く重い愛を私は知らない。
でも、もしかしたらシオン様は……
「私はいつでも、シオン様の味方ですからね」
「急にどうしたの? でもありがとう。僕もいつもティアの味方だよ」
「ありがとうございます。なんだか感傷に浸ってしまいましたが、とても素晴らしい歌劇でしたね」
「うん。人気なのも納得だよ」
感想を言い合いながら劇場を出ようとしていたとき、一人の女性が私たちの前で足を止めた。
この人は以前シオン様に協力を求めていた、クラウド様のお見合い相手だ。彼女も、観劇していたんだ。
すると突然、頭を下げてきた。
「シオン様、先日はご迷惑をおかけしてすみませんでした。奥様にも失礼なことをしたと思っています。申し訳ありません」
「いえ、そんな。私は気にしていませんので顔を上げてください」
彼女の顔には生気がなく、憔悴している様子だ。
お見合いは断られたようだし、気を病んでいるのだろうか。
でも、わざわざ私たちに謝ってくるなんて、律儀な人なんだな。
「あなたに良い出会いがるよう願っております」
シオン様も丁寧に頭を下げ通り過ぎようとしたその時、急に鋭い視線を感じた。
「あなたのせいよ。あなたがいなければ結婚できたはずなのに。協力してくれるって言ったじゃない!」
女性の狂気的な叫びに、咄嗟にシオン様の前に出る。
その瞬間、腹部に鈍痛が走る。息が詰まり、全身が締め付けられるような感覚になる。お腹からはドロッとした赤い血が溢れ出ていた。
「ティア!」
シオン様が焦った表情で私を見ているけれど、その後すぐに目の前が真っ暗になり、私は意識を手放した。
80
あなたにおすすめの小説
愛する女性を側室に望むのなら、いっそ私との婚約は解消してほしいのですが?
四折 柊
恋愛
公爵令嬢ジョゼフィーヌには好きな人がいた。その人は隣国の王子様リック。ジョゼフィーヌはリックと結婚したくて努力をしてきた。そして十六歳になり立派な淑女になれたと自信を得たジョゼフィーヌは、リックにプロポーズをしようとした。ところが彼に婚約者がいたことが発覚し悲しみに暮れる。今まで確認しなかった自分も悪いが、なぜかリックも家族もそのことを教えてくれなかった。そんなときジョゼフィーヌに婚約の打診が来た。その相手は自国のアルバン王太子殿下。断りたいが王命が下り仕方なく受け入れた。それなのに、ある日夜会でアルバンが可憐な令嬢に一目惚れをした。その後、アルバンはその令嬢を側室にしたいと望んだので、お互いのために婚約を解消したいと申し出たが拒絶されて……。ジョゼフィーヌの未来はどうなるのか?!
偽王を演じた侯爵令嬢は、名もなき人生を選ぶ」
鷹 綾
恋愛
内容紹介
王太子オレンに婚約破棄された侯爵令嬢ライアー・ユースティティア。
だが、それは彼女にとって「不幸の始まり」ではなかった。
国政を放棄し、重税と私欲に溺れる暴君ロネ国王。
その無責任さを補っていた宰相リシュリュー公爵が投獄されたことで、
国は静かに、しかし確実に崩壊へ向かい始める。
そんな中、変身魔法を使えるライアーは、
国王の身代わり――偽王として玉座に座ることを強要されてしまう。
「王太子妃には向いていなかったけれど……
どうやら、国王にも向いていなかったみたいですわね」
有能な宰相とともに国を立て直し、
理不尽な税を廃し、民の暮らしを取り戻した彼女は、
やがて本物の国王と王太子を“偽者”として流刑に処す。
そして最後に選んだのは、
王として君臨し続けることではなく――
偽王のまま退位し、名もなき人生を生きることだった。
これは、
婚約破棄から始まり、
偽王としてざまぁを成し遂げ、
それでも「王にならなかった」令嬢の物語。
玉座よりも遠く、
裁きよりも静かな場所で、
彼女はようやく“自分の人生”を歩き始める。
婚約破棄された侯爵令嬢ですが、帝国の次席秘書官になりました ――王の隣ではなく、判断を誤らせない場所へ
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として王宮に仕える侯爵令嬢ゼクレテァ。
彼女は華やかな場に立つことはなく、ただ静かに、しかし確実に政務と外交を支えていた。
――その役割が、突然奪われるまでは。
公の場で告げられた一方的な婚約破棄。
理由はただひとつ、「愛している相手がいるから」。
ゼクレテァは感情を見せることなく、その決定を受け入れる。
だが彼女が王宮を去った後、王国には小さな歪みが生じ始めた。
些細な行き違い、遅れる判断、噛み合わない政策。
それらはやがて、国家全体を揺るがす事態へと発展していく。
一方、行き場を失ったゼクレテァの前に、思いもよらぬ「選択肢」が差し出される。
求められたのは、身分でも立場でもない。
彼女自身の能力だった。
婚約破棄から始まる、
静かで冷静な逆転劇。
王の隣に立つことを拒んだ令嬢は、
やがて「世界を動かす場所」へと歩み出す――。
-
【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!
こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。
そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。
婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。
・・・だったら、婚約解消すれば良くない?
それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。
結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。
「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」
これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。
そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。
※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。
※本編完結しました。
※後日談を更新中です。
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
『白い結婚』が好条件だったから即断即決するしかないよね!
三谷朱花
恋愛
私、エヴァはずっともう親がいないものだと思っていた。亡くなった母方の祖父母に育てられていたからだ。だけど、年頃になった私を迎えに来たのは、ピョルリング伯爵だった。どうやら私はピョルリング伯爵の庶子らしい。そしてどうやら、政治の道具になるために、王都に連れていかれるらしい。そして、連れていかれた先には、年若いタッペル公爵がいた。どうやら、タッペル公爵は結婚したい理由があるらしい。タッペル公爵の出した条件に、私はすぐに飛びついた。だって、とてもいい条件だったから!
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
【完結済】自由に生きたいあなたの愛を期待するのはもうやめました
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
伯爵令嬢クラウディア・マクラウドは長年の婚約者であるダミアン・ウィルコックス伯爵令息のことを大切に想っていた。結婚したら彼と二人で愛のある家庭を築きたいと夢見ていた。
ところが新婚初夜、ダミアンは言った。
「俺たちはまるっきり愛のない政略結婚をしたわけだ。まぁ仕方ない。あとは割り切って互いに自由に生きようじゃないか。」
そう言って愛人らとともに自由に過ごしはじめたダミアン。激しくショックを受けるクラウディアだったが、それでもひたむきにダミアンに尽くし、少しずつでも自分に振り向いて欲しいと願っていた。
しかしそんなクラウディアの思いをことごとく裏切り、鼻で笑うダミアン。
心が折れそうなクラウディアはそんな時、王国騎士団の騎士となった友人アーネスト・グレアム侯爵令息と再会する。
初恋の相手であるクラウディアの不幸せそうな様子を見て、どうにかダミアンから奪ってでも自分の手で幸せにしたいと考えるアーネスト。
そんなアーネストと次第に親密になり自分から心が離れていくクラウディアの様子を見て、急に焦り始めたダミアンは─────
(※※夫が酷い男なので序盤の数話は暗い話ですが、アーネストが出てきてからはわりとラブコメ風です。)(※※この物語の世界は作者独自の設定です。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる